物凄い争いになっているようです・日医会長選挙

日医会長選 来週決着へ 未経験の執行部選挙も焦点に・ 提供:Japan Medicine(じほう)

日本医師会の会長選挙がいよいよ来週木曜日、4月1日に行われる。25日には立候補が締め切られたが、24日夕時点では当初予想された3人の有力候補が予定通り届け出る見通し。3人の候補者はそれぞれ一定の支持基盤を持ち、当落の動向予測は難しい。日医会長選としては極めて珍しい状況だ。政権政党が変わって初めての会長選、三者の主張の違いは政治とのかかわり、政権与党との距離感の違いだ。

立候補したのは唐澤祥人・現会長、茨城県医師会長の原中勝征氏、京都府医師会長の森洋一氏の3人。会長選挙は都道府県医師会の日医代議員357人の投票で行われる。日医代議員は日医会員500人に1人の割合で選出されており、当然のことながら地域偏差が大きい。大都市圏を抱える東京は40人、大阪は33人に対し、日本海側の4県では2人ずつしかいない。地域ブロックの支持を得られた方が有利ということになるが、3人ともに一定の地域的支持を得ており、さらに個々の代議員にも候補者の主張やブロック推薦にかかわりなく、出身大学、地縁血縁などの要素を重視する可能性もあり一様ではない。

また、今回の会長選挙では、前回選挙まで恒例化していた、いわゆるキャビネット選挙が行われない。キャビネット選挙は、立候補した会長の執行部に入る副会長、常任理事をあらかじめ陣営候補者として特定して立候補させるものだ。落選した会長陣営のキャビネット候補者はその時点で立候補を取り下げ、自動的に当選側キャビネットの候補者が無投票で当選してきた。
今回はこうした慣例には従わないと、3人の候補者は宣言している。そのため、1日の選挙では副会長、常任理事まで選挙が行われる可能性があり、さらに当選会長の意向とは違った執行部が編成される可能性がないわけではなくなったことも関心を集める。

支持をめぐって分裂した地方ブロック

こうした異例づくめの日医会長選の動向は、1月から3月まで非改選期の5都道県と、日医会長候補者を出す2府県を除く40府県で行われた都道府県医会長選挙にも大きな影響を与えた。これまで無投票で次期会長が選出されてきた県のいくつかで、今回は選挙が行われ、そのほとんどが次期日医会長として誰を支持するかが争点化した。
中でも関心を集めたのは近畿ブロックだ。近畿からは、森氏が立候補しており、本来なら近畿の大票田は森氏で固まるはずだ。前日医会長の植松治雄氏が大阪から立候補した2004年(当選)、06年(落選)には、近畿は一枚岩として植松氏を支持した。06年には政治が会長選に介入したとして、07年の参院選では日医組織内候補の自民党・武見敬三氏を近畿だけが支持せず、武見氏は落選した。

そうした経緯がある中で、大阪府医師会では、唐澤執行部との距離を縮めた酒井國男・大阪府医会長と植松氏グループの伯井俊明、松原謙二の両元日医常任理事の反目が表面化、足かけ2年の府医会長選では骨肉の争いが繰り広げられた。08年選挙では酒井氏が辛くも逃げ切ったが、今年は伯井氏が雪辱した。この大阪府医会長選を頂点に、近畿では今年、政治とのスタンスをめぐって滋賀、兵庫、大阪、奈良で選挙が行われ、伯井氏をはじめ、原中氏を支持する候補者がいずれも勝利を収めた。
近畿はこうして割れ、地元から出る森氏の支持は少数派となった。実質的に一枚岩は崩れた。一方で、これまで唐澤氏を支えてきた九州ブロックは大勢として森氏支持の動きが拡大、同じく唐澤氏を支えてきた東北、中部、関東も3者の支持が錯綜し分裂気味だ。

終盤は3陣営に思惑の複雑さも

3人の候補者は細かい手法の違いはあるが、医療崩壊を食い止め、圧力団体との印象を払拭し国民の信頼を得て、政策を実現するための社会保障財源確保に関する論議を本格的に始めるとの大筋の主張は同じだ。 違いは、それを実践に移すための政権与党、政治との距離の取り方。原中氏は、昨年の衆院選で民主党マニフェストづくりに参画したことから、民主党中枢とのパイプの強さをアピールする。近畿の次期会長グループも、この点が同氏を支持する根拠となっている。
一方、唐澤氏はこれまで4年間の実績をもとに、政府との関係再構築をアピールする。また、森氏は「政治にコンタクトはするが、政治には左右されない」がモットー。周辺は、森氏が民主党の前原誠司国土交通相など有力者との長年の交流があることを強調し、実際には民主党にもパイプがあるとの声も出ている。

3人の陣営の思惑も複雑だ。原中、森陣営は、自民党支持を崩さず、政権交代後に中医協人事で政府に煮え湯を飲まされた唐澤執行部に反対する意思を明確化した。一方で、支持母体に反医師会である労組などを持つ民主党中枢とのパイプを強調する原中氏に反発する勢力も強く、唐澤、森陣営には、選挙戦後半では「反原中」で固まる空気も出始め、これが土壇場でどうなるかも関心を集める。

会長選は357票中、3分の1以上の票を1位で獲得した候補者が当選する。

【m3.com】



会長に誰が当選するかで変わることはないかもしれませんが、この選挙は歯科界にも影響ある結果となります。
日医は地域別での争いの構図が色濃く出ているようです。そしてその論争の争点が政治であることに注目します。峻別する意向はあるようですが、まるで歯科界ならば連盟の選挙一色の様相です。
ある意味、ここでもそれだけ今の医療と政治が深く結びついていることを示しています。
by kura0412 | 2010-03-27 08:21 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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