日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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タイ・マレーシアでオーラルヘルスセミナー開催

オーラルヘルスケアセミナー2018を開催します~初めてとなる官民の取組をタイ・マレーシアで実施~

本件の概要
経済産業省は、タイ及びマレーシアにおいて、オーラルヘルスケアセミナーを開催します。本イベントでは、日本の歯科専門家から、QOL(生活の質)向上のためのオーラルヘルスケアの重要性を伝えるとともに、日本製オーラルケア製品の紹介を行います。あわせて、歯科関係者や学生を対象としたセミナーも行い、日本と両国のオーラルヘルスケア分野における協力を深めてまいります。

1.背景
人口の高齢化・長寿化にあたっては、QOL(Quality of Life 生活の質)向上のためのオーラルヘルスケアの重要性が高まっています。日本においては、1989年に開始した8020運動によって、80歳で20本以上の歯を保つ人は2016年に50%を超えました。日本のオーラルケア製品は、消費者の高い関心と品質要求に鍛えられ、歯周病やむし歯の予防などの機能も優れています。こうした日本のオーラルヘルスケアの取組をアジア各国に共有することは、アジア各国のQOLを高めるとともに、日本の優れたオーラルケア技術の国際展開にも非常に有効であると考えます。

2.取組
現地保健省、歯科医療関係者、流通関係者、メディアなどを招待し、日本からは、歯科医・歯科衛生士、オーラルヘルスケア製品メーカー、厚生労働省、経済産業省が参加し、日本におけるオーラルヘルスケア意識の高さとそれを支える製品の紹介を行うセミナー・交流会を実施します。
また、現地の歯科衛生士など歯科関係者に対して、日本のオーラルヘルスケアの活動を紹介します。こうした取組を通じ、オーラルケアの必要性・日本製品の優位性について、消費者への浸透を図ります。

参考:各セミナーの概要
オーラルヘルスケアセミナー2018(タイ)
2018年 1月16日(火曜日)14時30分~17時30分 (場所:在タイ大使公邸)
開会挨拶 在タイ大使館
来賓挨拶 タイ保健省 Deputy Permanent Secretary Dr. Opart Karnkawinpong
講演 深井保健科学研究所所長・公財8020推進財団理事 深井穫博先生
「日本における8020運動と健康長寿 -エビデンスと健康政策-」 
参加企業によるプレゼンテーション・交流会

オーラルヘルスケアセミナー2018(タイ デンタルナースカレッジ)
(1)2018年1月15日(月曜日)13時30分~15時00分 (Sirindhorn College of Public Health Suphanburi)
(2)2018年1月17日(水曜日)10時30分~12時00分 (Sirindhorn College of Public Health Chombri)
開会挨拶 Sirindhorn College of Public Health ・経済産業省
講演 厚生労働省歯科保健課 岩田真紀代歯科医療専門官 「日本の歯科政策」
講演 日本歯科衛生士会会長 武井典子先生 「ヘルシーエージングのためのオーラルヘルスケア」
参加企業によるプレゼンテーション

オーラルヘルスケアセミナー2018(マレーシア)
2018年 1月18日(木曜日)14時30分~17時30分 (場所:在マレーシア大使公邸)
開会挨拶 在マレーシア大使館
共催者挨拶 Datin. Dr. Rashidah Esa, President, Malaysian Association of Dental Public Health Specialists
講演 Dr. Siti Zaleha Bt Hamzah,Specialists in Special Needs Dentistry, Unit of Special Needs Dentistry, Hospital Kajang. ‘Oral Healthcare for Malaysians towards Healthy Aging’
講演 厚生労働省歯科保健課岩田真紀代歯科医療専門官 「日本の歯科政策」
講演 深井保健科学研究所所長・公財8020推進財団理事 深井穫博先生「日本における8020運動と健康長寿 -エビデンスと健康政策-」
交流会

ヘルシーエージングのためのオーラルヘルスケア日本セミナー2018(マレーシア)
2018年 1月19日(金曜日)10時00分~12時30分 (場所: Berjaya Times Square Hotel)
主催者挨拶 Ms Fatimah Rahman, President of Malaysian Dental Therapists’ Association・経済産業省
来賓挨拶 YBhg Datuk Dr Noor Aliyah Ismail, Principal Director, Ministry of Health Malaysia
講演 厚生労働省歯科保健課岩田真紀代歯科医療専門官 「日本の歯科政策」
講演 日本歯科衛生士会会長 武井典子先生 「日本の歯科衛生士の役割・ヘルシーエージングのためのオーラルヘルスケア」

参考:本事業の体制
主催:経済産業省(技術協力活用型・新興国市場開拓事業(制度・事業環境整備))
共催:日本歯磨工業会
実施機関:一般財団法人 海外産業人材育成協会(AOTS)
参加企業(五十音順):花王㈱、㈱サンギ(タイのみ)、サンスター㈱、日本ゼトック㈱、ライオン㈱
担当
商務情報政策局商務・サービスグループ 
生物多様性・生物兵器対策室長 小出
担当者:生物化学産業課 関
電話:03-3501-1511(内線 3741~4)
03-3501-8625(直通)
03-3501-0197(FAX)
公表日
平成30年1月15日(月)

(経済産業省HP)



既に東南アジアへの取り組みが進められようとしています。この事業は8020財団が関与しているのでしょうか。
# by kura0412 | 2018-01-15 17:08 | 歯科医療政策 | Comments(0)

