日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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事実を深読みしない報道

医療機関に手厚く 診療報酬改定案、初診料120円上げで決着へ

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は5日、4月からの診療報酬の改定案を大筋で固める。初診料を120円引き上げるなど4月の消費税率の上げ幅以上に上乗せし、医療機関の経営を支える枠組みを整える。患者らの負担が増す一方、医療費を抑えるための効率化策の実効性は不透明。医療機関にお金をばらまくだけになりかねない。

医療機関や調剤薬局が受け取る診療報酬の2014年度改定の柱は2つある。一つは、4月に消費税率が現行の5%から8%に上がるのに伴い、医療機関のコスト負担が増す分の手当てだ。
厚労省が中医協に示したのは、初診料に120円、再診料に30円などと基本料金に上乗せする案。初診料は現行の2700円から2820円へと4.4%上がる。消費税率の上げ幅である3%を上回る。健康保険組合など支払い側の「国民に説明がつかない」との反対を押し切り、5日の中医協で決着する見通しだ。
医療機関が提供する保険医療は消費税の対象外で、医療機関は国に消費税を納めていない。だが医療側からは「必要なコストの補填」(日本医師会の横倉義武会長)との声が上がる。シーツやタオル、器材など医療機関が仕入れるモノに消費税がかかり、その増税分の転嫁が必要との理屈だ。
初・再診料など基本料金に上乗せする厚労省案は、全ての医療機関が全ての患者から徴収でき、医療機関の経営が改善しやすい。医師が風邪の患者を問診するだけで、シーツなど消費税のかかるモノを使わなくても消費税分のコストとして報酬を上乗せできる。
健保組合など支払い側は消費税のコスト負担がより大きい項目を特定して転嫁するよう提案したが、「医療機関の間で不公平が生じる」とする医療側や厚労省に退けられた。全ての医療機関が確実に上乗せを得られるかどうかだけが優先された。

17年前の消費増税時にはコスト増分を報酬に上乗せできた項目が限られ、医療機関には「回収し損ねた」との思いが強い。今回の改定では厚労省や自民党に強く働き掛け、昨年末、約40兆円の医療費総額の1.36%相当を消費増税対応分として診療報酬に上乗せするとの政府決定を引き出した。
だが4月の消費増税は、高齢化で膨らむ年金や医療、介護の費用を国の借金で若年層につけ回すのを改め、全世代で負担を分かち合うための苦渋の選択。その増税幅を上回る引き上げを平然と求める医療関係者の感覚の鈍さは否めない。その結果、医療費を賄うため企業や個人が払う保険料や患者の窓口負担を含む国民負担は増える。

【日経新聞】



医療側に対して性悪説に立っての腹が煮えくり返るような事実を深読みしない報道内容です。
by kura0412 | 2014-02-05 10:44 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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