周知期間が必要でW選挙は不可能なれど

衆参同日選におびえ、0増5減法案の成立を必死で遅れらさせようとする民主党

今月初め、地下鉄丸ノ内線の車中で知り合いの民主党議員に声を掛けられた。「民主党の展望がなかなか開けませんね」などと雑談していると、この議員が真顔で聞いてきた。
「衆参同日選はあるんですか?」
その質問に驚き、真っ向から否定すると、議員は「否定することにびっくりしました」と言った。そのうち、落選中の前議員からも同日選の可能性に関する問い合わせをいただくようになった。どうやら、同日選論が民主党内で静かに広がっているようだ。
政権側を取材していて、同日選をめざす動きはない。しかし、火のないところに煙は立たないはずだ。自分の見立てが間違っていることもあり得る。そう思い、取材していくうちに、火元が見つかった。

「安倍晋三総理は本気だ」
民主党内での火元は前国家戦略担当相・前原誠司だった。
「前原さんから聞いた」という議員が複数いた。前原は憶測でものを言う政治家ではない。さらに火元をたどると、ある会合に行き着いた。
4月1日夜、前原ら3人の民主党閣僚経験者が自民党幹事長・石破茂と会合した。その際、石破が同日選の可能性に言及し、「安倍晋三総理は本気だ」と話したという。
確かに、衆参同日選は安倍の持論だ。安倍は自民党総裁選直前の昨年9月に発売された『文芸春秋』10月号で、「衆参ねじれ」を解消する方策として、次のように記している。
「そこで、一つ提案があります。参議院の改選期に合わせて、三年ごとに『衆参ダブル選挙』を実施するのです。衆参でそれほど選挙結果に差違は生まれないでしょうから、選挙後の三年間は確実に政治が安定します。憲法改正も必要ありません」
この頃、安倍は「年内に衆院解散・総選挙、この総選挙で自民党が政権を奪還後、2013年に衆参同日選を断行し、衆参で安定した勢力を確保する」と考えていた。だから、石破が前原らに話したことはウソではない。

今、総選挙となれば民主党は壊滅する
だが、衆参同日選はあり得るのか。政治の世界では「絶対」はないので、絶対無いと言うつもりはないが、その可能性は限りなくゼロに近い。
まず、日程面で難しい。
総選挙を行うのには少なくとも衆院の定数を是正する「0増5減」法案が成立していなければならない。昨年12月の総選挙について、高裁は3月に次々と「違憲判決」を下した。この法案が成立しないのに、総選挙を行うことは非常に難しい。
0増5減法案は今週、自民、公明両党の賛成多数で衆院を通過する見通しだが、成立する時期は憲法の規定で衆院での再議決が可能になる「60日ルール」を使っても6月26日の今国会会期末ぎりぎりになる。今回の定数是正は福井、山梨、徳島、高知、佐賀県の定数を一つずつ減らすだけでなく、この5県を含む17都県42選挙区で区割りを見直す内容だ。少なくとも3ヵ月程度の周知期間は必要になるだろう。

0増5減法案にかたくなに反対している民主党を見ていると、同日選を阻止するために成立時期を遅らせようとしているのではと勘ぐりたくなる。しかし、安倍政権にとって同日選を断行する政治的な意味はほとんどない。
というのは、自公両党の衆院勢力は参院で否決されても衆院で再議決可能な3分の2に達している。これ以上、増やしてもメリットはない。
それだけでなく、公明党を外し自民、維新両党でも3分の2を確保できることが公明党の動きを抑える効果を持っている。世論調査における維新の落ち込みぶりを見るとと、総選挙となれば維新が後退する可能性があり、このような絶妙な議席配分になるとは限らない。
また、参院選情勢を調べると、単独で行っても自民党は60議席前後を確保し、公明党を含めると参院での過半数割れを回復する64議席を獲得することが十分に可能だ。
無理をして解散を断行すれば「おごり、強引」と受けとめられ、自民党の衆院議席294が減ることもあり得る。

同日選の可能性は極めて低い。
それでも、民主党内でその観測が広がるのは「今、総選挙となったら、もっと議席が減り壊滅する」という、民主党のおびえが遠因となっているのではないか。

【田崎史郎・ニュースの深層】



法案成立しても周知期間が必要なのでW選挙は不可能のようです。
いずれにせよ定数是正を先行して定数削減はどうなるのでしょうか。自民党が先延ばしするようだと参議院選挙に影響必至ですが、逆に実施となれば不十分だとしても自民党の評価は下がりません。ここでも自民党ペースで進んでいます。
by kura0412 | 2013-04-22 18:41 | 政治 | Comments(0)

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