歯科界でも整理してないのでこんな考えが

歯の治療費こう決まる 痛い目に遭わない基礎知識

6月4~10日は「歯と口の健康週間」。しかし、歯の治療をつい先延ばしにする人も多いだろう。敬遠する理由は治療の痛みと機械音、そしてお金の心配。「治療費が想定より膨らんだ」「治療内容に比べて高い」と後悔しないためにどうすればいいのか。

「うん、いい感じだ」。都内に住む男性会社員のAさん(37)は歯磨きの途中、鏡をのぞき込んでは虫歯の治療痕を確認する。昨年18万円をかけて2本の歯にセラミックをかぶせた。仕上がりは満足だが、費用については「相場が分からず、口の中ほどスッキリしない」と苦笑する。
歯の治療への消費者の不満や相談は増加傾向にある。国民生活センターによると、歯科治療に関する相談件数は2012年度に3000件強。04年度に比べ2.6倍に達した。相談で最も多いのが施術の不良。次いで歯科医の説明内容と治療費に関するものだという。

■「併用」で曖昧に
歯科治療の内容は健康保険の対象と、それ以外の自由診療に分かれる。
保険診療は基本となる治療で、虫歯や歯周病など一般的な内容に対応する。抜歯、レントゲン撮影といった処置ごとの点数の合計で治療費が決まる。現役世代なら3割を自分で払い、残りは健康保険が負担する。治療1回当たりの自己負担額は数千円以内で済む場合が多い。
一方、歯を白くするホワイトニングや歯列矯正など美容目的の治療は保険の適用外だ。インプラント(人工歯根)やセラミックなど新しい技術や高価な材料を使う場合も自由診療になる。
自由診療は内容も料金も歯科医の裁量の部分が大きい。そのため「見栄えや使用感など、より質の高い治療を追求できる」と六本木駅前歯科(東京・港)の日高大次郎院長は話す。
精度の高い詰め物の加工や長持ちする接着剤、医師の「技術料」などを加味した結果、治療費は高くなりがちだ。インプラントなど1本30万円を超える例もある。自由診療は都市部で多く、東京都では歯科医の収入の約2~3割が自由診療といわれる。

歯の治療費を考える際に、見逃せないのが保険診療と自由診療の「併用」だ。
保険対象とそれ以外の治療を同時にするのは混合診療と呼ばれ、日本の医療では通常認められない。ところが歯科治療では歯を削った後や抜歯の後の処置に限り、患者が希望すれば保険診療から自由診療に移行できる。
虫歯の治療で「かぶせる材料をどれにしますか」と歯科医から説明が始まったら、そのときが分かれ目。保険適用の銀歯を選べば保険診療のままだが、金歯やセラミックを選べば自由診療になる。
同じ処置でも、患者の口内の状態によって保険診療か自由診療かが変わるものがあることも注意が必要だ。例えば歯磨き指導の場合、すでに虫歯や歯周病にかかっている場合は保険適用になる。ただし虫歯が1本もないなど口内が健康な状態なら自由診療になる。
フッ素塗布は基本は自由診療だが、虫歯になりやすい患者に対しては保険が適用されるケースもある。いずれも歯科医が患者の歯の状態を診断したうえで治療を進める。
もちろん、保険診療と自由診療のどちらを選ぶかは最終的に患者の意思だ。しかし「技術レベルは歯科医によって大きく異なる」(都内の開業医)。自由診療の場合、料金の算定基準や保険診療と比べた治療内容の違いなどの説明で曖昧な例もあるのが現状だ。結果として、患者が歯科の治療費に釈然としないケースにつながりやすい。

■まずは確定申告
歯科の治療費が高額になった場合はどうすればいいのか。まず確定申告を忘れないようにしたい。
医療費控除の申告をすれば年10万円を超えた分、課税される所得が減る。歯科の窓口でもらった治療費の領収書や購入した薬のレシートを保管しておきたい。医療費控除は「生計を一にする世帯」が対象。家族が歯科治療をした際の領収書も無くさないようにしよう。
ただ、歯科で医療費控除の対象となるのは虫歯などの治療目的が基本だ。金歯やセラミックなどを詰めるのは対象となるが、成人が美容目的で受けた歯列矯正やホワイトニングの費用は控除されない。
治療内容にこだわりたい人は、民間の保険に入る手もある。
昨年10月にエース損害保険が発売した「歯の保険」は詰め物・かぶせ物やインプラント、ブリッジが対象。詰め物・かぶせ物は歯1本につき3~5万円、インプラントやブリッジは1つにつき最大10万円の補償が受けられる。保険料は40~44歳なら月2230~2690円だ。

保険診療でも一定水準の治療ができることも頭に入れておきたい。
東京歯科保険医協会(東京・新宿)の松島良次会長は「日本の保険診療は世界的に見ても患者の費用負担が小さい」と強調する。制度が違うため単純に比較できない面もあるが、米国などでは虫歯1本の治療に数万円かかることが珍しくないという。「海外で治療した人は大抵驚く」(松島氏)

歯の健康維持に関して多くの医師が推奨し、経済的にも負担が小さいのが定期的に歯科医に通うことだ。
例えば年に3回、歯石除去や歯磨き指導を受けた場合の自己負担額は合計で数千円程度で済むことが多い。虫歯が悪化すればそれ以上の治療費と痛い思いを覚悟しなければならない。
黒田歯科医院(東京・千代田)の黒田昌彦院長は「自分の歯を維持するのが一番。そのコストと思えば定期的な通院は高くないはず」と話す。
歯の状態は個人によって千差万別。どんな治療を受けたいかも様々だ。納得できる治療を受けるために、治療前には歯科医に十分な説明を求める姿勢も大切だろう。

【日本経済新聞】



歯科では既に混合診療となっているとの論調です。
歯科界内部でも整理してない為にこんな考え方になっています。
by kura0412 | 2013-06-10 11:11 | 歯科医療政策 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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