ロシアで医療協力、健康管理センター新設支援

政府、ロシア極東で医療協力 健康管理センター新設を支援

政府はロシアへの経済協力の一環として、ロシアが極東ハバロフスクで進める健康管理などを助言する「予防医療診断センター」(仮称)の設立に資金・技術面で協力する方針を固めた。健康診断や人間ドックを普及させて極東地域のロシア人の健康維持に貢献する。健康診断などが習慣として定着すれば、日本の医療機器の輸出増にもつながるとみている。

日ロ両首脳が2016年に合意した極東での産業振興など8項目の対ロ経済協力計画の一環だ。ロシア保健省と日本の厚生労働省などが具体案を話し合う。両政府は18年5月に日ロ首脳会談を開く方向で調整しており、成果の一つとしたい考えだ。
ロシア保健省などがハバロフスク鉄道病院内にセンターを新設することを想定。日本側がロシア関連のビジネスを手がける商社や医療関連機関など民間に投資を募る。医療分野での技術協力だけでなく、医療機器の提供や人材派遣の実施も検討する。健康診断などの習慣が極東地域で定着すれば、将来的に、日本も協力して同様の施設をロシア全土に広げることも視野に入れる。
ロシアは健康管理の意識が薄いとされる。平均寿命は15年の統計で70.5歳、男性に限ると64.7歳と短い。政府は日本の質の高い技術や医療機器を提供すれば、ロシア人の病気の早期発見や健康増進に貢献できると考えている。
ロシアへの8項目の経済協力を巡っては、16年5月にロシア・ソチで開いた日ロ首脳会談で、医療や極東開発など8分野で協力していくことで合意した。今回の予防医療診断センターの新設は、医療分野の協力の一環として進める。政府には極東地域での経済協力を進めることで、ロシア側から北方領土を巡る交渉への前向きな姿勢を引き出したいとの思惑がある。

(日経新聞)




既に民間レベルで海外への進出を進めている実例は多くあります。しかしこのケースは団体としてアプローチが必要です。歯科の関与は大きな影響を及ぼすはずですんで何とか食い込みたいところです。
# by kura0412 | 2018-01-11 11:30 | 政治 | Comments(0)

オンライン診療システム提供開始

オンライン診療システム「YaDoc」提供開始、インテグリティ・ヘルスケア

インテグリティ・ヘルスケアは2018年1月9日、医療機関向けオンライン診療システム「YaDoc(ヤードック)」の提供を開始した。初期費用は無料で、月額利用料は3万円。利用の申し込みは、同社への直接申込か、YaDoc パートナー(販売代理店)を通じて受け付ける(プレスリリース)。

YaDocは、通常の診療ではとらえにくかった情報を集積し、通院診療が困難な患者の対面診療を補完したり、かかりつけ医の機能強化・診療の質向上を図ったりするシステム。
福岡市の事業である「ICTを活用した『かかりつけ医』機能強化事業」として、同市医師会の全面協力の下で2017年4月に市内の医療機関で試験運用を始め、有用性と安全性の検証を行ってきた。その結果、通院が困難な外来患者や在宅患者への有用性が評価されたという。

機能は主に3つ
YaDocの主な機能は、「モニタリング」「オンライン問診」「オンライン診察」の3つ。

モニタリングは、疾患ごとにセットされた患者のバイタルサインや生活情報、疾患の内容、運動量を医師の画面で経時的な状態変化として確認できる機能。患者もこれらの情報をスマートフォンから日々モニタリングできる。
オンライン問診は、疾患ごとに設定される診療ガイドラインに沿った定型問診を診察前に患者がタブレットで入力する機能。問診の回答結果はスコアで表示・記録されるため、患者の主訴を医師はもれなく把握することができる。
オンライン診察は、遠隔の患者とビデオチャットを通じて表情や声色などにより患者状態を把握しながら診察できる機能。予約枠の設定は、医師の診療スタイルに合わせて柔軟に設定をすることが可能でき、患者は電話応対するようなイメージで、高齢者でもストレスなく診察を受けることができるという。

福岡市での実証の評価は…
前出の福岡市で実施した実証実験では、導入した医師からは次のような評価を得たとしている。「YaDocでオンライン診察を実施してみると、密度の濃い診察ができることに気づいた」「患者の皮膚の腫れ方や傷の情報を見ながら、適切な薬を選択するなどの診断が行えた。視覚情報が増えることで、医療の質は格段に上がることを実感した」。
一方、参加した患者からは「オンライン問診では伝える内容がチェック項目なので漏れがなく伝えられたと感じる」(60代、外来患者)、「YaDocを通じて顔を見て話を聞いてもらえる安心感や家から先生に相談ができるという相談のしやすさには助けられた」(50代、在宅患者家族)などの声があったという。
インテグリティ・ヘルスケアでは今後、「対面診療を補完するオンライン診療システムとして全国への普及を図り、地域医療を担うかかりつけ医師のより良い医療の実現に貢献したい」としている。

(日経デジタルヘルス)



歯科もこの流れが進むのでしょうか。
# by kura0412 | 2018-01-09 15:38 | 医療全般 | Comments(0)

健保組合、保養所8割減

保養所8割減 健保組合、高齢者医療の負担重く

大企業の従業員らが加入する健康保険組合が、保有資産の廃止や売却を進めている。2000年度末に約1600カ所あった健保の保養所は直近の16年度末には約350カ所と8割減った。会議などに提供する「保健会館」も3割減少。高齢者医療を支えるための拠出金の負担が重く、健保の財政悪化が進んでいる。

