日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

私立歯科大納付金値下げが一般紙までに

私立歯科大、納付金値下げ合戦 学生確保へ半値も

「高額」のイメージが強い私立の歯科系大学で、授業料など納付金の大幅な引き下げが相次いでいる。ここ数年、入学者数の低迷が続き、各大学は「値下げ合戦」に勝ち抜いて優秀な学生を確保しようと懸命だ。
私立の歯科系大学は全国に17校ある。日本私立歯科大学協会によると、在学する6年間に学生が納める平均額は、2011年度で約2900万円。07、08年度の約3300万円から1割以上減った。値下げが本格化したのは、3校が引き下げた10年度の入試から。11年度は8校が引き下げ、2千万円を切る大学も出てきた。12年度も3校が引き下げたという。

松本歯科大(長野県塩尻市)は、値下げ幅が際立つ。08年度まで最も高い約5700万円を集めていたが、09年度に約5200万円、10年度に3200万円、12年度は一気に08年度の3分の1近い2048万円まで下げる。他校が納付金を下げて志願者数を増やしたのに倣ったという。値下げは、在校生には適用されない。
同校では08年度、113人の募集人員に対し、入学者が前年度の半分以下の40人に落ち込んだ。その後も40人前後が続く。同校の幹部は「このままでは2~3年で学生が来なくなるという危機感があった。これ以上下げる大学が出たら、もうついていけない」。
入学者が募集人員の4分の1にあたる24人にまで減った奥羽大(福島県郡山市)は、11年度に納付金を550万円下げて2175万円にした。教育設備の整備が終わったためというが、担当者は「学生確保という側面もある」と話す。
東京電力福島第一原発事故が、来年度の入学者数に影響する可能性もある。ただ、担当者は「教育の質を落とすわけにはいかない」と、これ以上の値下げには否定的だ。

値下げの引き金は、学生数の深刻な落ち込みだ。
08年度に志願者数が計1万人を割ると、09年度からは4千~5千人台で推移。入学者も、11年度は17校中10校で募集人員を下回った。
背景には、歯科医師の増加がある。
98年には人口10万人あたり69.6人だったのが、08年は77.9人。「過剰論」も取りざたされ、国も各大学に定員見直しを求めている。一方で医学部の定員は、過去最多だった11年度の8923人からさらに増えるため、学生が流れたとみられている。
日本私立歯科大学協会によると、授業で高額な医療機器や3千点にも及ぶ実習資材を使うこと、教員や職員の人件費の負担などから、納付金が高額になるという。同協会の安井利一副会長は「良い学生に入ってもらうためには、学校側の持ち出しもやむを得ない。教育の質は維持できる」と話す。
教育情報会社「大学通信」(東京都)の安田賢治ゼネラルマネジャーは「国公立に比べ、私立の学費は高い印象だった。学生にとっては歓迎できる話だが、値下げして今まで通りの環境が保てるかどうか。そこがきちんと示されないと、学生側は不安では」と話している。

【朝日新聞】



学費の値下げは一種の鎮痛療法でしかありません。そしてその責任は、学校関係者、歯科界だけに押し付ける問題でしょうか。
by kura0412 | 2012-08-27 13:17 | 歯科医療政策 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
以前の記事
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2004年 08月
2004年 07月
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