ねじれの中で

《支持団体のいま》歯科医師会・医師会
■「ねじれ」揺らぐ結束■「政党ありき」に疑問も

道南の住宅街にある歯科医院。診療を終えた患者に先月、60代の院長が声をかけた。
「こういう時期になったので支持をお願いしますよ」
患者が「いいですよ」と答えると、受付の女性がカウンターの下から、参院選比例区に民主党が擁立する歯科医師の推薦名簿を差し出した。
自民党の与党時代が揺るぎなかった約20年前。用紙はカウンターの上に置いていた。黙っていても名前を書き込んでくれる患者がいた。
だが今は「気心が知れた患者にだけ声をかける」と院長。政治的な話を医院に持ち込むことに気が引けると言いつつも、その一方で、「組織が一枚岩になれなければ票が流れてしまう」と、参院選への懸念を抱いている。

北海道歯科医師会の政治団体「北海道歯科医師連盟」(道歯連、会員約2700人)は今回の参院選で、初めて与野党双方を支援する。道選挙区(改選数2)は自民党の長谷川岳氏(39)を推薦し、比例区は歯科医師の民主党候補(46)と決めた。
この「ねじれ現象」は、上部団体の日本歯科医師連盟(日歯連)の決定が影響した。日歯連はこれまでの参院選比例区で、自民党から組織内候補を立ててきた。だが政権交代で、自民党からの擁立をやめ、民主党候補支援に切り替えた。
比例区はかつて、事前の名簿集めが当落を左右した。
道南の院長は日歯連の候補を比例名簿の上位にしようと、「電話帳で適当な名前を見つけ、その名字の印鑑を買って名簿を埋めていた」と打ち明け、今でも数百本の印鑑を持つ。与党から国会議員を生むことが、歯科医師業界にとって有益だと信じていた。
結束が強かったはずの組織。しかし、今はその足並みの乱れが気になる。
一部の会員は、比例区で自民党から組織内候補を立てないことに反発。一方、「自民党べったりで歯科医療は良くなったのか」と、歯科医師会への加入率が下がっている都市部もある。
「特定の政党を推すのではなく、与野党を問わず議員に政策実現を訴えるのがいいのでは」。政治団体としての理想像について、院長は最近こう考え始めている。

長年にわたり自民党と一体化して政治活動してきた医療系団体。政権交代で揺れたのは日本医師会(日医)も同じだ。そして、その会員である医師の心情も揺らいでいる。

「与党だから自民党を支持してきたが、現場の医師の思いをどれだけ政策に反映させられたのか」。札幌近郊の開業医は、医師会の政治活動に疑問を抱き始めている。
参院選比例区について、日医の政治団体「日本医師連盟」は民主党候補(51)を推薦したが、下部組織には「地域対応」を認めたため、道医師連盟(道医連、会員数約5900人)は自民党候補(62)を推し、歯科医師業界と同じように「ねじれ現象」になっている。
道選挙区については19日、自民党の長谷川氏と民主党の徳永エリ氏(48)の推薦を決めた。当初は自民単独の方針が有力視されていたが、首相交代で民主党の支持率がV字回復したことなどから、「民主、自民両党とパイプを持った方がいい」と転換した。
政権交代で揺れ、選挙情勢に左右される組織――。道東の40代のある開業医は、現状を冷ややかにこう話す。
「我々医師は自分で考えて投票する姿勢が強い。組織の指示があっても表面上は『ハイ、ハイ』と答えるが、投票行動は別だ。以前とは違い結束力は低いと思う」

【asahi.com】



選挙戦真っ只中の今は振り返る余裕もありませんが、選挙後に政党支持についての議論を今一度組織内で確認する必要があるようです。
by kura0412 | 2010-06-22 08:53 | 政治 | Comments(0)