大企業の従業員とその家族が入る健保組合は全国に1400ほどある。健康保険事業のほか、人間ドックの受診料補助といった福利厚生を担う。
厚生労働省の2年ごとの調査によると、00年度末に直営の保養所を持つ健保組合は682あったのに対し、最新の16年度末の調査では318へと半分以下に減った。保養所の総数は1581から354へと大幅に減少。16年度末までの2年間でみても、約70カ所の保養所が廃止された。
NECは17年9月に那須や熱海、軽井沢にあった保養所計3カ所を閉じた。「保養所を廃止する代わりに、利用料を補助する契約保養所の数を増やすなどして対応している」(NEC)。保養所は福利厚生の一端でもあり、各社ともコストを抑えつつ水準を維持しようと努力している。
会議室などを備え、健康づくりの催しに貸し出す保健会館は00年度末の240カ所から、16年度末には169カ所に減少。健保組合が運営する病院や診療所も44カ所から13カ所に減った。
健保組合が資産整理を急ぐのは、高齢者医療を支えるための拠出金負担が重くのしかかっているためだ。多額の医療費を「仕送り」する仕組みが各健保の財政をむしばむ。
そうした仕送りの金額は健保組合の保険料収入の4割を超える。300以上の組合ではすでにその割合が5割を超えている。

(日経新聞)



本来、医療費の為の医療保険を保養所と称した福利厚生に充てていたこと自体が問題です。
# by kura0412 | 2018-01-09 14:44 | 医療政策全般 | Comments(0)

「全て院内で1兆7000億円減」

調剤技術料「全て院内」で1兆7000億円減、日医総研レポート
薬剤業務を横断的に見た評価体系を提言

日本医師会総合政策研究機構(日医総研)は12月14日、ワーキングペーパー「調剤報酬の現状について」を公表した。大手門前薬局、チェーン薬局は高い利益率を維持しているとして、「国民、被保険者、患者の納得を超える利益を得ている薬局に対しては、大胆な適正化が必要であろう」と指摘。同じ調剤業務であっても院外(薬局)では、院内より高いことについては「不合理であり、是正すべきである」として、薬剤業務を横断的に見た評価体系を検討することを提言した(資料は、日医のホームページ。日医総研が2015年に出したレポートは『医薬分業、「患者にとって公平な報酬に是正すべき」』を参照)。
調剤関連技術料は院内、院外を合わせて2兆5000億円だが、「仮に全ての処方を院内処方の点数で対応したとした場合の費用は8000億円である」と推計。「この差(1兆7000億円)に見合う機能を果たしているのか、医薬分業の成果についての検証は十分ではない」と強調している。

全て院内で1兆7000億円減
診療報酬改定での本体部分は「医科:歯科:調剤=1:1.1:0.3」として配分されることが慣例になっており、2018年度改定でも医科0.63%、歯科0.69%、調剤0.19%で踏襲されている。医科では新たな評価が必要な医療技術として2014年度改定で524件、2016年度改定で737件が検討の対象になるなど医療技術は年々高度化している。一方で、調剤は自動化による効率化も進んでいるとし、「事業環境の変化を踏まえた柔軟な配分が行われているとは言い難い」と指摘している。
2016年度においては、処方1回または処方せん1枚当たり調剤関連技術料は院外処方(薬局+医科院外)では3029 円、院内処方では789円と3.8倍の開きがあると分析。医薬分業率は2016年度には71.7%に達したが、調剤技術料の伸びは医薬分業率を上回っている。2001年を100とした場合、医薬分業率の161に対し、調剤技術料は177となっている。

大手薬局5社で内部留保1000億円超
特に問題視しているのが大手門前薬局、チェーン薬局の在り方。2016年度の損益差額率は1店舗のみの薬局では3.8%だったのに対し、6-19店舗では8.3%、20店舗以上は12.1%だった。一般診療所は6.0%となっていた。
大手門前薬局の利益率が高い理由としては、▽大病院は高額薬剤を扱っており、かつ大量購入のバイイングパワーがあることから薬価差益がある▽門前では処方される医薬品がほぼ決まっており在庫管理コストを圧縮することもできる▽チェーン薬局では薬剤師の 1 人当たり平均給与費も低い――ことがあると指摘している。
上場している大手調剤薬局チェーン売上高上位5社(アインホールディングス、日本調剤、クオール、総合メディカル、メディカルシステムネットワーク)では、2016年度の当期純利益は合計213億円、40億円を配当し、残り173億円を利益剰余金に積み増している。2016年度末の内部留保は1107億円となっている。

大手薬局対策に抜け穴
2016年度改定において、大手門前薬局で「処方せん受付回数が月2000回を超え、かつ集中率が90%を超える」薬局は、最も高い調剤基本料1(41点)を算定できなくなった。算定薬局は2015年度の96.3%から2016年度は83.4%に減少したが、2017年度は90.8%に回復している。「薬剤師1人当たりで、かかりつけ薬剤師指導料およびかかりつけ薬剤師包括管理料の合計算定回数が月10 回以上」であれば調剤基本料1を算定できる特例を利用しているとみられる。
なお、2018年度改定では、「外枠」として門前薬局については、国費ベースで60億円の引き下げを予定している。

薬学管理料が跳ね上がる
2016年度改定では薬剤服用歴管理指導料は、お薬手帳ありの方が点数が低くなった。しかし、「結果的に患者に“かかりつけられていない薬局”や大手門前薬局の収入を増やすことになった」と指摘。かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料が創設されたこともあり、処方せん1枚当たりの薬学管理料は、2015年度の385.9円から、2016年度には過去最高となる443.0円に跳ね上がった。

