日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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まだ臨床研究も始まっていなくても

再生医療:iPS細胞で初の臨床研究も…実用化へ準備加速

◇関連新法も施行、「再生医療元年」と高まる熱気
新しい万能細胞「STAP細胞(刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得細胞)」の登場など、急進展する再生医療研究。今年はiPS細胞(人工多能性幹細胞)で初の臨床研究が実施されるほか、関連新法も施行される。日本再生医療学会は4日、京都市内で記者会見を開き、「再生医療元年だ」と意気込んだ。

◇認定医セミナー盛況
「再生医療新法が整備され、欧米の先をいく社会基盤ができつつある。今年を『再生医療元年』と呼び、日本から世界の患者を治す再生医療を考えていきたい」。同学会の岡野光夫(てるお)理事長は4日の記者会見で力強く話した。
同学会は再生医療の質を担保するため、「認定医」「臨床培養士」という資格を作り、3日に初めての「再生医療資格認定セミナー」を京都市内で開いた。セミナーは、想定の3倍を超える医師や研究者ら1100人以上が申し込み、急きょ会場を変更するほどの人気を集めた。関東の大学で再生医療を研究する医師(43)は「認定医になるためだけでなく、新法施行に関する情報を学びたくて来たが、目的は達せられた」と満足した様子だった。
学会事務局によると、セミナーの案内を始めた昨年12月上旬以降、学会の新規会員は約400人も増加。澤芳樹・同学会副理事長は「期待と関心の強さを感じる」と、手応えを語る。

再生医療研究は、2006年のiPS細胞の登場後、国の支援も受け、急速に広がった。今年1月には、体の細胞に刺激を与えるだけで、さまざまな細胞や組織になる能力を持つSTAP細胞の論文が発表された。その発想の目新しさは大きな注目を集めたが、論文の画像などへの疑問が出ていることや、ヒトで成功していないことなどから、再生医療現場の関心は今もiPS細胞が中心だという。
今年はiPS細胞を使い、目の病気の患者への臨床研究が実施される。さらに高橋淳・京都大教授が4日、京都市内で開かれた同学会で、iPS細胞を使ったパーキンソン病の患者への臨床研究を、14年度中に国へ申請する意欲を示すなど、実用化を見据えた動きが活発になっている。このため、同学会は医師らの認定制度や、臨床研究で事故が発生した場合の補償保険制度作りなどで、環境整備を進める方針だ。

◇審査に抜け道も
再生医療学会が活況に沸く一方、福岡市内の大通りに面したビル内に、今も韓国語の看板が掲げられている。2012年末、韓国人に自国で禁止された幹細胞投与を大規模に実施していることが毎日新聞の報道で判明したクリニックだ。10年にはこのクリニック関係者が京都で幹細胞を投与した後、韓国人患者が死亡した。他のクリニックでも効果が検証されていない医療行為に高額の治療費を請求する例が横行し、再生医療の安全と質の確保を目指す「再生医療安全性確保法」が、昨年11月に成立した。
新法は、再生医療を計画する全ての医療機関に、国が認定する委員会への届け出と審査を義務付けた。国に無届けで幹細胞などを使った医療を提供したり、届け出に虚偽があったりすれば、行政指導や罰金を科すことができる。
同法では、「再生医療」をうたう多くのクリニックが実施する脂肪から採取した体性幹細胞を投与する場合、生命倫理や細胞培養などの専門家ら8人以上の倫理委員会による審査が必須となる。同種の委員会は大学病院など全国10〜15カ所に設置されるとみられる。
しかし、新たな規制にも「抜け穴がある」と指摘する専門家もいる。
倫理委の条件に合う専門家は国内に少なく、人材不足が心配される。また、審査が通りやすい委員会を選んで申請する「委員会ショッピング」のような現象が起きうる。日本のように施設単位ではなく、地域ごとに倫理委員会があるフランスなどでは過去に問題化した。位田隆一・同志社大特別客員教授(生命倫理)は「制度上は、自由診療で再生医療を行う比較的小さなクリニックが集まり、審査の通りやすい委員会を作ってお手盛り審査をする可能性がある。厳格な規制が必要だ」と指摘する。

【毎日新聞】



まだ臨床研究が始まっていなくてもこの状況です。果たして歯科界の対応は・・・
by kura0412 | 2014-03-05 14:27 | 医療全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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