維新の会支持率急落はニッチ戦略の誤り

維新の会支持率急落は、タメをつくらず、焦って広げようとしたツケだと思う

維新の会の人気が急落していると報道されています。そうだろうなと感じます。国政への進出を急ぎすぎた結果ではないでしょうか。
マーケティングには、ニッチ戦略という言葉があります。
ニッチとは外敵の攻撃を受けにくい棲(すみか)のことで、外敵との接触を避けて小さく生きたり、また安全な場所で実力を蓄え、いわゆるタメをつくっておいて、十分に実力がついたタイミングで、市場、つまり環境まで塗り替えてしまうといった戦略です。どうも維新の会はその戦略のシフトのタイミングを見誤ってしまっているのではないかと感じます。

維新の会が大きく人気を得たのは、主張を大阪都構想の実現においたことで、民主党からも、自民党からも批判のしようがなく、独自のポジションをつくったからです。ニッチ戦略として大成功でした。
国の役割、地方の役割を仕分け直さなければならない、国も統治のカタチを変えないといけないという切り口は、今の官僚制度に乗った政治でしかない民主党や自民党との違いを際立たせ、第三極だという評価を得たのです。
しかも大阪府や大阪市という地方自治の範囲では思い切った改革も行え、その実行力が府民や市民の高い評価につながってきていました。民主党と自民党の対立の間をうまくくぐり抜け、大阪都構想の実現に向けた環境が整いました。さあ、どう変わっていくことができるのかの実績を見せようという段階で、国政進出を急ごうとする誘惑があったのでしょうか。

国政にでよう、そのために人材を集めようとする行動にでたことから、維新の会の迷走が始まったように感じます。
よほど人材集めを焦ったのか、かつて衆院選で空気を読めない発言や態度で人気を失い、都知事選で落選した東国原さんを参加させてしまったり、公開討論会と言って、なにも発言しない国会議員では、日本を変えようという熱い維新の思いももたない国会議員で人数集めをしようとしていると感じさせ、大きくイメージを損なう結果となってしまったように感じます。
また、大阪府市統合本部の下に置かれたエネルギー戦略会議が休止に追い込まれたことで、古賀さんをはじめ、ブレーンの反発が大きく、あきらかに維新の会と距離をおく発言が目立つようになってきています。組織を拡大させようとして、内部が崩れるというのは好ましいことではありません。
そういったなかで、竹島問題で橋下市長が今発言してもなんら影響もない、むしろ批判に晒されるだけの無駄な発言をしてしまったことも災いしたのでしょう。しかしそれは支持率が落ちた一因でしかないと思います。

国民からの第三極としての期待や支持を票にしよう、また議席にしようと焦るのではなく、最初に行なうべきは、あるいは今でも、行なうべきは、ほんとうに必要な人材が集まってくる求心力を高めることではないかと感じます。
それには、期待や支持を維持すること、またさらに上げていくこと、つまり維新の会のブランドを確立していくことがもっとも大切で、あれこれと焦点を分散させることはマイナスでしかありません。
むしろ出し惜しみするぐらいのほうが得策だと感じます。商品で言えば、生産が需要に追いつかない状態にしておくほうがブランドの神話はさらに高まるのです。
だから国政にでるとしても、次回の衆院選では、たとえば20名しか公認しない、なぜならまずは大阪都構想を実現する点に重点をおいている、その援護射撃部隊として国会議員を送り込むから人数は絞るという感じでもよかったはずです。
それで全員当選すれば、次の政権党に対しても実質的な影響力をつくれます。キャスティングボードを握る可能性がでてきます。しかし水ぶくれの人集めで、選挙でそこそこの議席しか取れなければ、神話のベールは剥げ落ち、自動的に影響力はその議席数だけに終わります。
人材が不足しており、橋下商店でしかない、しかも橋下商店だから人気があるにもかかわらず、いきなり株式会社にしようとしても無理があるのではないでしょうか。しかも本気で国政進出となれば敵もできてしまいます。
カンのいい橋下市長ですから、うまく舵を切り直していただければと願うばかりです。日本を変えていく流れが芽生えてきたにもかかわらず、もしここで失敗すれば、その罪は大きく、泡沫政党への道をまっしぐらということだけは避けていただきたいものです。

【大西 宏のマーケティング・エッセンス】



検索してみると「ニッチ」の意味はここに書かれている以外にいろいろな意味があるようですが、この論評には納得するものがあります。
また、歯科界もここにあるニッチ戦略を挑むのも一考かもしれません。
by kura0412 | 2012-09-29 16:22 | 政治 | Comments(0)

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