日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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継続的な支援が

「口の中きれいに」とPR

陸前高田市の避難所で県歯科医師会の歯科医師らに口の中を診察してもらう被災者ら(1日午後) 県歯科医師会所属の歯科医師らが、被災者が身を寄せる避難所を回り、高齢者らを対象とした「口内衛生運動」に取り組んでいる。
阪神・淡路大震災では、口内に増殖した細菌が肺に入って引き起こす誤嚥性(ごえんせい)肺炎で多くの高齢者が死亡。今回も、3月17日に山田町の避難所で発症者が確認されるなど流行が懸念されており、広く予防意識を呼びかける考えだ。

1日には、歯科医、歯科衛生士、技工士計5人が、陸前高田市の避難所、下矢作コミュニティセンターを訪問した。歯科医師らは、「歯が痛くて食事ができない」と訴える熊谷富男さん(76)の入れ歯を診て、かみ合わせがずれていることを指摘。「このままだと、細菌が繁殖して病気になることもあるから気をつけて」と助言した。
避難生活を送る被災者の多くは水不足などで歯磨きやうがいができず、のみ込む力が弱くなっている高齢者らは、誤嚥性肺炎発症の可能性が高くなる。神戸市などによると、阪神・淡路大震災では圧死などを除く「震災関連死」が922人。うち肺炎で死亡したのは223人で、誤嚥性肺炎がかなりの割合を占めたと見られている。これを機に、誤嚥性肺炎への認識が高まり、2004年の新潟県中越地震では、初めて予防活動が組織的に行われた結果、肺炎死は1人にとどまった。

東日本大震災では、阪神・淡路大震災時を上回る約25万人が避難所生活を送っており、県歯科医師会は「ケアが遅れれば、岩手、宮城、福島の3県で誤嚥性肺炎の発症者は阪神を超える」と警戒。4月末まで、陸前高田市や大船渡市などの避難所を回り、歯ブラシやうがい薬を配布しながら「歯磨きや入れ歯のケアを怠らないで」と呼びかける。
巡回予定の問い合わせは県歯科医師会(019・621・8020)。

【読売新聞・岩手】



未だ身元確認も終わってない状況ですが、中期的対応も進める時期となっています。特に今回被災された地域での高齢化は著しく、この報道にあるような継続的な支援は、7年前の経験からも非常に有用と感じています。
ただ。被災地の先生方の過度なる負担は絶対に避けなければなりません。果たしてどんな手法を計画的に進められるか。歯科界も早急な検討と結論が必要です。
by kura0412 | 2011-04-04 10:55 | 歯科 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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