病院薬剤師への評価を
一般病院における薬剤師の給与総額は2639億円と推計。一方で、診療報酬による手当は薬剤管理指導料ほかの760億円にとどまる。病院・診療所合計でも薬剤関連業務を評価した診療報酬は約1200億円だった。「医科診療報酬では、薬剤業務を評価する報酬が薄いように思われる。医科、薬局の縦割ではなく、将来的に薬剤業務を横断的に見た評価体系のあり方を検討することも提言したい」とレポートを締めくくっている。

(m3.com)



これに加えて処方箋料の分もあります。果たして脱調剤への流れを政府、また日医は考えているのでしょうか。
# by kura0412 | 2018-01-05 09:26 | 医療政策全般 | Comments(0)

良いお年をお迎えください

先生方の診療所はいかがでしょうか。

私の診療所は現在大掃除の最中で、間もなく本年の診療を終えます。

今年も多くの先生方から本ブログを覗いていただきありがとうございます。

来年も歯科界内外の動きをご紹介したいと考えております。

良いお年をお迎えください。
# by kura0412 | 2017-12-30 10:25 | 思うこと | Comments(0)

「ライオン、4年連続の営業最高益に」

ライオン、4年連続の営業最高益に 17年12月期

ライオンの2017年12月期の連結営業利益は前期比12%増の275億円程度になりそうだ。従来予想(270億円)を上回り、4年連続で最高益を更新する。8月に発売した口臭予防効果のある歯磨きや洗口液が若年層に人気で、2月に刷新した子供向けの歯ブラシなども想定以上に好調だ。機能をアピールした単価の高い製品が売り上げを伸ばし、利益率が改善し続けている。

売上高は4%増の4100億円程度になりそうだ。従来予想の4050億円をわずかに上回る。
主力の国内消費財事業が利益をけん引している。特に8月に発売した口腔(こうくう)ケアの新ブランド「NONIO(ノニオ)」は口臭予防効果をアピールし、20代から30代前半の顧客層を掘り起こしている。11月までの売り上げは同社計画の1.5倍に達したようだ。歯磨きと併用する洗口液も伸びている。
既存ブランドの販売も好調だ。16年9月に発売し、保湿成分が肌に残るボディーソープ「ハダカラ」は新しい香りの商品を投入するなどテコ入れを続けている。その効果で発売から1年が過ぎても売上高は前年を上回っている。機能を訴求できる高単価品の販売増により、原材料価格の上昇や販促費の増加を吸収している。国内日用品事業の売上高営業利益率は16年12月期実績の5.5%を上回ったもようだ。
売上高の3割を占める海外では中国やタイ、韓国などで販売が好調だった。中国では電子商取引(EC)で「クリニカ」の販売が伸びている。韓国では体脂肪の削減効果を見込める健康食品「ラクトフェリン」を販売し始め、新規の顧客を開拓した。
18年12月期も機能をアピールした高単価品の販売に力を入れ、増収増益となりそうだ。口腔ケア製品の生産拠点、明石工場(兵庫県明石市)では洗口液などの生産能力を増強し、国内外の需要増に対応し始めている。

(日経新聞)



この流れに乗ってメーカーとコラボするのは結構なことですが、動きが悪いと一方的に進めらることもありそうです。まぁ、それで歯科界が活性化するならば「良し」ですが。
# by kura0412 | 2017-12-30 09:11 | 経済 | Comments(0)

サンスターと富士通が仕掛ける新サービス

自宅での歯みがき、歯科衛生士に“丸見え”に
サンスターと富士通が仕掛ける新サービス

「1日に何回、どのように歯を磨いているか。患者の自宅での歯みがき状況を歯科衛生士が把握できれば、患者に適切な指導をすることができる」(日吉歯科診療所に勤める歯科衛生士)。そんなニーズに対応するサービスを、サンスターと富士通がタッグを組んで開始する。2017年12月25日に開催した記者会見で発表した。

サンスターグループ オーラルケアカンパニーが手掛けるIoTスマートハブラシ「G・U・M PLAY」と、富士通が開発した歯科医院向けクラウドサービスを連携させたサービスである。具体的には、G・U・M PLAYに蓄積された毎日の歯みがき情報と、歯科医院向けクラウドサービスに集約された患者の口腔情報を連動することができる。これによって、歯科医師や歯科衛生士は患者の自宅での歯みがき状況を確認することができ、より適切な歯科指導が可能になる。
2017年12月25日から予約を受け付け、2018年1月31日に製品の提供を開始するという。2020年までに500の歯科医院へ導入することを目指す。

磨き残しが多い部分をアプリに表示
サンスターグループが手掛けるG・U・M PLAYは、患者が正しい歯みがきを行えるようにするための製品である。2016年4月に発売した。歯ブラシに3軸加速度センサーとBluetooth通信モジュールを搭載したアタッチメントを装着することで、スマートフォンアプリで歯みがきを可視化できる(関連記事)。
どの歯を何秒磨いたか、磨き残しがないかなどをアプリで確認することが可能である。アタッチメントには、歯科衛生士が患者の口腔状況に合わせた磨き方を登録でき、正しい磨き方と自分の磨き方がどれだけ違うのか確認できる。
今回のサービス提供に合わせて、「MOUTH STATUS」という新しい機能も搭載した。歯科医院での検診結果を基に、歯1本ごとのプラーク(歯垢)残存レベルを設定する機能で、磨き残しが多い部分をアプリに表示できるようにした。
一方、富士通が手掛ける歯科医院向けクラウドサービスでは、レントゲン写真や検査結果などの医療情報を“歯の健康ファイル”として患者のスマートフォンやパソコンに共有し、家で治療の経過が確認できる。現在、50の診療所に導入されているという。

