日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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内閣人事局によって

「近衛官僚600人」人事局に秘める深謀

「600人以上だ」。首相、安倍晋三は内閣官房に設置する内閣人事局について、行政改革担当相の稲田朋美にこう念押ししたという。
現在、首相官邸が判断する局長級以上の人事は200人規模。内閣人事局ができれば局長級より下の審議官級以上にまで関与することが可能で、規模は3倍に膨らむ。安倍官邸が人事をテコに目指すのは、忠誠を尽くす600人の「近衛官僚」の誕生だ。

6日、自民党本部9階で開かれた行革推進本部総会は100人を超える議員であふれかえった。テーマは公務員改革だったが、出席者の関心は内閣人事局に集中した。
稲田は安倍の言葉だと前置きして「誤った政治主導ではなく、真の政治主導の下、戦う公務員をつくる」と力説。「来春に内閣人事局を設置する。秋の臨時国会に関連法案を提出する。首相と議論し、一致している」と強調してみせた。
各省庁の職員の人事権は各閣僚にある。だが、局長級以上の人事は今でも閣議了解が必要で、官邸の事前審査をクリアしなければならない。官房長官と官房副長官3人による人事検討会議を経なければ、次官にも局長にも就任できない。

この半年余り、安倍とその意をくんだ官房長官、菅義偉は人事検討会議の仕組みを使い、霞が関の人事に深く関与してきた。内閣法制局長官に、慣例を破って外務省出身の小松一郎を据えたことは記憶に新しい。夏の外務、経済産業、厚生労働各省の次官人事も官邸の意向が色濃く出た。
内閣人事局が内閣官房に設置されると、首相官邸が口を挟む人事の範囲が次官と局長以外に広がる。立案に関わった政調会長代理、宮沢洋一は「内閣に近衛騎兵団をつくる。忠誠を尽くす軍団をつくる。そういう発想の下につくった」。内閣人事局は人事による官僚の完全掌握を目指した組織といえる。

稲田は審議官級以上600人の規模を「最低ライン」と主張する。
内閣人事局の制度設計は、2009年の麻生太郎内閣で、いまは経済財政・再生相を務める甘利明が行革相としてまとめあげたものがベースだ。福田康夫内閣の08年に成立した国家公務員制度改革基本法は当時行革相だったみんなの党代表、渡辺喜美を中心に与野党修正が進み、内閣人事局が関与する範囲を部長級以上とした。09年の「甘利法案」は、審議官級以上に範囲を狭めた経緯がある。

内閣人事局の法案は09年と、その後の民主党政権時代も含め3度、国会に提出されながら、すべて廃案になった。
民主党政権下で停滞したのは、官邸より各省の政務三役が主導する形が重視されたことや、内閣人事局より国家戦略局の設置を優先したことも背景にあった。
自民党が政権復帰を果たし、参院選勝利によって衆参両院のねじれも解消された。内閣人事局の法案成立に向けた大きな障害はなくなったと言っていい。仮にハードルが残っているとすれば、「強い官邸」を警戒する各省庁と自民党の一部だ。
「官房長官や副長官の顔色をうかがう公務員ばかりになる。ゴマをする公務員が出世するとなると、公務員の仕組みが壊れてしまう」。財務省出身で元環境次官、中川雅治は党行革本部総会でこう指摘した。元行革相の村上誠一郎らも内閣人事局に慎重論を唱えた。

「十分に議論を尽くし、広く関係者の合意を得ること」。人事院総裁、原恒雄が安倍に8日提出した報告書には、内閣人事局への懸念が記されていた。人事院は09年の法案提出にあたって内閣人事局に機能の一部が移ることに反対した。15日、人事院勧告を協議した給与関係閣僚会議で、稲田は「09年法案が基本」とあえて発言した。
 「進めてください」。7日、稲田から状況報告を受けた安倍は慎重論にも微動だにしなかった。党行革本部長、望月義夫ら幹部は23日に対応を協議する。内閣人事局を巡る議論は官邸と党、政と官の力関係を占う試金石になる。

【日経新聞】



村井厚労次官の登用は、従来の慣習に捉われず、官邸の意向が強く映し出されわれわれでも意外性を感じる人事でした。
あまり話題にならない話ですが、ひょっとすると政治と行政の関係に大きなインパクトを与えるかもしれません。
by kura0412 | 2013-08-23 15:30 | 政治 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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