民主党内にも『小沢』で対立軸が

近聞遠見:小沢は身を引く時だ=岩見隆夫

長年、民主党の助言者である山口二郎北海道大教授が、民放テレビで、
「小沢権力は幹事長を辞めれば、かき氷みたいに消えていく。お金の力も、(候補者の)公認権もポストについているからだ」
と語るのを聞いて、驚いた。小沢一郎幹事長の引責辞任が明らかになった翌日である。政権交代への期待が強かっただけに、小沢の手法への幻滅が大きく、その衝撃が言わせているのだろう。しかし、小沢はそんなヤワな政治家ではない。

かき氷の例えは面白いが、そう簡単に溶けない。溶けても水になって残っている。21年前、当コラムの第1回は、
<小沢新幹事長が気になる>
というタイトルだ。47歳の若さで自民党幹事長に抜てきされた時だった。

4年後に、小沢は自民党を離党している。以来、新生党代表幹事、新進党幹事長、同党首、自由党党首、民主党代表、同幹事長と、都合7回、五つの政党のナンバーワンとツーを歴任してきた。
同じ回数だけ辞任し、次のステップを踏んでいる。こんな息の長い政治家はほかにいない。特異な生命力、特異な継戦能力だ。
ただ、過去6回は自身の意思による辞任だった。しかし、今回は鳩山由紀夫前首相に引導を渡され、初めての不本意なケースとなった。それが今後にどう響くのか。
小沢の心情を推測するのはむずかしい。テレビ画面に映し出される渋面は、不快な気分を示しているのだろうが、同時に次の策を練っていると思われる。民主党の新代表(首相)に選ばれた菅直人は、
「小沢氏はしばらく静かにしていただいたほうが、ご本人にとっても、民主党にとっても、日本の政治にとってもいいのではないか」
と小沢離れ宣言ととれる発言をしたが、小沢はすでに静かではない。菅の面談要請を拒み続けたこと、海江田万里らに出馬を促したらしいこと、などがそれを端的に示していた。枯れていない。

最近は、
「くたびれた……」
と漏らすことも多いという。68歳の身で、あの過激な選挙準備ぶりをみると、疲労感は当然、しかし、疲労と闘争心は共存できる。日本の政治に通じているジェラルド・カーティス・コロンビア大教授は、
「今回、鳩山さんは小沢さんと無理心中したが、問題は小沢さんが政治的に死なないことだ。裏から不透明なやり方で権力を持ち続ける。だから、人気は民主党に戻らない」(3日付「毎日新聞」座談会)
と言う。山口教授と真反対だが、多分、カーティス教授の見方が当たっている。菅新体制のもとでも、小沢による二重権力問題が形を変えて影を落とすに違いない。菅は、
「政治とカネの問題にけじめをつける」
とも約束している。しかし、小沢が政治資金疑惑を認めるはずもなく、一切やましくない、と言い続けるのだろう。疑惑がなければ辞める必要はないはずだが、辞めざるを得なかった。

その小沢が率いる最大集団が現に存在している。菅はどうけじめをつけるのか。
「国民のために政治がある。権力闘争は国民のための政治を実現する手段だ」
というのが小沢の持論だ。だが、権力闘争が過剰になると、<国民のため>が薄れてくる。闘争を名分に選挙至上主義に走り、カネが動いたのだ。その象徴が小沢である。
古い政治は断ち切らなければならない。鳩山がきっかけを作り、次期衆院選の不出馬を決断した。小沢も静かに身を引く時である。(敬称略)

http://mainichi.jp/select/seiji/iwami/



私も後者になる可能性が高いと思っています。
となると、また、民主党内でも『小沢』というキーワードで対立軸が明確になってきます。
by kura0412 | 2010-06-05 14:53 | 政治 | Comments(0)

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