診療明細ビジネス

<診療明細ビジネス>情報を匿名化し販売 個人特定の恐れも

個人がどんな治療を受けたかを記録した診療報酬明細書(レセプト)の情報を、匿名化して販売するビジネスが広がっている。製薬会社などは「医療の発展に必要」と主張するが、医師や専門家からは「個人が特定される恐れがある」と懸念の声が上がる。

レセプト情報は主にデータベースとして商品になっている。
ある大手製薬会社関係者によると、インターネットの専用サイトにIDとパスワードを入力し、病名や罹患(りかん)時期を入力して検索すると、年齢層別の患者数、薬剤の種類や平均投与量、同時にかかった病気などが分かる。新薬開発や販売戦略に利用するという。
厚生労働省も全国のレセプト情報を網羅したデータベースを運用しているが、国の機関や大学の研究者などが対象で、企業には開放していない。
レセプトは医療機関が健康保険組合に出す請求の明細で、患者の氏名、生年月日、病名、薬剤名などが記される。多くの健保は、加入者が過剰に受診していないかチェックしたり、薬の使用状況などから比較的安価な後発医薬品(ジェネリック)への変更を指導したりするため、レセプト情報を分析する専門業者に委託している。健保から分析業者への情報提供は個人情報保護法の例外とされているが、業者に対する国の許認可制度はない。
分析業者は国内に多数あり、健保と秘密保持契約を結んで情報提供を受けるという。こうした業者のうち、数社がレセプト情報を特殊な技術で匿名化して販売している。100万人以上の規模のデータを商品化している業者もあるという。
東京都内のある業者は「匿名データの集計であり、個人情報を売っているわけではない」と話すが、日本医師会は2011年、安易なデータ利用を戒める通知を都道府県医師会に出した。患者の少ない特殊な病名に性別や年代を組み合わせれば、個人が特定される恐れがあるからだ。

一方、厚労省は11年と12年、匿名化されないレセプト情報が売却・譲渡されている可能性があるとして、健保などに文書で注意喚起をした。厚労省によると、複数の情報提供があったが、裏付けはできなかったという。
厚労省ガイドラインは個人情報保護法に基づき、レセプトの個人情報を本人の同意なしに第三者に提供することを原則禁じているが、「個人情報」の定義は不明確だ。厚労省保険局総務課は「現行法では健保の判断に任せるしかない」と説明し、全国の健保が加盟する健康保険組合連合会も「各健保に任せているが、扱い方を検討しなければならない」としている。
神奈川県保険医協会の高橋太事務局次長は「法的根拠がなく、商業利用がなし崩しに進みかねない」と危惧する。医療情報の扱いに詳しい浜松医科大の木村通男教授は「医療情報は通常の個人情報以上に配慮すべきだ。個人情報保護法とは別の法整備や利用目的のチェックが必要ではないか」と指摘している。

【毎日新聞】



診療明細ビジネスですか、また物議を醸しだしそうな話が出てきました。
by kura0412 | 2014-04-07 17:05 | 医療政策全般 | Comments(0)

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