サービスを導入する現場の期待は…
記者会見には、今回のサービスを導入する日吉歯科診療所 理事長の熊谷崇氏が登壇した。同氏は、医療情報を見ればきちんと治療が行われたか確認できることから「医師の治療が患者に評価されることで歯科医療の質を高められれば」と期待を述べた。
口腔の健康は全身の健康に大きな影響を与えることが分かっている。例えば、成人の約8割の人が患っているとされる歯周病は、「骨粗鬆症や動脈硬化、糖尿病と関連がある」(サンスターグループ オーラルケアカンパニー マーケティング部 統括部長の淡島史浩氏)。今回のサービスは、「口腔と全身の健康状態の関係についてエビデンスを構築することにも活用できるのではないか」と熊谷氏は見る。
記者会見で熊谷氏は、今の日本の歯科医療についても言及した。日本人の口腔状態の特徴としては、「若い時に治療した歯は何度も治療する傾向にある。虫歯や歯周病になると、“削って詰めて”を繰り返す」と同氏は説明する。状態が悪くなってから歯科医院に行くことも特徴的で、定期的なメンテナンスに通う人は少ないため、「日本では後期高齢者の9割が入れ歯を利用する状況」と同氏は話す。
これからは、「歯科衛生士による定期的な口腔ケアやメンテナンスを行い、必要があれば医師が治療を行う歯科医療を目指したい」と熊谷氏は話す。定期的にメンテナンスを行うことで歯を失いにくいことが分かっており、海外の研究では初診時の年齢が若いほど30年後の失歯数が少ないと示されているという。つまり、「継続的なメンテナンスなしでは口腔の健康を保つことが難しい」(同氏)というわけだ。

(日経デジタルヘルス)



いよいよ歯科にもこの種の話題が、具体的な事例として出てきました。
15年前にあるメーカーの関係者に、「もう歯ブラシや歯磨剤を売るだけの時代は終わったよ」と話したことを思い出します。
# by kura0412 | 2017-12-27 14:12 | 歯科医療政策 | Comments(0)

人口減に健全な危機感をもっと(社説)

人口減に健全な危機感をもっと(社説)

アベノミクスの5年はいくつかの点で日本経済を大きく好転させた。日経平均株価は2万2千円台に上がり、労働市場は完全雇用を達成してあまりある。来日客数は3千万人乗せが時間の問題だ。
米国、中国などが先導する世界経済の拡大に助けられた面はあるが、企業経営者はおしなべて自信を取り戻したと言ってよかろう。
だがその陰で日本の経済社会をむしばむ構造問題には、ほとんど手がついていない。人口減少である。人口減への健全な危機感を個人、企業、政府・地方自治体が三位一体になって強めるべきだ。

和歌山県が毎年消滅
歴史人口学をひもとくと、20世紀初めに4400万人弱だった日本の総人口は1967年に節目の1億人を突破し、今世紀初めに1億2800万人の頂点に達した。
仮に、男女の年齢別生存率と合計特殊出生率が2004年の水準のまま推移し、かつ移民を受け入れないとすれば、22世紀初めの総人口は4100万人台に減る。過去1世紀の増加分が帳消しだ。
出生数が死亡数を下回る自然減はすでに定着している。戦後ベビーブーム期に生を受けた団塊の世代のすべてが後期高齢者になる25年を、安倍政権は財政と社会保障の難所と位置づける。しかし本当に苦しくなるのは、それ以降だ。
国立社会保障・人口問題研究所は40年からの20年間に総人口が1808万人減ると推計する(17年推計)。単純平均すると年間の減少数は90万人強だ。たとえれば和歌山県ほどの自治体が毎年一つずつ消滅するほどの衝撃である。
少子高齢化を伴いながら人口減少が加速することは、今世紀に入る前からわかっていた。その間、日本の人口政策はぶれ続けた。
昭和初期にかけては産児制限運動が盛んになった。政府は移民送り出しを奨励し、毎年2万人ほどが南米などへ渡った。日米開戦を前にした1941年には逆に「産めよ殖やせよ」の号令の下、60年までに総人口1億を達成させる人口政策確立要綱を閣議決定した。
過剰論が再び台頭したのは敗戦後だ。48年の優生保護法成立を経て、経済的理由による人工妊娠中絶の合法化が出生率低下のきっかけの一つになった。74年の日本人口会議は「子供は2人まで」と、大会宣言にうたった。
70年代前半の第2次ベビーブーム期を過ぎ、出生率は行きつ戻りつしながらも緩やかに降下した。89年にはついに1.57に下がり、66年丙午(ひのえうま)の1.58を下回った。バブル景気のまっただ中、経済への負の影響を心配する声はかき消されがちだった。
今や年間出生数は百万人の大台を下回っている。かたや子供を2人以上もちたいと考える夫婦は少なくない。厚生労働省の成年者縦断調査(16年)の結果によると、この4年間に第1子をもった夫婦は夫の79%、妻の72%が第2子、第3子をもちたいと考えている。
産むか否かは各人の選択だ。政府が督励するのは論外である。望んでも授からない人もいる。一方で、調査が浮き彫りにした潜在的な希望をかなえる策は不可欠だ。
着目すべきは医療・介護や年金制度が内包する世代間格差だ。学習院大の鈴木亘教授が一定の前提をおいて試算したところ、1945年生まれは3制度合計の生涯収支が3370万円の黒字に対し、2010年生まれは3650万円の赤字になる結果が導かれた。

