日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

今、取り組むべきものは・・・

総合的な視点をもって消費税問題への対応を(日歯)

日本歯科医師会(大久保満男会長)は5月30日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において定例の記者会見を行った.
冒頭の挨拶で大久保会長は,平成26年度から引き上げが予定されている消費税問題について,先般与党PTより受けたヒアリングについて報告した.
会長は歯科界の大きな関心事である診療報酬等の議論についても「当然大切」と前置きしながら,公的な医療保険(国民皆保険)制度と地域保健活動との連携や,超高齢社会におけるQOL,健康寿命の延伸,看取りの医療に歯科がどう関わるか等,基本を押さえることの重要性を述べている.そして「今後増税が免れないとするならば,その分,新しい医療の提供体制を整備するなど国民に納得いただけるような道筋を示し,総合的な視点をもって進めていかなければならない」と,従来どおり“国民の健康と生活を守る”日歯の基本方針を改めて示した.他に紹介された主な内容は以下のとおり.

医療に係わる消費税問題
二段階で予定されている増税のうち,まず8%時には医療は非課税扱い,控除対象外消費税も診療報酬で補填されるという現状と同様の対応が予想されるが,現行の方式にはこれまで日歯が繰り返し指摘をしてきたようにさまざまな問題(補填漏れ,煩雑な計算式,医療経済実態調査の設計不備,高額投資や仕入れ等の問題,財源の貼り付け先,歯科診療所の特殊性による事務的負担増など)が散見される.また,10%時には課税か非課税か,医療の扱いそのものに対しての議論がなされているが,日歯としては控除対象外消費税問題の解決が焦点という考えである.さらには今後,医療への課税が決定すればその非営利性・公共性・公益性が否定されかねないという危機感もあり,日歯を含めた診療側は,第一に現行の方式を是正したうえで柔軟な活用を望んでいる.
そのほか,事業税非課税措置や四段階特措法の存続,医療機器特別償却制度の活用など,常の税制要望についても引き続き理解と一層の対応を求めた.

死因究明等推進計画検討会議
日歯は同会議の検討課題について,「人材の育成」と「施設等の整備」を掲げた.
前者については,①地域の歯科医師会と所轄の警察との現場の作業手順に則った合同研修会,②警察歯科分野に特化した災害歯科コーディネーターの養成,③法歯学教育体制の整備,後者については,④資機材のパッケージや照合解析ソフトの活用,⑤歯科情報の標準化,⑥データベース構築,が挙げられる.すでに⑤については政府予算が割り当てられ実証実験も予定されているが,③については全29歯学部・歯科大学のうち法歯学講座が7つ,常勤歯科医師は20数名のみである.また,⑥についてはかかりつけ歯科医院におけるデータ整備はもちろん,警察で扱う身元不明のご遺体(年間1,000~1,200体程度)の歯科所見を先に採取すべきだという意見も聞かれ,各方面と密に連携を取りながら進めていく.

特定機能病院の認定要件にまつわる改正案
特定機能病院が標榜する診療科について,現状では16診療科中10以上の標榜で要件に適うが,改正案では「16診療科すべての標榜を必須」としている.
これはより質の高い,高度な医療を提供する同病院の趣旨に即した好ましい流れであるが,歯科については「ただし歯科については標榜していない場合や,病院と同一系列の歯科病院と連携して対応している場合があるが,どのように取り扱うべきか」とされ,日歯は強い懸念を示している.
検討会では委員から現状で歯科が標榜されていない病院の改正後の扱いについて懸念も上がったとされるが,日歯としては,改正案では「すべて標榜」としているのだから,そこで歯科が除外されてしまうのはいかがなものか,医科歯科連携が推進されている現状にもそぐわない,と歯科に関する但し書きは不要であるとの意を毅然と示した.

【ヒョーロンニュース】



死因究明の推進、特定機能病院の認定要件も重要な課題です。しかし、今、歯科界が直面しているのはもっと別な大きなテーマではないでしょうか。
by kura0412 | 2013-06-15 16:54 | 歯科医療政策 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
以前の記事
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2004年 08月
2004年 07月
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