「行政処分の適正化求める研究会が初シンポ- 根拠法改正する方向性確認 」

医師や弁護士などで構成する「指導・監査・処分改善のための健康保険法改正研究会」は2日、初のシンポジウムを東京都内で開き、保険医などの指導・監査や資格取り消しなどの行政処分の根拠法となる健康保険法の抜本的改正を目指す方向性を、参加した60人近くの医師や歯科医師、弁護士らと確認した。

健康保険法では、医師や歯科医師の保険医資格を取り消す基準について、厚生労働省令の定める保険診療のルールに違反した場合だと規定している。ただ実際には、厚労省の省令や通達によって、故意に不正な診療や診療報酬請求を行ったり、故意でなくても不正な診療・診療報酬請求を「しばしば」行ったりしたことを理由に、資格が取り消されている。

シンポジウムで講演した同会の石川善一代表弁護士は、現行の取り消し基準が、違反と罰の重さを比例させる「比例原則」に反していると厳しく批判。
「国民皆保険で、保険医療が医療の大部分を占める中、保険医資格の取り消しは死刑と同じ。(現行の取り消し基準は)『悪いことしたものは死刑だ』というのと同類だと思う」との認識を示した。さらに、現行基準では、「しばしば」不正な診療や報酬請求を行った場合、故意でなくても取り消しに相当することから、「ほとんどの場合、細かいことを言えば不当請求していると解釈できる。その中から誰を選ぶかという権限が(行政に)与えられている」と述べ、基準を改めるべきだと強調した。

シンポジウムに来賓として出席した歯科医師の石井みどり参院議員(自民)は、患者のためになる治療が他にあると思っても、保険医資格の取り消しを恐れて標準的な治療にとどめる「萎縮診療」が、医師や歯科医師の間でまん延していると指摘。
「(法改正は)たいへん難しいが、国民が健康保険で必要な医療・歯科医療を受ける権利を主張していかないといけない」「健康保険法を抜本的に改正しない限り、保険医の恐怖は解消されない」などと述べ、日本医師会・日本歯科医師会などの職能団体や超党派の議員で団結して、法改正を目指す考えを明らかにした。

【キャリアブレイン】
by kura0412 | 2012-09-04 17:46 | 医療政策全般 | Comments(0)