日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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一つの導火線になってくれれば

がん治療前に口腔ケア提供-がんセンターと日歯が提携

独立行政法人国立がん研究センター(嘉山孝正理事長)と日本歯科医師会(大久保満男会長)は8月31日、がん患者の口腔内の合併症を予防・軽減するため、連携して手術前の患者に口腔ケアを提供することを盛り込んだ合意書を取り交わした。2013年度までに、全国のがん診療連携拠点病院と地域連携歯科医療機関の連携体制の構築を推進していくことを目指す。初年度には、同センターで手術を受ける予定のある関東圏の1都4県(東京、千葉、埼玉、神奈川、山梨)の患者を対象に、各都県の歯科医師会に所属する歯科医らが口腔ケアや歯科治療を提供する。

来年度以降は、化学療法や終末期医療の患者を段階的に対象に加える。また、全国のがん診療連携拠点病院などにも連携体制の構築を呼び掛ける。
がん患者に歯科治療やブラッシング指導を提供することで、口腔合併症の軽減や肺炎の予防などにつなげる。
その結果、がん治療そのものの質の向上が望めるといい、同センターの嘉山理事長は同日の記者会見で、「日本全国に広げていきたい」と強調した。会見には、同センターでがん治療を受けた患者も出席し、「がん患者が安心して歯科治療が受けられるよう、(今回の試みを)広く伝えてほしい」と訴えた。
同センターと日歯が作成した事業計画書によると、同センターで手術を受ける患者はまず、手術日が決定した段階で、連携に参加する歯科医によるブラッシング指導や口腔ケア、歯科治療などを受ける。がん患者はその後、手術に臨み、退院後も必要であれば継続して口腔ケアや歯科治療を受けられるように同センターと連絡を取る。
連携に加わる歯科医は、各地域の歯科医師会が開く連携講習会を受講した会員。講習は、連携システムやがん患者とのコミュニケーションなどに関するもので、年内は9月25日の甲府市を皮切りに、1都4県で順次開催する。

【キャリアブレイン】



これが医科歯科連携、また、国民が口腔に対する関心への高まりのきっかけになってくれれば良いのですが。そして次の課題は、この話題をどう繋げて息の長い運動に転化するかです。
by kura0412 | 2010-09-01 08:51 | 歯科医療政策 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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