中医協会長の率直な意見

今後の医療費、「国民に信を問うしかない」―中医協・遠藤会長

全国公私病院連盟の定期総会が6月25日に東京都内で開かれ、中央社会保険医療協議会(中医協)の会長を務める学習院大経済学部の遠藤久夫教授が、「日本の医療費水準を考える」と題して記念講演を行った。遠藤教授は、国の債務残高や低所得者層の急増などから、公費、保険料、自己負担額の引き上げで増大する医療費を賄うことはいずれも難しいと説明し、「医療・介護制度とそれに必要な費用との関係を明らかにして、国民に選択してもらうしかない」との考えを示した。

講演で遠藤教授は、日本の医療費の推移と現状を説明。長引く経済の低迷で低医療費政策が続いているとし、2012年度診療報酬改定についても「非常に厳しい状況にあると思っている」と述べた。
その一方で、遠藤教授は公費、保険料、自己負担額の引き上げの可能性をそれぞれ検証。公費に関しては、「最大の課題は債務残高」とし、「増税しても医療費に回るかは分からない」との認識を示した。保険料については、現役世代への影響が大きいと説明。また、自己負担額の引き上げに対しては、低所得者層が急増しているため、「(逆進性で)既に自己負担は増加して低所得者は不利益を受けている」とした。
こうした状況がある一方、高齢化が今後さらに加速し、医療費の増加は避けられないことから、遠藤教授は「いろいろなシミュレーションを考えて、結果的にどれくらい負担するのが国民として納得がいくものなのかということを議論しなければならない」と主張。さらに、「どの方法を採っても、なかなか医療費(に回せる財源)そのものはそう潤沢にあるとは思えない」とし、医療費の抑制傾向は今後も続くとの考えを示した。
■病院や介護関係はけん引産業にはならない

講演後の質疑応答で遠藤教授は、国民の医療に対する理解度を上げるため、「病院団体や医療者の方々が、今起きている課題を素直に国民に明らかにして、問うのが一番アピールになる」と出席者に呼び掛けた。一方、医療・介護分野の産業としての可能性については、「病院や介護関係が、かつての自動車や家電製品に代わるような産業に成り得るかと言えば、成り得ないと思う」と述べ、「あくまで内需の支え」とした。【キャリアブレイン】



遠藤教授は、中医協会長という自身の現在の立場を踏まえて、率直な考え方を披露しているだけに、非常に参考となる意見です。
by kura0412 | 2010-06-26 15:21 | 医療政策全般 | Comments(0)