若い男女の後押しを
負担・受益の両面で高齢層が有利な状況はある程度は致し方ないが、これだけの格差の放置は将来世代への責任放棄ではないか。
3点、提案したい。
まず社会保障改革の断行だ。
たとえば医療の窓口負担は、年齢で差をつけるやり方から収入・資産をもとに決める方式に変えるべきだ。巨費をかけてマイナンバーを導入したのは、そうした用途に使うためではなかったか。
次に子育て支援の強化だ。
政府・自治体や経済界を挙げて待機児童を減らすのは当然として、とくに企業経営者は従業員が暮らしと仕事を無理なく両立させられる環境づくりに意を用いてほしい。
最後にこれから生まれてくる世代への支援だ。
夫婦が出産を諦める理由のひとつに晩婚化がある。結婚を望む若い男女を後押しするには、就労支援などを通じて出産の機会費用を下げるのが有効だ。
振り返れば、私たちの暮らしを豊かにし、社会を安定させる原動力として人口政策をとらえる発想は乏しかった。人は言うまでもなく国力の源泉である。望む親が2人、3人――と、無理なく子供を増やせる環境を整えてゆきたい。

(日経新聞)


関係ないとはいいませんが、人口減と社会保障改革、特に窓口負担は?
# by kura0412 | 2017-12-27 11:26 | 社会 | Comments(0)

歯周病撲滅に向けて「京都宣言」

■平成29年度日本歯周病学会60周年記念京都大会が盛大に開催
「伝統と革新 歯周病撲滅に向けて!」をテーマに約4,000名が参集

さる12月16日(土)、17日(日)の両日、国立京都国際会館(京都府)において、平成29年度日本歯周病学会60周年記念京都大会(栗原英見大会長、理事長)が「伝統と革新 歯周病撲滅に向けて!」を大会テーマに、約4,000名の参加者を得て盛大に開催された。
60周年記念大会ということもあってか、一般演題はポスターのみで、話題の腸内細菌に焦点をあてた小川 順氏(京大教授)の講演と、大会長(理事長)の栗原氏ら同学会の新旧の重鎮と造詣の深いDr. Thomas E Van Dyke(米・Forsyth Institute)とDr. Gregory J Seymour(オーストラリア・Queensland大)を招聘した特別講演2題、Periodontal Medicine系のタイトルがめだった医科歯科連携シンポジウム4題、歯周病専門医の育成から超高齢社会における歯周病予防・治療、歯周病患者に対するインプラント治療、歯周組織再生療法までが語られたシンポジウム6題、アジア、韓国、中国、米国、ユーロと日本歯周病学会との密な関係が披露された国際シンポジウム、Sunstar Young Investigator Award口演、ランチョンセミナー12題、歯科衛生士セミナー、歯科衛生士プログラム、歯科衛生士スイーツセミナーなどが盛大に開催された。

最終日の午後には、本大会のメインともいえる「60周年記念講演」、「京都宣言」が行われた。
厚生労働省、日本医師会、日本歯科医師会、日本歯科医学会の要職4名が登壇した60周年記念講演では、「歯科医療を取り巻く環境の変化―医療・医学の視点から―」と題して超高齢社会となった今後の各方面の取り組みと考え方が披露された。その後、「京都宣言」に向けて本学会の要職3名、日本臨床歯周病学会理事長、日本口腔衛生学会理事長、日本歯科衛生士会会長、日本歯科商工協会会長が登壇発言を行い、分子疫学的手法によるPeriodontal Medicineのよりいっそうのエビデンスの構築をはじめとして、歯周病撲滅に向けた伝統と革新の「京都宣言」の運びとなり、サテライトの部屋が設けられるなど、賑わいを見せた。

(メールマガジンクインント)
# by kura0412 | 2017-12-22 17:43 | 歯科医療政策 | Comments(0)

業界に配慮、選挙の恩

診療・介護 報酬改定 官邸・自民、業界に配慮

加藤勝信厚生労働相と麻生太郎財務相は18日、2018年度の診療、介護、障害福祉サービスの3報酬改定率について最終合意した。診療報酬のうち医師らの技術料や人件費に当たる「本体部分」はプラス0・55%、薬価はマイナス1・74%で、全体はマイナス1・19%。介護報酬は0・54%、障害福祉サービスは0・47%引き上げることが決まった。団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」に対応する重要な改定を振り返った。
 
◇「抑制」財務省を押し切る
医療や介護サービスの値段である診療・介護報酬を引き上げれば税や保険料負担が増える。加藤氏は、麻生氏との会談後の記者会見でこの点を問われ、「少子高齢化が進む中での(医療や介護サービスなどの)ニーズに対応する一方、個人の負担がどうなるか。多面的にみながら議論しなければならない」と述べ、負担増とサービスとのバランスに配慮したことを強調した。だが、実情は「業界への配慮」が強く浮かぶ。
12日深夜、麻生氏が電話をかけていた。相手は日本医師会の横倉義武会長。「これ以上、時間をかけても一緒だ」。「本体0・55%上げ」をのむよう迫った。麻生氏が昼過ぎから安倍晋三首相らも巻き込んで調整した最終結果を、横倉氏も受け入れた。財務、厚労両省の事務レベルでは詰めの調整が残る中、麻生氏自ら動いて政治決着を図った。
0・55%引き上げるには国の税金約600億円を投じる必要がある。政府は高齢化などによる社会保障費の自然増圧縮に取り組み、来年度予算でも1300億円削ることを決めている。その中での600億円は小さい数字ではなく、「医療界優遇」の色は濃い。
背景には旧知の仲である首相と横倉氏の関係がある。世界医師会長にまで上り詰め、来年の会長選で4期目を目指す横倉氏の顔に泥を塗るわけにはいかなかった。10月の衆院選では20万票とされる組織票で自民党を全面支援したことには首相だけでなく自民党幹部も恩義を感じていたという。

