日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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この自民党案を軸に最終の詰めの段階です

自民党・社会保障制度改革基本法案(仮称)骨子(案)

一 目的
近年の急速な少子高齢化の進展等による社会保障給付に要する費用の増大及び生産年齢人口の減少に伴い、社会保険料に係る国民の負担が増大するとともに、国及び地方公共団体の財政状況が社会保障制度に係る負担の増大により悪化していること等に鑑み、所得税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第13号)附則第104条の規定の趣旨を踏まえて安定した財源を確保しつつ受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度の確立を図るため、社会保障制度改革について、その基本的な理念及び方針、国の責務その他の基本となる事項を定めるとともに、社会保障制度改革国民会議を設置すること等により、これを総合的かつ集中的に推進。

二 基本理念
社会保障制度改革は、次に掲げる事項を基本として実施。
1 社会保障の目的である国民の生活の安定等は、自らの生活を自ら又は家族相互の助け合いによって支える自助を基本とし、これを相互扶助と連帯の精神に基づき助け合う共助によって補完し、その上で自助や共助では対応できない困窮等の状況にある者に対しては公助によって生活を保障するという順序により図られるべきであり、社会保障制度改革に当たっては、税金や社会保険料を納付する者の立場に立って、負担を抑制しつつ必要な社会保障が行われる制度を構築。
2 家族相互の助け合いを通じた自助、自発的な意思に基づく共助等を支援するための措置を講ずることにより、自助及び共助のための環境を整備。
3 社会保障は、社会保険制度を基本とし、社会保障制度に係る国及び地方公共団体の負担は、社会保険料に係る国民の負担の適正化等のためのものに限定。
4 社会保障制度に係る国及び地方公共団体の負担を支える財源は、社会保障は広く国民全体が恩恵を受けるものであること、社会保険料は収入の額に比例して徴収されるものが多いこと等に鑑み、消費に広く薄く負担を求める消費税が中心。
5 社会保障における受益と負担の在り方について、両者の関係を明確化して国民の理解を得る中で、必要な見直しを実施。

三 改革の実施及び目標時期
政府は、二の基本理念にのっとり、かつ、四から七までに定める基本方針に基づき、社会保障制度改革を行うものとし、このために必要な法制上の措置については、この法律の施行後1年以内に、八の社会保障制度改革国民会議における審議の結果等を踏まえて実施。

四 公的年金制度の見直し等
政府は、保険料を納付した者に保険料の納付に応じて年金が支給され、かつ、国民年金と被用者年金が分立する現行の公的年金制度を基本に、次に掲げる措置その他必要な見直しを実施。1 被用者年金制度の一元化等の措置を講じ、併せて年金記録の管理の不備に起因した様々な問題への対処及び社会保障番号制度の早期導入を実施。
2 生活に困窮している高齢者であって公的年金の受給資格を有しないもの等については、公的年金制度ではなく、生活保護制度の見直しを踏まえて実施する低所得者対策により対応。

五 医療保険制度の見直し等
政府は、高齢化の進展、高度な医療の普及等による医療費の増大が見込まれる中で、健康保険法、国民健康保険法その他の法律に基づく医療保険制度(以下単に「医療保険制度」という。)に原則として全ての国民が加入する仕組みを維持するとともに、次に掲げる措置その他必要な見直しを実施。
1 健康の維持増進、疾病の予防及び早期発見等を積極的に促進するとともに、医療従事者、医療施設等の確保及び有効活用等を図ることにより、国民負担の増大を抑制しつつ必要な医療を確保。
2 医療保険制度については、財政基盤の安定化、保険料に係る国民の負担に関する公平の確保、保険給付の対象となる療養の範囲の適正化等を図るとともに、高齢者医療制度に関し、現行の制度を基本としつつ必要な見直しを実施。3 医療の在り方については、個人の尊厳が重んぜられ、患者の意思がより尊重されるよう必要な見直しを行い、特に人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境を整備。

六 介護保険制度の見直し
政府は、介護保険の保険給付の対象となる保健医療サービス及び福祉サービス(以下「介護サービス」という。)の範囲の適正化等による介護サービスの効率化及び重点化を図るとともに、介護保険の保険給付に要する費用に係る国及び地方公共団体の負担割合の引上げ等の必要な措置を講ずることにより、保険料に係る国民の負担の増大を抑制しつつ必要な介護サービスを確保。

七 少子化対策
政府は、急速な少子高齢化の進展の下で、社会保障制度を持続させていくためには、社会保障制度の基盤を維持するための少子化対策を総合的かつ着実に実施していく必要があることに鑑み、単に子ども及び子どもの保護者に対する支援にとどまらず、就労、結婚、出産、育児等の各段階に応じた支援を幅広く行い、子育てに伴う喜びを実感できる社会を実現するため、次に掲げる措置その他の必要な措置を実施。
1 現行の幼稚園、保育所等の制度を基本としつつ、その区域内に待機児童(保育所における保育を行うことの申込みを行った保護者の当該申込みに係る児童であって保育所における保育が行われていないものをいう。以下同じ。)が多数存在する地方公共団体の長の裁量権を臨時的かつ特例的に拡大するとともに、認定こども園(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第7条第1項に規定する認定こども園をいう。)の設置の促進、処遇の改善等による保育士の確保、必要な財政上の支援等の措置を講ずることにより、待機児童に関する問題を解消するための即効性のある施策を推進。
2 1歳未満の子どもに保護者が寄り添う育児を促進するため、育児休業等の取得の促進、1歳以上の子どもの保育所への円滑な入所等を確保。

八 社会保障制度改革国民会議
1 二の基本理念にのっとり、かつ、四から七までに定める基本方針に基づき社会保障制度改革を行うために必要な事項を審議するため、内閣に、社会保障制度改革国民会議(以下「国民会議」という。)を設置。
2 国民会議は、委員20人以内で組織し、委員は、優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命。

九 その他
1 施行期日
この法律は、公布の日から施行。
2 生活保護制度の見直し
政府は、生活保護制度に関し、次に掲げる措置その他必要な見直しを実施。
① 不正な手段により保護を受けた者等への厳格な対処、生活扶助、医療扶助等の給付水準の適正化、保護を受けている世帯に属する者の就労の促進その他の必要な見直しを早急に実施。
② 保護を受けている世帯に属する子どもが成人になった後に再び保護を受けることを余儀なくされることを防止するための支援の拡充を図るとともに、生活保護制度を就労が困難な者に関する制度と就労が困難でない者に関する制度に区分し、就労が困難でない者に関する制度においては、正当な理由なく就労しない場合に給付を減額し又は停止する仕組みの導入等を検討。




赤字の部分は自民党が譲歩して別な語句に修正さてたようです。
by kura0412 | 2012-06-15 15:48 | 政治 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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