日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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抜本的な対応に目を向けなければ

「苦渋の提言」 国試合格率63.3%を受けての見解(日歯)
日本歯科医師会(大久保満男会長)は4月24日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において定例の記者会見を行った.紹介された内容は以下のとおり.

歯科医師国家試験の結果に関する見解
第107回歯科医師国家試験の合格率が過去最低の63.3%であったことを受けて,日歯としての見解を発表した.
大久保会長は,まず「今回の結果は歯科大学生の基礎学力の低下以外の何物でもなく,入試の選抜機能が働いていない」と述べ,強い危機感をあらわにした.
また,各歯科大学の入試偏差値と相関する国試合格率の推計値によるシミュレーションを示しながら,「受験者の激減が大学当局にとって死活問題であることは理解しているが,そのために入試の選抜制を放棄すれば学生の質は担保できない.状況の悪化が続けば平成28年の国試合格率は49.5%にまで落ち込むと推計され,きわめて危機的な数字となる」と改めて警鐘を鳴らした.日歯としても大学側が非常に厳しく困難な状況にあることは十分に認識しながらも,入学者の基礎学力を確保する選抜機能を備えた入試の実施や,共用試験の機能強化など教育システムの見直し,資格試験から逸脱することのない国試の実施など,「苦渋の提言」として大学関係者や関係省庁に対応を要望,理解を求めた.

新たな財政支援制度(基金)の進捗状況
本基金の対象となる事業について,4月に第1回の都道府県個別ヒアリングが行われたが,すでに具体的な事業の項目案を挙げた地域もあれば,行政との連携がなかなかとれず項目のまとまらない地域もあるとのことである.日歯は,5月30日に開催される第118回都道府県会長会議までに各都道府県歯から情報を収集し,スケジュール次第では第2回の個別ヒアリングに間に合うよう情報提供して,地域による格差を可能な限りなくしたいとしている.

【ヒョーロンニュース】



需給問題のポイントが大きく変化してきているのは先生方ご承知の通りです。ただ、現在の問題の根本を解決なしでは小手先の対応でしかありません。若い世代にもっと魅力的な世界にすることこそが真の意味での対策です。
基金に関しては、現状では悲観的な状況のようです。
by kura0412 | 2014-05-08 10:49 | 歯科医療政策 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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