日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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倫とした態度を

社説:日医新会長 風見鶏になるよりも

歴史的に自民党の支持母体だった日本医師会(日医)の会長に、民主党支持を鮮明にした原中勝征氏(茨城県医師会長)が当選した。病院や開業医の財布に直結する診療報酬の決定権を与党が握っている以上、政治の風向きに敏感になるのはやむを得ないが、政権交代のたびに風見鶏のように振る舞うのは少々見苦しい。予算獲得の圧力団体から、国民に信頼される医療・学術団体に徹すべき時期ではないのか。

昨年の総選挙で原中氏は、診療報酬を4回連続マイナス改定した自民党に反旗を翻した。政権交代後、民主党は中央社会保険医療協議会から日医の指定席だった3ポストを取り上げ、原中氏の茨城県医師会にポストを与えた。露骨な論功行賞と言われたが、それでも日医側は7月の参院選で組織内候補である自民党公認の現職、西島英利氏の推薦を変更しようとしなかった。そのために民主党の団体窓口である幹事長室への訪問すらできない状態が続いていた。
「民主党にものを言えるのは私だけ」とアピールした原中氏が勝利した背景に全国の医師たちの危機感が透けて見えるようだ。ただ、内閣支持率が急落する中で、現職の唐沢祥人氏、京都府医師会の森洋一氏にも多くの票が集まり、副会長にはいずれも非原中系の3人が当選した。原中新執行部は早々に参院選の対応に直面するが、その後も難しいかじ取りを迫られそうだ。

高齢化に伴い医療費は今後も増加していかざるを得ず、国民の負担も増えていく。時の与党にすり寄っているだけでは国民の納得は到底得られまい。まずは診療報酬改定と日医会長選が毎回同じ年に行われることで、診療報酬改定が会長の勤務評定のように位置づけられていることを改めるべきだ。2月、日医の生命倫理懇談会は「高度情報化社会における生命倫理」の報告をまとめた。ネットで患者や医療事故の被害者を中傷する医師への対策、電子カルテやレセプトオンライン化、学生や研修医の医療倫理教育などが重要な課題として挙げられている。もともと医療界は自浄作用が機能しにくいと言われる。日医がこうした問題に果敢に取り組む組織へと脱皮する姿を見せてほしい。

民主党にも注文を付けたい。日医を揺さぶり冷遇して原中氏を勝利に導いた真意は何なのか。16万人余の会員のいる日医の資金力と票は、選挙を考えると魅力には違いない。しかし、患者を置き去りにして互いの利益のために癒着していた自民党の二の舞いになることだけはごめんだ。
政権交代が現実に起きる時代になった。日医だけでなく業界団体と政治の関係が問われている。

【毎日新聞】



外から見ればこの社説が正論でも、その世界で生きて行く者にとっては苦しい判断を迫れていました。
しかし、倫とした態度を取るべきだったかもしれません。今からでも改められるのでしょうか。
by kura0412 | 2010-04-05 11:07 | 政治 | Comments(1)
Commented by 累卵 at 2010-04-05 12:35 x
 本日の信濃毎日新聞・社説「日本医師会 政治より患者に目を」の日本医師会を日本歯科医師会に置き換えると「凛とした態度」で進むべき道が見えるのでは・・・・・・

日医は全国16万6千人の医師を会員にもつ。そもそもは政治活動でなく、医学教育や公衆衛生の向上を目的とする社団法人だ。親自民路線との決別を、原点に立ち返る機会としてほしい。
 時の政権に左右されずに、国民医療の充実に取り組む医師会へと変わるときだ。
 医療という公益性の高い職業集団のトップを決めるのに大事なことは「政権との距離」ではない。日医が取り組むべき課題は、ほかのところにある。
 開業医中心とされる日医は、これまで診療報酬の改定の際、開業医優位の配分を働き掛けてきた。それが勤務医の待遇改善を置き去りにし、医療崩壊を招いた一因である。こうした過去を省みて、医療費の無駄に自ら切り込む姿勢がなくては主張に説得力を欠く。心して組織の改革を進めてもらいたい。
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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