日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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変わらぬ向学心には敬意を表わしますが

神奈川歯科大に70歳の新入生入学 横浜の〇田〇子さん笑顔で「初志貫徹」

神奈川歯科大(横須賀市)で5日、新入生77人の入学式があり、70歳の〇田〇子さん=横浜市中区=が入学した。会社会長も務める〇田さんは「6年間元気で、人生の総まとめの勉強をしたい」と向学心に燃えている。

午前10時からの式に臨んだ〇田さんは、自分の名前が呼ばれると「ハイ」と元気に返事をして立ち上がった。18~20歳の男子学生に囲まれ、小柄ながら凜とした姿だった。
昨年末、知人の歯科医から「もう一度勉強してみたら」とアドバイスされ、1カ月集中して受験勉強をしたという。「生物を選択し、英語も論文も頑張って合格できた」と振り返る。
山口県生まれで、地元の栄養短大を卒業。28歳で上京し、30歳で会社経営の豊さん(82)と結婚し、秘書として支えた。現在は別の輸入建材会社の会長もしている。
式に付き添った豊さんは「仕事ばかりの人生だったので『君のやりたいことをやれ』と賛成した」と見守る。一人息子(38)も「頑張れ」と応援する。

神奈川歯科大では昨秋、乱脈投資事件で元理事2人が逮捕され、暗い話題が多かっただけに、大学関係者も「若者の刺激になれば」と喜ぶ。
6年間で授業料など約3000万円かかる。〇田さんは「開業医になるつもりはないが、歯は健康の源と思う。生涯勉強のつもりで初志を貫徹したい」と笑顔で話した。

【毎日jp】



その向学心には敬意を表わしますが、その職にいる人間としては、色々な点で複雑な心境です。
by kura0412 | 2010-04-07 09:24 | 歯科 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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