被災地の医療・介護現場は

「このままならパンク」人材流出で医師不足に拍車 「再建への課題 被災地の医療・介護」

東京電力の原発が林立する福島県「浜通り」地方の最南端にあるいわき市。人口約33万人の町は福島第1原発の事故後、各地から集まる原発作業員の宿泊拠点となったが、「放射能汚染が不安」として出て行く人々も多い。

▽離職、資金難
原発作業員の健診を行う市内の病院では震災後、外来患者が急増した。この病院の事務局長は「新患だけで毎週100~120人来ている。医師不足で診療を縮小したり、やめたりしたほかの医療機関の患者が集まっているようだ」と話す。
もともと医師不足は問題だったが、福島県病院協会の調査では、いわき市では震災前に178人いた病院の常勤医師のうち31人が震災後に辞めるなど、事務職も含めた医療従事者200人強が離職。小児科や内科など、震災で閉鎖する診療所も相次いでいるという。
「子どものいる家庭は原発事故への危機感が強い。そうした理由で引っ越した医師もいる」(病院関係者)。
原発の北側に位置する南相馬市立総合病院も医師不足が頭痛の種だ。
震災前の医師数は常勤14人、非常勤9・5人(常勤換算)だったが、現在は常勤7人、非常勤3人で24時間態勢を維持。非常勤が担っていた産婦人科や眼科は休診で、金沢幸夫(かなざわ・ゆきお)院長(58)も月4回の当直をこなしている。
市域の大半が原発事故による避難対象となったため人口が急減。1日当たり350人いた外来患者が、震災後は約140人に。230床の入院機能も100床までしか再開できず、休診と合わせて病院の収支を大きく圧迫しているという。
「毎月5千万~1億円の赤字があり、7億円あった資金も11月には底をついてしまう。公立病院でもパンクしかねない」(金沢さん)
今のところ、国の補助金も東電の賠償金も被災地の医療機関に行き渡ってはいない。別の関係者は「休業したまま再開のめどが立たなければ、医師や看護師はよそに行ってしまう。手元にまとまった資金がなければ、もうどうしようもない」と、打ち明ける。

▽さらに悪化
「(検査の)数値が良くなっています。よく頑張りましたね」。岩手県宮古市の熊坂内科医院。経営法人理事長の熊坂義裕(くまさか・よしひろ)医師(59)が患者に話し掛けた。午前の受付時間は過ぎたが、待合室では患者があふれている。
「東日本大震災後、明らかに患者が増えている」。熊坂さんは2009年まで12年間、宮古市長を務めた。10万人当たりの医師数が全国平均の約半数という深刻な医師不足の解消に向け試行錯誤したが、完全解決には遠かったという。
震災で近隣町村の医療機関が壊滅したため被害が比較的軽かった宮古市に患者が流入したことで、医師の数がさらに足らなくなった。同医院の熊谷利信(くまがい・としのぶ)院長(52)は「受診間隔を長くするため、薬は3~4週間分を処方するが、追いつかない」とため息をつく。
医師が30人あまりの県立宮古病院を支援するため、会員約40人の宮古医師会が休日の当直医を出している。市長在任時代に始めた制度で、熊坂さん自身も2カ月に1回、当直をする。
熊坂さんは「今はぎりぎりの状態。国には、被災した医療機関の再建支援や、被災地向け診療報酬の加算など何らかのプラスアルファをしてほしい」と訴える。

【共同通信】



この記事にある宮古市の現在の山本市長は歯科医師です。また、色々な問題、課題が被災地の医療の現場には山積していると思います。
by kura0412 | 2011-10-21 18:40 | 医療政策全般 | Comments(0)

コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
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