日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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吸引器から感染?

院内感染:大阪・高槻の病院 多剤耐性緑膿菌で11人死亡

大阪府高槻市の信愛会新生病院(後藤研三院長)は6日、昨年1月以降、抗生物質が効きにくい多剤耐性緑膿菌(りょくのうきん)(MDRP)に患者21人が感染し、うち11人が死亡したと発表した。3例目以降の死者は院内感染と確認された。病院はいずれも感染が直接の死因ではないと説明しているが、昨年7月に院内感染と認識してから8人が死亡しており、病院の院内感染対策が後手に回った形だ。

病院によると、死亡した11人は62〜92歳の男性7人、女性4人。昨年1月、心不全で入院中の女性患者(92)のたんから菌が見つかり、女性は翌2月に死亡した。それ以降の死者数は、4月1人▽6月1人▽8月1人▽9月1人▽10月4人▽11月2人。いずれも死因は重篤な肺炎や脳出血などという。
病院は昨年7月、前月の感染者が4人に急増したため院内感染を疑い、院内や地元医師会などに報告や相談をした。8月にも大阪医科大や高槻市保健所、大阪府公衆衛生研究所に相談。手洗いの研修や院内一斉清掃などを実施したが、感染の広がりを防げなかった。
10月になって、府公衆衛生研究所に遺伝子検査を依頼。12月2日、病棟のベッドやトイレなどから検出した菌と感染者の菌の型が一致し、集団感染と確定した。市保健所に同20日、アウトブレーク(集団感染)と報告した。

一方、入院患者の口腔(こうくう)ケアに使う持ち運び式吸引器を昨年末に調べたところ、今月4日、別の種類の緑膿菌がチューブ内にこびりついていたことが判明。今回の院内感染菌ではなかったが、多くの患者でたんから菌を検出しており、病院は吸引器を介して感染が広まった可能性が高いとみている。
後藤院長は記者会見で「大変申し訳なく思う。新たな感染が起きないよう、職員教育を徹底する」と謝罪した。
病院のホームページによると、病院は1996年3月に開設。病床数は225床で、内科、外科など11の診療科がある。

【毎日新聞】



この病院には歯科、口腔外科はなく、外部から歯科医が訪問診療して管理していたのかどうかは分かりません。
しかし色々な点で波紋が広がりそうな結果です。
by kura0412 | 2014-01-07 08:53 | 歯科医療政策 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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