診療報酬引き上げを政治問題化にして

自民党は変わったか 「近いうち解散」から1年 診療報酬 うごめく医師会

医療機関が治療の対価として健康保険などから受け取る診療報酬の平成26年度改定をめぐる攻防が激化している。日本医師会(日医)や自民党厚労族議員がプラス改定を求め、社会保障費の急増に歯止めをかけたい政府に攻勢を強めているのだ。
日医などは来年4月からの消費税増税分の財源がそのまま社会保障費に充てられるため、鼻息が荒い。改定率は年末に安倍晋三首相が最終決定するが、政権復帰を果たした自民党の業界回帰の動向を判断する試金石となりそうだ。

■プラス改定は当然?
日医の横倉義武会長は10月31日、首相と官邸で面会し、診療報酬の増額を要請した。
「消費税率引き上げは社会保障の充実が目的だ。首相に『勘案してもらいたい』と言った。首相は十分、分かっている」
横倉氏は面会後、自信たっぷりに記者団に語った。厚労相の諮問機関「社会保障審議会医療保険部会」で8日から診療報酬の査定作業が本格化するのに合わせて、首相に“圧力”をかけた格好だ。
日医は来年度の診療報酬のプラス改定を既定路線と受け止めてもいる。診療報酬は「薬価」と医師の収入源となる「本体」で構成され、2年に1度見直される。
民主党政権時代の24年度改定は薬価1・375%減、本体1・379%増。全体では0・004%増えた。このため、日医は民主党に比べて太いパイプを持つ自民党の政権復帰で、当然“分け前”が増えると見込んでいるわけだ。

■自民議員250人参加
また、日医は自民党への働き掛けも活発化させている。
8日に初総会が開かれる自民党の議員連盟「国民医療を守る議員の会」(仮称)の設立を主導した。日医傘下の関連団体が水面下で党所属議員に議連参加を促す文書を送り、強力に勧誘活動を展開した。
その結果、医師の鴨下一郎前国対委員長、首相に近い加藤勝信官房副長官らが議連の発起人に名を連ね、党所属議員の半数以上に当たる約250人が参加。議連として最大規模になり、発起人の一人は「診療報酬アップを目指す。やるからには徹底的にやる」と息巻く。設立趣意書で「適切な社会保障財源の確保」を求め、政府に対する提言書提出も視野に入れている。

政府内で、こうした“攻撃”に対抗するのは、財政規律を重視する財務省だ。
毎年度の社会保障費関連の公費支出は、年金が10兆円で医療費は15兆円、介護費も5兆円規模。消費税率が10%になってもとても賄えない-。財務省はそう算段する。
このため、財務相の諮問機関「財政制度等審議会」は10月21日、診療報酬を1%引き上げた場合、約4200億円の負担増になるとする試算を公表し、日医と厚労族を牽制(けんせい)した。

■ネット販売解禁に抵抗
それでも、日医などの動きは活発化する。
安倍政権が検討した大学医学部新設を認める規制緩和に対し、日医は「医学部教員として医師を現場から引き揚げる必要が生じ、地域医療を崩壊させる」と反発。規制緩和は事実上、見送られた。
一般用医薬品のインターネット販売解禁をめぐっても、首相が原則解禁を一度は決めたが、薬剤師の既得権益が侵されることなどを危惧した厚労族議員に押し切られ、一部品目に規制が残る見通しとなった。
ネット販売の全面解禁を求めてきた楽天の三木谷浩史会長兼社長は10月29日、政府の産業競争力会議の分科会で、自民党族議員の動きをこう皮肉ってみせた。

「岩盤規制ならぬゾンビ規制だ」
安倍晋三首相は先の参院選で勝利し「荒波を乗り越え、私たちは新しい自民党に生まれ変わった」と胸を張った。本当に自民党は変わったのか-。政権奪還を果たしてから間もなく1年を迎える自民党の姿を追う。

■党と蜜月関係も組織・集票力陰り
日本医師会(日医)はシンクタンクの日医総研などを通じて医療政策の提言を政府に行ったり、政治団体の日本医師連盟を通じ自民党に献金を続けたりすることで、同党族議員と蜜月関係を築き、厚生行政に多大な影響力を行使してきた。
その全盛期は昭和32~57年の武見太郎会長時代だ。「ケンカ太郎」の異名をとった武見氏は、意に沿わない政策が実行されたときは全国一斉休診に踏み切り、政府・自民党を翻弄することもあった。旧厚生省が医療政策をまとめる際、審議会に示す前に武見氏の“事前審査”を受けていたという逸話も残る。
しかし、高齢化に伴う医療費の増加で政府の財政悪化が進むと、日医の影響力は低下。特に「聖域なき構造改革」を推進した小泉純一郎首相(当時)は平成14年、日医の猛反対にもかかわらず、医師の技術料に当たる診療報酬の「本体」部分を初めて引き下げた。

組織力や集票力にも陰りが見える。
昭和52年の参院選全国区で自民党公認の組織内候補は約130万票を獲得したものの、平成19年の参院選比例代表では自民党公認の武見氏の次男、武見敬三氏は約19万票で落選した。
敬三氏は今年夏の参院選で東京選挙区(改選数5)から出馬し約61万票を獲得したが、最下位当選だった。組織弱体化の傾向が続いている。

【産経新聞】




この時期に武見太郎を出すのですから、視点を変えれば、それだけ現在の日医の思惑通りに安倍政権の政策に組み込まれているとも考えられます。
改めてこの記事は、診療報酬改定が政治化問題になっている証でもあります。果たしてこれからのマスコミの論調は如何に。
by kura0412 | 2013-11-05 12:28 | 政治 | Comments(0)