日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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維新の会支持率急落はニッチ戦略の誤り

維新の会支持率急落は、タメをつくらず、焦って広げようとしたツケだと思う

維新の会の人気が急落していると報道されています。そうだろうなと感じます。国政への進出を急ぎすぎた結果ではないでしょうか。
マーケティングには、ニッチ戦略という言葉があります。
ニッチとは外敵の攻撃を受けにくい棲(すみか)のことで、外敵との接触を避けて小さく生きたり、また安全な場所で実力を蓄え、いわゆるタメをつくっておいて、十分に実力がついたタイミングで、市場、つまり環境まで塗り替えてしまうといった戦略です。どうも維新の会はその戦略のシフトのタイミングを見誤ってしまっているのではないかと感じます。

維新の会が大きく人気を得たのは、主張を大阪都構想の実現においたことで、民主党からも、自民党からも批判のしようがなく、独自のポジションをつくったからです。ニッチ戦略として大成功でした。
国の役割、地方の役割を仕分け直さなければならない、国も統治のカタチを変えないといけないという切り口は、今の官僚制度に乗った政治でしかない民主党や自民党との違いを際立たせ、第三極だという評価を得たのです。
しかも大阪府や大阪市という地方自治の範囲では思い切った改革も行え、その実行力が府民や市民の高い評価につながってきていました。民主党と自民党の対立の間をうまくくぐり抜け、大阪都構想の実現に向けた環境が整いました。さあ、どう変わっていくことができるのかの実績を見せようという段階で、国政進出を急ごうとする誘惑があったのでしょうか。

国政にでよう、そのために人材を集めようとする行動にでたことから、維新の会の迷走が始まったように感じます。
よほど人材集めを焦ったのか、かつて衆院選で空気を読めない発言や態度で人気を失い、都知事選で落選した東国原さんを参加させてしまったり、公開討論会と言って、なにも発言しない国会議員では、日本を変えようという熱い維新の思いももたない国会議員で人数集めをしようとしていると感じさせ、大きくイメージを損なう結果となってしまったように感じます。
また、大阪府市統合本部の下に置かれたエネルギー戦略会議が休止に追い込まれたことで、古賀さんをはじめ、ブレーンの反発が大きく、あきらかに維新の会と距離をおく発言が目立つようになってきています。組織を拡大させようとして、内部が崩れるというのは好ましいことではありません。
そういったなかで、竹島問題で橋下市長が今発言してもなんら影響もない、むしろ批判に晒されるだけの無駄な発言をしてしまったことも災いしたのでしょう。しかしそれは支持率が落ちた一因でしかないと思います。

国民からの第三極としての期待や支持を票にしよう、また議席にしようと焦るのではなく、最初に行なうべきは、あるいは今でも、行なうべきは、ほんとうに必要な人材が集まってくる求心力を高めることではないかと感じます。
それには、期待や支持を維持すること、またさらに上げていくこと、つまり維新の会のブランドを確立していくことがもっとも大切で、あれこれと焦点を分散させることはマイナスでしかありません。
むしろ出し惜しみするぐらいのほうが得策だと感じます。商品で言えば、生産が需要に追いつかない状態にしておくほうがブランドの神話はさらに高まるのです。
だから国政にでるとしても、次回の衆院選では、たとえば20名しか公認しない、なぜならまずは大阪都構想を実現する点に重点をおいている、その援護射撃部隊として国会議員を送り込むから人数は絞るという感じでもよかったはずです。
それで全員当選すれば、次の政権党に対しても実質的な影響力をつくれます。キャスティングボードを握る可能性がでてきます。しかし水ぶくれの人集めで、選挙でそこそこの議席しか取れなければ、神話のベールは剥げ落ち、自動的に影響力はその議席数だけに終わります。
人材が不足しており、橋下商店でしかない、しかも橋下商店だから人気があるにもかかわらず、いきなり株式会社にしようとしても無理があるのではないでしょうか。しかも本気で国政進出となれば敵もできてしまいます。
カンのいい橋下市長ですから、うまく舵を切り直していただければと願うばかりです。日本を変えていく流れが芽生えてきたにもかかわらず、もしここで失敗すれば、その罪は大きく、泡沫政党への道をまっしぐらということだけは避けていただきたいものです。

【大西 宏のマーケティング・エッセンス】



検索してみると「ニッチ」の意味はここに書かれている以外にいろいろな意味があるようですが、この論評には納得するものがあります。
また、歯科界もここにあるニッチ戦略を挑むのも一考かもしれません。
by kura0412 | 2012-09-29 16:22 | 政治 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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