日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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「虫歯放置…児童虐待のシグナル早期発見」

虫歯放置…児童虐待のシグナル早期発見

児童虐待の認知件数が年々増加している中、三重県歯科医師会は同県などと協力し、歯の定期検診の結果と、生活習慣に関するアンケートの結果などを組み合わせて分析することで、児童虐待の早期発見につなげる取り組みを今秋から始める。同歯科医師会によると全国的にも珍しいという。

多数の虫歯や、口内の傷が治療されないまま放置されている場合、ネグレクトや暴力を受けている可能性が高いとして、児童虐待防止法では、歯科医師に行政機関や警察などへの通告を義務付けている。同歯科医師会でも2006年に対応マニュアルを作り、各会員に積極的な対応を周知、徹底してきた。
ただ、通報に至るケースは少なく、虫歯の状況などだけで通報することをためらう医師もいるとみられることから、同歯科医師会では、口腔(こうくう)衛生学に詳しい愛知学院大の森田一三講師の協力を得て、歯科検診の結果と、児童に対する生活習慣のアンケートを組み合わせる方法を発案した。「異変」がある児童については、さらに担任教師も保護者の状況など家庭環境を確認する“トリプルチェック”で、虐待の早期発見に役立てる狙いだ。

同歯科医師会と県はまず、ここ数年に虐待事件のあった四日市、鈴鹿、桑名市内を中心に、小学校10校程度で年1回、小学1~3年の児童を対象に選択式のアンケート(12問)を実施し、「寝る前に歯を磨くか」「外から帰ったら手を洗うか」など、基本的な生活習慣が身についているかどうかを尋ねる。回答は質問ごとに点数化され、歯科検診の結果などを照らし合わせて虐待の恐れがあるかどうかを判断するという。
同歯科医師会の羽根司人・常務理事は「口の中は生活習慣が反映されているので、歯科医師は虐待の早期発見に貢献できると思う。虐待がひどくなる前の段階で見つけ、行政機関と連携していきたい」と話している。

【読売新聞・三重】



丁度、昨日この問題に対してある私の地元の校長先生と懇談しました。
教員の先生方の中でも随分と問題になっているようです。
ここにもあるようにあまり難しく考えずに、先ず治療勧告、口腔衛生指導などの基本的なことを進めるだけでも教育に寄与する部分はあるようです。
by kura0412 | 2013-06-19 17:04 | 歯科 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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