民主党の経済金融政策の考えは

【主張】安倍政権の経済財政・金融政策について
民主党「次の内閣」ネクスト財務・金融大臣 前原 誠司

わが国の経済は東日本大震災で大きく落ち込んだ後、ゆっくりとではありましたが回復軌道に乗っていました。しかし、昨年の春から夏にかけて、EU・中国など海外の景気の減速などを受けて回復のペースが鈍っていました。当時、私は政調会長を務めており、景気の状況に注視をしていました。9月に野田内閣の改造が行われ、私が経済財政担当大臣に就任した前後から、景気の状況を示す指標に低下傾向が見られたことから、私は野田総理と相談をして早期に経済対策に取り組むことにしました。
そして、担当大臣として10月、11月と立て続けに経済対策をとりまとめ、国費で1.3兆円程度(経済対策の事業規模としては5兆円程度)の支出を決定しました。政府の経済運営を担当する大臣としては、経済対策の規模として不十分であり、選挙後に本格的な経済対策を講じるべきと考え、総理の了解も得、選挙期間中も党の政策として訴えて参りました。

選挙によって政権が交代し、昨年末に発足した安倍内閣は1月11日に経済対策を、15日に経済対策を実施するための補正予算を決定しました。経済対策の必要性自体は、民主党も共有しますが、問題はその中身だと考えています。
安倍総理は自らの経済政策を「3本の矢」と称しています。すなわち「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」を同時展開していくと主張をされています。
「大胆な金融政策」については、民主党政権でも積極的に取り組んできました。とりわけ、私が民主党の政調会長の任にあった一昨年の夏から昨年の夏にかけては、党内で積極的な議論を行い、私も様々な形で日銀と意見交換を繰り返していました。その結果、昨年2月に日銀は「物価上昇率1%を目途とする」と実質的に「インフレ・ターゲット」に踏み込みました。また、私が日銀との連携を図る政府側の窓口である経済財政担当大臣であった昨年10月には、歴史上初めて政府と日銀が「共同文書」という形でデフレ脱却の重要性を確認しました。これは政府と日銀の「アコード」に限りなく近いものであったと思います。
安倍総理が現在主張している「大胆な金融政策」は、これまで民主党政権が進めてきた強力な金融緩和、日銀の密接な連携の延長線上にあり、方向性は一致しています。デフレ脱却は日本経済再生に向けた不可避の課題ですので、どの党が政権を担っても真っ先に取り組み、これを実現しなければなりません。ただし、日銀法を改正して政府が日銀総裁を罷免できるようにする、という点は賛成できません。日銀の独立性は歴史の教訓であり、先進国共通の枠組みです。これを維持できなければ、日本の通貨や財政に対する信頼が失墜し、かえって日本経済を混乱させると思います。

安倍政権で大きく変わったのが、公共事業偏重、財政規律軽視の経済対策です。民主党政権では、「コンクリートから人へ」「国債発行44兆円」という基本路線を維持してきましたが、今回の自民党政権の補正10兆円の半分は公共事業に充て、今年度の国債発行額は50兆円程度と様変わりしました。やはり「古い自民党」に戻ったという感は否めません。
中央高速の笹子トンネル事故に見られるように、社会資本の老朽化対策や防災対策の必要性は否定しませんが、バブル以降の公共事業を中心とした経済対策が経済の再生につながらず、天文学的な財政赤字を残したことの教訓は忘れてはなりません。何より懸念しているのは財政規律です。公共事業が経済の再生につながらず、財政赤字だけが膨らめば、格付けの低下などを通じて、国債価格の暴落、金利の急上昇が起こりかねません。わが国の場合、民間銀行が巨額の国債を保有しているため、国債価格の暴落は銀行の貸し渋りや金融システムの不安定化をもたらす恐れがあります。この点については、強い懸念を持っています。

安倍政権の成長戦略は、現時点ではあいまいです。
民主党政権では、「グリーン(環境・エネルギー)」「ライフ(医療・介護)」「農林漁業」を明確に成長分野に位置づけ、これらに予算、税制、規制改革などの政策手段を重点的に投入する方向性を「日本再生戦略」で明確にしていましたが、先に安倍政権がまとめた経済対策は総花的であり、具体的な成長分野、手段が不明確です。また、海外の需要を取り込む経済連携や、経済成長を促す規制改革の方向性も明らかではありません。

わが国の経済は「人口減少」「一本足打法と呼ばれる、過度に自動車に依存した経済構造」「先進国最悪の財政」という構造問題を抱えています。これらの課題を乗り越えなければ、安定した経済成長を実現し、国民が安心して生活できる環境をつくることは困難です。今回の安倍政権の経済政策、補正予算が真にこれらの課題に応える内容となっているのかどうか、国会審議などを通じて、確認していきたいと考えています。

【民主党HP】



基本的な考えに安倍政権とそう大きな相違を感じないのですが、もし、これに異論があるとするならば、また党内不一致となります。
by kura0412 | 2013-02-19 18:01 | 政治 | Comments(0)