日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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医療費の削減分は経済価値?

医療のICT活用で年1.5兆円の消費者便益―10年版通信白書

総務省は7月6日、2010年版情報通信白書を発表した。それによると、国民目線に立った「医療・健康」分野の情報通信技術(ICT)サービスの実現により、年間1兆4902億円の消費者便益が創出され、サービスを提供する行政でも年間1兆8839億円のコスト削減が可能としている。
白書の特集テーマは、「ICTの利活用による持続的な成長の実現―コミュニケーションの権利を保障する『国民本位』のICT利活用社会の構築―」。国民本位のICTの利活用が、地域の活性化や持続的な経済成長などにどれだけ貢献できるかを分析した。

「医療・健康」分野では、▽健康状態に合わせた最適健康管理サービス▽症状に合わせた最適医療サービス▽診察の事前予約サービス―の3つが実現することにより、利用者や提供者にもたらされると考えられる便益(潜在価値)を、経済価値として評価・試算した。
それによると、「健康状態に合わせた最適健康管理サービス」では、生活習慣病患者の減少による医療費の削減分を経済価値と見なし、サービス効果が「中位(効果25%)」の場合は、利用者に5777億円、提供者に1兆3479億円の経済価値が生じる。
「病状に合わせた最適医療サービス」では、重複受診の減少による医療費の削減分を経済価値とし、中位推計でそれぞれ2443億円、5360億円を生み出せる。
「診察の事前予約サービス」は、利用者の待合時間の減少量に対して、平均的な労働生産性(時給換算)を乗じて経済価値を算出。利用者の便益の経済価値は、中位推計で6682億円としている。一方、提供者の経済価値は、「定量的に捉えることが困難」なため算出していない。
インターネット利用者約1000人を対象としたアンケート調査で、各サービスの利用意向を尋ねたところ、「利用したい」か「機会があれば利用したい」割合は、「診察の事前予約サービス」が81.9%で最も多かった。「病状に合わせた最適医療サービス」は75.8%、「健康状態に合わせた最適健康管理サービス」は69.9%だった。

【キャリアブレイン】




医療費の削減分を経済価値と見なして、提供者に1兆3479億円の経済価値が生じるそうです。
あれ~?それはその削減分を医療費に充当してくれればの話です。
by kura0412 | 2010-07-07 16:08 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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