日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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前回の改定でも横ばい(医療経済実態調査集計)

個人立歯科診療所の損益差額は9,868千円(平成24年度)と,横這い

11月6日に開催された中医協(調査実施小委員会)において,先に実施された「第19回医療経済実態調査」の集計概要について公表された.これは従来の6月一月の収支状況調査とは異なり,平成24年4月から平成25年3月末までに終了した事業年度および平成23年4月から平成24年3月末までに終了した事業年度の2期間について調査したものである(歯科診療所の調査対象施設は1,170,有効回答数は645だった).

それによると,歯科診療所全体では平成24年(度)の損益差額は9,868千円(平成23年(度)は9,731千円),うち個人診療所は10,964千円(同10,834千円),法人診療所は5,098千円(同5,097千円)と,ほぼ横這いだった.
注として「個人立の歯科診療所の損益差額からは,開設者の報酬となる部分以外に,建物,設備について現存物の価格以上の改善を行うための内部資金に充てられることが考えられる」としている.
ちなみに,医科の入院診療収益のない個人診療所については,平成24年(度)のそれは26,134千円(同24,422千円)だったので,歯科は相変わらず厳しい状況が続いている.
この概要には医師,歯科医師,薬剤師,看護職員,医療技術者,歯科衛生士,歯科技工士などの常勤職員1人平均給料なども示されている.詳しい内容は厚生労働省のHPで閲覧可能である. 
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/19_houkoku.html

【ヒョーロンニュース】




改定年度の実態調査でも横ばいということは、前回の改定率でも改善は認められなかったということになります。
消費税増税でも大幅なプラス改定は望めない現状をみると、別な手立てによる経営環境改善を更にも求める必要があるようです。
by kura0412 | 2013-11-12 17:19 | 歯科医療政策 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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