日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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薬のネット販売解禁によって

薬ネット販売解禁へ 大衆薬、原則全て対象

政府は4日、一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売を解禁する方針を固めた。原則すべての大衆薬を対象とする。
安全性にも配慮し、医療用医薬品から大衆薬に転用して間もない薬に限り、副作用などの危険性を検証し、一定期間、販売対象から外す例外措置も検討する。月内にまとめる成長戦略の目玉政策として盛り込む方針で、最終とりまとめを急いでいる。

4日朝、菅義偉官房長官、甘利明経済財政・再生相、田村憲久厚生労働相、稲田朋美行政改革相の関係4閣僚が首相官邸で協議。安全性に配慮しつつ、大衆薬のネット販売を解禁する方向で一致したもよう。早ければ安倍晋三首相が5日に発表する成長戦略の概案に盛り込めるように、詰めの調整を続ける。
薬のネット販売を巡っては大衆薬のうち、ビタミン剤など副作用のリスクが低い第3類はすでに解禁されている。今回、リスクが高い第2類から第1類も原則として対象に加える。消費者の利便性を高め、薬を買いやすくすると同時に価格競争を促し、ネットでの商取引の拡大にもつなげる狙いだ。
副作用リスクが高い薬については一定期間、除外品目を設けることも検討する。鎮痛剤ロキソニンS、鼻炎用薬アレグラFXなど25品目が候補にあがっている。ただ、全大衆薬1万1400品目の0.2%で例外が設けられた場合でも、99%超の大衆薬のネット販売が認められることになる。
例外品目については対面販売の開始から一定の期間を置くことで、副作用リスクなどを検証し、ネット販売が可能か見極める。厚労省が専門家を集めた検討会を立ち上げる見通しだ。
リスクが高いと判断された大衆薬を医療用医薬品に戻す案も浮上している。副作用リスクの高い薬を分類から外すことで、100%の大衆薬をネットで販売できるようにする考え方だ。その場合、対面でもネットでも大衆薬として販売できなくなる。

安倍晋三首相は4日午前の参院経済産業委員会で「安全性を確保できる新たなルールを早急に策定するよう尽力していく」と述べた。「消費者の利便性から考えているわけで、経済を優先して安全を犠牲にすることは決してあってはならない」と強調した。生活の党のはたともこ氏への答弁。
大衆薬のネット販売は1月の最高裁判決が、副作用リスクの高い第1類と第2類の販売を一律に禁じた厚労省の省令を違法と認定。この判決以降、企業による薬のネット販売の参入が相次ぐ「事実上の解禁状態」にある。厚労省は推進派と反対派を集めて、新たな販売ルールを作る検討会を開いたが、結論を出せなかった。
楽天などのネット業者は「ネットが対面に劣るという法的な根拠はない」として、ネットに限った規制は例外措置でも認めないと反発している。

【日経新聞】



最高裁の判決が大きく影響したようです。しかし本当に大丈夫なのでしょうか。
いずれにせよ薬だけでなく、医療経済として黒船到来の汽笛となるかもしれません。
by kura0412 | 2013-06-04 16:16 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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