有名な評論家であっても医療は分かっていません

▼主治医制度ではなく、パーソナルケアに目を向けるべき

中央社会保険医療協議会は12日、診療報酬の2014年度改定を決定し、田村厚労相に答申しました。
消費増税に併せて4月から初診料を120円、再診料を30円引き上げるのが柱で、全体で0.1%の増額改定となります。国民医療負担費が40兆円規模になり、確かに大きな負担になっています。この20年で約2倍の規模になってしまいました。
入院、外来、薬の処方などを抑える方向に動いていくというのは、必要があると思います。ただ、「主治医」制度を新設するなど在宅医療を促すという方針には、少し不安を感じます。

英国などでも主治医制度は導入されていますが、必ずしも上手く機能していません。主治医が気に入らないなど、トラブルも多く発生しているからです。主治医という発想だけでなく、ドイツを参考にして「パーソナルケア」などにも目を向けるべきだと思います。
ドイツのパーソナルケアという制度では、例えばリスクが高くない医療行為であれば、個人が自分自身で実施することができます。そのためのホームケア、パーソナルケアの道具がたくさん揃っています。例えば、採血までは自分がやって、それを病院に送ると、病院から必要に応じて連絡が入るという流れになります。
日本では医師以外に認められた医療行為は非常に限定的なので、当然、このような検査も限られたことでしか実施できません。
医療行為の中でも、慣れた患者や定期的で簡単なものであれば、個人が実施することは可能だと思います。
私も数回痛風になったことがあるため、20年間にわたって痛風の薬を処方してもらっていますが、毎月同じ処方してもらうだけで非常に手間がかかっています。
本当に重要な事は、個人にイニシアティブを取らせることです。ないしは、誰か患者をケアする人がいるのなら、その人が医師に代わって簡単な医療行為を行ってあげられる仕組みを作ることでしょう。
単に価格を改定し、主治医の制度を、というだけでなく、このような点まで踏み込んで考えてもらいたいと思います。

【大前研一ニュースの視点】



世界最速の高齢化の日本に、海外の事例を持ち出して論評することは、医療経済の精通していない学者、評論家の典型です。
あれだけの人でも医療の現状を分かっていません。裏返せばそれだけ難しい分野ということでもあります。
by kura0412 | 2014-02-21 09:16 | 医療政策全般 | Comments(0)