日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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与謝野大臣に続いて、柳沢氏起用も

急接近:柳沢伯夫さん 「税と社会保障」、政治はどうすべきですか?<KEY PERSON INTERVIEW>

菅直人首相は「税と社会保障の一体改革」で与野党協議を探るが、野党は冷ややかだ。政治はこの問題にどう取り組むべきか。永田町で「税財政のプロ」と言われた柳沢伯夫・城西国際大学長に聞いた。

◇超党派で知恵を絞れ--城西国際大学長・柳沢伯夫さん(75)
--社会保障制度立て直しに向けた消費税増税を含む税制抜本改革の議論が一向に進みません。
◆長年、課題とされながら、改革ができなかった結果、日本は経済的にも財政的にもかつてない危機的状況に追い込まれている。菅政権が唱える「社会保障と税制の一体改革」が今回も先送りされれば、国民の政治不信が一層高まり、日本の財政への市場の疑念も深まるだろう。税制改革の柱の消費税増税は「手をつければ、必ず内閣が潰れる」と言われるほどの難しいテーマになってしまったが、与野党は今こそ小異を捨て、財政や社会保障の危機脱出に向けて知恵を絞るべきだ。日本の政治の統治能力が問われている。

--菅政権や民主党が改革案を提示できない一方、自民党など野党は協議にも応じない姿勢です。
◆国民に痛みを強いる改革を断行する以上、政府・与党はまず、画一的な農家の戸別補償制度など、バラマキ一方のマニフェスト(政権公約)を見直す必要がある。身を切る覚悟も示さずに、野党に協力を求めても相手にされない。
一方、自民党も持続的な財政や社会保障制度づくりへの責任を自覚すべきだ。自民党政権時代に作った所得税法の付則には「消費税を含む税制抜本改革を行うため、11年度までに必要な法制上の措置を講じる」と明記されている。この規定を盛り込んだのは、自民党と公明党が支えた麻生政権で、選挙で負けたからといって、責任を免れるわけではない。野党だから何でも反対では、日本の政治は成熟しない。国民全体の利益にかかわるテーマは、超党派で取り組む大人の対応をすべきだ。

--社会保障目的税化を前提にしても消費税増税が困難なのはどうしてですか?
◆97年に消費税率を5%に引き上げて以降、税法の付則に法制化の時期を明記するだけで10年以上かかった。今回これがダメとされれば、再びこのレベルまで国民の議論を盛り上げるには政治的に膨大なエネルギーが必要で、菅政権は自らの命運をかける覚悟で取り組むべきだ。ただ、実際の税率引き上げの時期は慎重に考える必要がある。大前提は、日本経済が安定的な回復軌道に戻ること。08年のリーマン・ショック後の世界経済の低迷もあり、当面、引き上げは難しい。まずは日銀の金融緩和や公共投資などを動員して、景気を巡航速度に戻すことに傾注する。そのうえで景気回復後には迅速に消費税率引き上げができるように、今のうちに法制化を進めるという二段構えが望ましい。

◇消費税率15%近く必要
--柳沢さんは自民党政権で持続的な社会保障制度構築を狙いに消費税率10%を提言しました。
◆自民党の研究会で07年秋、「少なくとも10%への引き上げが必要」との報告書をまとめた。しかし、この試算はリーマン・ショック前の経済状態が前提。今では(税収の見積もりなど)根幹が破綻している。仮に、今の経済状況で試算し直せば、消費税率を15%近くに上げなければ、つじつまが合わないはずだ。なのに自民党はいまだに10%を掲げ、菅首相も目安にすると言うが、「なぜ10%なのか」を説明できないだろう。

--社会保障改革の姿も全く見えません。
◆急速な高齢化で社会保障費は年1兆円超も膨らみ続けている。率直に言って、これを放置していては、税制改革は描けない。長らく「中福祉・中負担」と言われてきたが、現実は「高福祉・低負担」。手厚い介護保険など給付水準と実際の負担のつり合いが取れていない。社会保障を現状維持するのは極めて困難で、日本の(経済力低下を反映した)身の丈レベルに社会保障給付を合わせる手だても必要だ。

--そんな大改革を民主党政権ができますか。
◆大胆な緊縮財政を進める英国キャメロン政権など、欧米では政権交代期に大改革が実現している。政権を長年担った自民党に比べ、しがらみの少ない民主党は抜本改革を進めやすいはずだ。しかし、政権交代以降、民主党は「国民目線」をいたずらに強調するポピュリズム政治を続けている。政治に今求められているのは日本の将来像を明示し、国民をけん引する真の統治者としての行動だ。

=============
■ことば
◇税と社会保障改革
少子高齢化を背景に、年金、医療などの社会保障費が急増する一方、経済の低成長で税収は低迷。団塊の世代が年金受給者になる12年以降、社会保障制度の維持は困難と懸念されている。菅・民主党政権は今年6月までの「税と社会保障の一体改革」案づくりに向け、自民党政権で柳沢氏と共にこの問題に熱心だった与謝野馨元官房長官を内閣に迎え入れた。

【毎日jp】


柳沢氏起用「矛盾ない」 枝野氏、民間有職者と説明

枝野幸男官房長官は一日午前の記者会見で、社会保障・税一体改革を進める「集中検討会議」の民間委員に、民主党が野党時代に不信任決議案を提出した柳沢伯夫元厚生労働相を起用したことについて「(柳沢氏は)政界を引退しており、社会保障の知見を有する有識者という立場で意見を伺うのは、矛盾しない」と説明した。
民主党は二〇〇七年の通常国会で、厚労相だった柳沢氏が「(女性は)産む機械」と発言したことを問題視し、不信任案を衆院に提出した。枝野氏は「別に柳沢さんの人格や能力を否定して不信任案を出したわけではない。その時点における国務大臣としての言動に対し、野党として姿勢を示した」と述べた。

【東京新聞】



社会保障改革を超党派で論議しようという菅首相の気持ちは分かりますが、与謝野大臣起用も今回の柳沢氏の委員任命にしても、その実際は逆に議論の場を広げる妨げになってしまいました。
by kura0412 | 2011-02-01 15:38 | 政治 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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