こうゆう時こそ医療の本当の姿が

被災地の医療再生「新たな連携創出を」- 【震災1か月】

東日本大震災の発生から4月11日で1か月が経過した。被害の全貌すら把握し切れない中、被災地では、全国各地からの支援を受け、医療・介護の提供体制を復興するための動きが本格化している。一方、もともと課題だった医師不足が震災でさらに深刻化し、医療崩壊が一気に進行する可能性を懸念する声もある。そんな中、被災地の関係者からは、従来の枠組みにとらわれない、新たな医療連携の創出を求める声が上がっている。

慢性期医療への需要、比較的早くからひっ迫
今回の震災で最も大きな被害を被った県の一つである宮城県では、4月10日現在、7721人の死者と6460人の行方不明者を出す一方、重傷は48人、軽傷は820人にとどまっている。仙台市内で訪問看護ステーションなどの運営を手がける「爽秋会」の岡部健理事長は、「津波にさらわれた人は、多くの場合、死ぬか行方不明になる。一方、津波から逃れた人は、ほとんど怪我もしていない。生か死か、それが残酷なくらいに明確なのが、今回の震災の特徴」と言う。
それだけに、被災者に対する医療でも、阪神大震災とは違う状況とニーズが生じている。比較的早い段階から慢性期医療の需要がひっ迫しはじめたのだ。「震災発生から1週間が過ぎた辺りから、急性期医療より、慢性期医療や介護が求められるようになったと感じる」(岡部氏)。
実際、脳外科や内科、泌尿器科などの診察・治療を手掛ける東松島市の仙石病院では、1日の外来患者数が震災前は約300人だったが、震災後には600人を超えた。特に多いのは、津波で流されてしまった慢性疾患の薬の処方を求める患者だという。

芽生え始めた地域医療の復興の動き
慢性期医療への需要がひっ迫し始めたことを受け、各地でも地域の拠点病院や診療所が再び動き始めた。4月7日には、石巻市立病院が同市内に仮診療所を開設し、慢性期患者を中心に外来診療を再開。石巻港湾病院も休止していた外来診療を11日に一部再開する方針だ。また、宮城県医師会では、大きな被害を被った施設に対して、同医師会が受け取った義援金の一部を配布するなどして、診療所再開を支援している。
 ただ、津波によって働くべき医療機関を失った宮城県内の医師は、「東北大と医師会の調査で明らかになっただけでも、60人余りに達する」(東北大医学部付属病院の里見進病院長)。特に同県北部の石巻市や気仙沼市などには、ライフライン復旧はおろか、がれき撤去のめどすら、立たない地域が多い。

疲れる医療者、「大型連休明けが怖い」
こうした状況の中で、現在の宮城県内の医療を支えているのは、全国各地から派遣された支援チームだ。4月10日現在、47都道府県から医療関係者のチームが派遣され、支援活動に従事している。宮城県では「支援チームの派遣要請は4月末が期限だったが、5月以降も長期的に支援してくれるチームを探す」(保健福祉部医療整備課の山崎賢治主幹)方針だ。
それでも、宮城県医師会の佐藤和宏常任理事は、「5月の大型連休後が怖い」と言う。
「震災から1か月を経て、地元の医療関係者は疲れ始めている。今ならまだ頑張れているが、2か月が過ぎる連休明けのころには、バーンアウトする人が出るかもしれない。そんなとき、県外からの支援が途絶え始めたら、深刻な事態に陥りかねない」
一方、東北大病院の里見院長は、深刻な医師不足や看護師不足に震災が拍車を掛ける可能性があると指摘。それを防ぐためには、県単位など既存の枠組みを超え、東北全体で、どこにどのような病院を設置したら、合理的な医療提供体制を創出できるかを検討しなければならないと訴える。
 「それぞれの地域で小さな病院を設置する従来のやり方は改めなければならない。そして、医療関係者が東北にとどまり、東北に来たくなるような魅力的な復興プランを考えなければならない。それができなければ、東北の医療は、もっと大きな意味で壊れてしまう」

【キャリアブレイン】



こうゆう緊急的な状況の時は、患者さんを救うことだけの一念での対応で、本当の姿が見えてくるのかもしれません。
by kura0412 | 2011-04-11 17:29 | 医療政策全般 | Comments(0)