日本学術会議が全医師加盟の新機構設立を提言

全医師加盟の新機構設立を提言、日本学術会議

日本学術会議の「医師の専門職自律の在り方に関する検討委員会」(委員長:廣渡清吾・専修大学法学部教授)は8月30日、全ての医師全員が加盟する「日本医師機構」(仮称)の設立を提言した報告、「全員医師加盟制組織による専門職自律の確立―国民に信頼される医療の実現のために―」をまとめた。
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-h130830.pdf

同機構は、日本の医師と医療の質保証を目指し、医療政策の提言、専門医制度の確立・運営や医療事故問題の対応システムへの関与、生命倫理などについての社会への発信のほか、医師の処分に関して厚生労働大臣に申し出するなど、多岐にわたる役割を担う。
その実現には、現行の医療法や医師法の改正のほか、場合によっては新法の制定が必要になる。日本学術会議の「報告」は関係省庁などに働きかける位置付けではないため、「今後、まず医師の間で、この報告を素材として、医師全員加盟組織の議論が深まることを期待している」(日本学術会議事務局)。

「報告」はまず、医師全員が加盟する組織の必要性として、
(1)医療の質保証の医療制度改革を進める上で、医師全体の意見を取りまとめる体制の不在、
(2)専門医制度や医療事故調査システムなどを中途半端なものにしないために、全員加盟制医師組織の確立と表裏一体として位置付けるべき、
(3)国の行政処分が医療の質保証を約束するものとなっていない、という3点を指摘。
その上で、「日本医師機構」(仮称)を設立し、「医師の質を保証し、信頼できる医療の提供の実現」を目指すべきだと提言。同組織は、公益に資することを目的し、同業組合的活動や政治活動を禁止し、診療報酬問題に組織として関与することも排除する。

具体的な目的は、3つ。
(1)医療政策の実現にイニシアチブを取り、かつ責任を負う、
(2)全医師の質の確保について責任を負う(倫理・職務規範の制定と違反者への懲戒手続きの実施、専門医制度の確立・運営、医療事故問題への対応システムの設置)、
(3)国民と患者からの「社会的責任追及」の相手方になる(医療安全に対する社会への応答責任の担い手、生命倫理に対する社会への発信など)――だ。

日本で医業を行う医師は全員、「日本医師機構」(仮称)への登録を求め、同機構は、登録医師の登録料・会費で運営する。医師免許の権限は現行と同じく厚生労働大臣が持つが、大臣による行政処分は、同機構の申し出に基づいて行うとしている。
日本学術会議事務局は、今回の報告について、「日本医師会の組織率は6割程度であり、利益団体とも見られている。医療水準を確保する観点から、以前から臨床医学関係の分科会より全医師が加入する組織の設立を求める声が上がっていた」と説明。前期(2008-2010年)も検討していたものの、法制面の検討が欠けていたために、報告の取りまとめが見送られた経緯がある。
今期(2011-2013年)の「医師の専門職自律の在り方に関する検討委員会」は、法律家も多数加えた形で設置、諸外国の例も検討し、報告の取りまとめに至った。

【m3.com】



この報告書の実現への本気度がどの位かは分かりませんが、日本学術会議からの提案ですので波紋が広がりそうです。
by kura0412 | 2013-09-02 20:14 | 医療政策全般 | Comments(0)