財務省は当初、「本体マイナス」を主張し、厚労省も前回のプラス0・49%程度を想定していた。ところが、決着の数日前、自民党幹部は「もっと上げられる」と周辺に語っていた。医療や介護の自己負担増といった制度改正で浮く財源が使える。これが日医に伝わると、「相場」はつり上がっていった。
ある厚労省幹部は、麻生氏の動きについて「財務省には、交渉が長引けば引き上げ幅がさらに大きくなるとの危機感があった」と解説する。医療関係者は「麻生氏の申し入れを受けなければ、もっと上がったはずだ」と口をそろえる。
診療報酬本体の引き上げが想定より大きくなったことにつられて介護報酬も上がった。前回(15年度)のマイナス2・27%から一転、本体に準じた0・54%で国費約140億円を確保。「診療報酬(本体)と遜色のない引き上げ」を求めていた介護業界の意向通りとなった。
「診療報酬は、横倉会長が『うん』と言えば決まる」。自民厚労族の言葉通り、最後は業界に配慮した官邸・自民党が財務省を押し切った。

◇「在宅」充実は不十分
改定率を踏まえ、厚労省は年明けに医療機関や介護事業者に支払うサービスごとの報酬(値段)を決める。2年に1度の診療報酬改定と3年に1度の介護報酬改定が重なるのは6年に1度で、2025年に向けて今回は実質的に最後の同時改定となる。医療と介護の切れ目のない連携のほか、重度化防止のため、自立支援の強化を目指す。
医療と介護の連携で特に課題となるのは入・退院時と終末期だ。ケアマネジャーが退院時にケアプランを作成したり、医療機関で多職種による会議に参加したりした場合、手厚く評価する。また特別養護老人ホームが、非常勤の配置医や協力病院と連携し24時間対応を行う場合の加算も設け、施設でのみとりを進める。
国が在宅化を推し進める背景には、病床機能の再編がある。重症入院患者向けの急性期病床を減らし、リハビリ向けの回復期病床などを増やす方針だが病床数全体は抑える。そのため、自宅や介護施設で医療や介護を受ける高齢者は25年には現在より30万人増と見込まれる。改定では急性期病床に軽症患者が多く入院している場合、診療報酬を下げる。これにより軽症者をリハビリ病床に誘導し在宅療養につなげたい考えだ。
医療・介護ニーズが増える一方、支え手は減少が見込まれており効率化が求められている。大病院と診療所の役割分担をさらに進めるほか、情報通信機器を使った遠隔診療を促進するため報酬を上げる。
介護では、要介護度が重いほど報酬が多いという現状を見直し、自立支援に成果を上げた事業者の報酬を加算。一方、ヘルパーが主に調理などを行う「生活援助」は短期間の研修制度を新設し、担い手を拡大。その分報酬を下げる。
結城康博・淑徳大教授(社会保障論)は「病院の役割分担を進め、在宅医療に重きを置いている点は評価できる」としながらも、介護については「在宅介護への対応を手厚くする必要があったが、生活援助の報酬を下げるなど厳しい内容だ。微増の改定率では介護の人材不足解消はほど遠い」と話した。

(毎日新聞)




日医に配慮「選挙の恩」 厚労省は蚊帳の外 診療報酬本体プラス

来年度予算編成で最大の焦点だった診療報酬改定は、医師らの技術料や人件費に当たる「本体部分」を0・55%引き上げることで事実上決着した。前回の0・49%増を上回るプラス改定となった背景には、先の衆院選で支援を受けた日本医師会(日医)の恩に報いたいという安倍晋三首相の配慮がのぞく。所管する厚生労働省は最後に蚊帳の外となり、マイナスを主張していた財務省も白旗を揚げる結果となった。

▽深夜の電話
「診療報酬の本体は0・55%プラスで決まった」。12日深夜、永田町と霞が関に情報が駆け巡った。その直前、ホテルの一室にこもった麻生太郎財務相が電話で話し込んでいた。相手は加藤勝信厚労相だった。午後11時すぎ、通話は終了。決着の瞬間だった。
この時まで厚労、財務の両省は改定率の折り合いを付けられないでいた。この日午前に財務省が厚労省に提示したのは、前回2016年度改定並みの「0・5%増」。0・01%のプラスには国費で約11億円かかる。双方とも詰めの協議は数日続くとみていただけに、深夜の政治決着は寝耳に水だった。
流れをたぐり寄せたのは日医の横倉義武(よこくら・よしたけ)会長だ。今年10月に世界医師会長に就任し、来年の日医会長選で4選を狙う横倉氏にとって、今回の報酬改定が本体プラスとなれば会員への格好のアピールになる。周囲にも「最低限、前回の0・49%は超えなければならない」と意欲を見せていた。世界医師会の仕事でタイに向かう14日を前に結論が出る形となった。

▽財務省「完敗」
日医は20万票とも言われる医師の組織票を持ち、10月の衆院選で自民党を全面支援した。選挙後に官邸を訪れ、病院の経営悪化などを理由にプラス改定を求めた横倉氏に首相は「恩に報いる」と約束したという。
診療報酬改定では本来、薬の公定価格である「薬価」の引き下げなどを通じて財源を積み上げ、本体の改定率を決めていく。ところが今回、厚労省は上層部も加藤氏から12日深夜に連絡を受けて初めて0・55%という数字を知ったほど。ある幹部は「数日後に決まると思っていた。完全に蚊帳の外だ」と嘆く。
診療報酬の引き上げは、医療費の膨張と税や保険料の国民負担増につながることから、財務省は秋ごろから本体のマイナス改定を強く主張。麻生氏も「本体に厳しく対応する」と強調してきた。
だが12日午前、麻生氏は官邸で首相と会談。横倉氏の顔を立てたい首相の意向に、最終局面で折れたとの見方が強い。財務省幹部は「完敗だ」と漏らした。

