『高齢社会に関する「三つの勘違い」』

高齢社会に関する「三つの勘違い」

「今後数十年に、日本中で高齢者が増え続け、特に高齢化が進んでいる過疎地を中心に、全国共通の問題として対策を急速に進める必要がある」
この文章に「三つの勘違い」があると問題提起する、国際医療福祉大学大学院教授の高橋泰氏。

「三つの勘違い」とは、以下の通り。
1.今後数十年に、日本中で高齢者が増え続ける
⇒ 「高齢化率の上昇=高齢者数の増加」と思い込んでいると、勘違いが生じる。65歳以上の高齢者数は、2015年を過ぎるとほとんど増えなくなり、2030年過ぎには75歳以上の後期高齢者が減り始める。一方、「0歳から64歳」は2005年頃から急速に減少し始め、その傾向は今後数十年続く。つまり、「高齢化率」の分母が減少するため、分子は大きくならなくても、高齢化率は上昇する。「支える世代はずっと減少していく。支える人にいかに負担をかけない老い方・死に方をするかが、重要になってくる。その意識転換をしないと社会がもたない」(高橋氏)。

2.高齢化が過疎地を中心に進展
⇒ 2005年頃から都市部の高齢化のスピードが加速。2010年から2025年までの15年間で、全国で700万人の後期高齢者が増加するが、その増加分の約55%が、日本の国土面積のわずか2%にすぎない首都圏、大阪圏、名古屋圏に集中。

3.高齢化は全国共通の問題
⇒ 全国共通ではなく、地域別に考える必要がある。2010年から2030年までの間に、75歳以上の後期高齢者は、埼玉:2.15倍、千葉:2.03倍、神奈川:1.93倍などに倍増するのに対し、島根:1.18倍、山形:1.2倍、秋田:1.22倍などは1倍強にとどまる。

大都市部(人口100万人以上または人口密度1000人/km2以上)、地方都市部(人口30万人以上または人口密度200-1000人/km2以上)、過疎地域(人口30万人未満または人口密度200人/km2未満)に分けて、2010年から2035年までの人口の推移をみると、大都市部での75歳人口の増加が著しいことが分かります。

【m3 com】



要約すると、
①75歳以上は2015年をピークに微増に留まり2030年から減少始める。但し、65歳以下も急激に減少している為に、高齢化率は上昇する。
②都市部の高齢化は著しく上昇する。
③後期高齢者は全国一律ではなく大都市部で著明となり、特に埼玉、千葉、神奈川などの首都圏では倍増する。

今後の社会保障政策全般の議論にも影響を及ぼしそうな考え方です。
by kura0412 | 2012-06-11 16:12 | 医療政策全般 | Comments(0)