(共同通信)



この論法で考えると、賃金ベースアップの官邸から経済界への要望はどう理解すれば良いのでしょうか。
# by kura0412 | 2017-12-20 16:01 | 医療政策全般 | Comments(0)

医師の報酬上げ「総理の恩返し」

医師の報酬上げ「総理の恩返し」 議論なき決着

2018年度予算編成の大きな焦点だった診療報酬の改定率が18日の閣僚折衝で正式に決まった。医師らの技術料などは予想以上に伸ばす一方、薬剤費抑制で予算削減目標を達成するいびつさが浮き立つ。自民党の支援団体である日本医師会と政権の蜜月。負担のしわ寄せがくる企業や個人の視点は無視され、医療の効率化論議も押し流された。

「麻生大臣のもとで(改定が)できて幸せです。ありがとうございました」。18日の閣僚折衝。財務省大臣室で厚生労働相の加藤勝信(62)はていねいに頭を下げた。
「四捨五入すれば0.6%だ」。6日前の12日午後11時ごろ。財務相の麻生太郎(77)は日本医師会長の横倉義武(73)と加藤にプラス0.55%の数字を提示。2人がその場で受け入れ、決着したが、もともとこんな高水準で決まるはずではなかった。
その日の午前、麻生が向き合っていたのは首相の安倍晋三(63)だ。横倉とは安倍が若手で自民党の社会部会長(現在の厚生労働部会長)をしていた頃からの付き合いで密接な間柄。横倉は第1次安倍政権が倒れた後も安倍と会い、関係を維持していた。

横倉の顔を立てたい安倍に対し、麻生は前日固めていた「0.50%」からさらに10億円程度上積みし、0.51%で妥協点を探った。「横倉さんがいいというなら」と話す安倍。この瞬間、0.51%で決着かに見えた。
安倍・麻生会談が終わった日の午後、当の横倉は自民党本部で自民党幹事長の二階俊博(78)と会談した。二階は横倉の目の前でおもむろに財務省主計局長の岡本薫明(56)に電話をかけた。「自民党は大変選挙でお世話になった。よろしく頼むぞ」。決まりかけた0.51%は数時間後、「発射台」に変わっていた。
ここ数年、自民党で厚労行政の議論を取り仕切る政調会長代理の田村憲久(53)は0.51%以上のプラス改定ができる余力があることを知っていた。医療・介護の分野で過去に決めた歳出改革の効果が18年度に本格的に効き始めるからだ。田村からの連絡に意を強めた横倉は財務省に「0.7%が筋。最低0.6%」とハードルを上げ始めたのだ。
横倉にも事情がある。今年10月に世界医師会長に就任。来年の日医会長選で4選を狙う微妙なタイミングで改定率は高いほど助かる。地方の医師会では「納得いかない数字なら会長は退陣すべきだ」と圧力をかける幹部もいた。
最終的に麻生は「四捨五入で0.6」という形で折れた。「上積みは横倉さんが自民党が下野したときも裏切らなかったことへの総理の恩返し」。こう語る厚労省幹部もいる。安倍・麻生が完全に主導権を握り、決着当日、知らせがなかった自民党厚労族幹部もいた。
プラス改定自体は8月末からの既定路線だ。「麻生さんと横倉さんの関係を考えたらマイナス改定なんてできるわけがない」。早々と白旗を揚げていたのは財務省幹部。
安倍・横倉が緊密なら、同じ福岡県出身の麻生と横倉も親しい仲だ。横倉は麻生と関係が微妙な福岡地盤の古賀誠(77)ともともと距離が近かったが、麻生に接近。第2次安倍政権下での14年度と16年度の過去2回の診療報酬改定でも麻生と横倉は直接やりとりし改定率を決めてきた。
診療報酬改定で主要プレーヤーのはずの中央社会保険医療協議会は13日、報道で決着の事実を知り仰天した。45兆円の診療報酬の配分を決めるこの協議体は、日医など「診療側」と健康保険組合など保険料の「支払い側」が互いに意見表明し、段取りを踏みながら改定率を決めるならわしだ。
「我々が意見陳述する前に改定率が決まるなど前代未聞だ」。13日にマイナス改定の意見表明をするはずだった委員の一人、健康保険組合連合会(健保連)の幸野庄司(58)は憤慨した。

今回のプラス改定で国費600億円だけでなく、企業や個人が支払う保険料と病院窓口で払う患者の自己負担は計1600億円程度増える。
診療所の院長ら開業医の報酬は十分に高額で、それをさらに引き上げるべきなのか。経済力のある高齢者らの医療費負担を適正水準に上げてはどうか。こうした議論は影をひそめた。財政悪化で国民みんなが我慢すべき時代に、開業医らに配慮した改定がほんとうに必要だったのだろうか。
日本医師会は20万票ともいわれる医師の組織票に加え、多額の政治献金で自民党の政治家を支援している。「『横倉さん、こっちを向いて』という政治家たちの思惑の積み重ねが0.55%という数字をつくった。まっとうな政策の筋論などない」。財務省若手官僚はこう嘆くが、一体で動く政権と日医の前では戦うことすら許されなかった。(敬称略)

(日経新聞)



一元的に上辺の数字だけを語る日経らしい記事ですが、非常に面白い内容です。
ちなみに改定率は、医科+0.63、歯科+0.69、調剤+0.19%。従来の技術料の比率は堅持されました。
# by kura0412 | 2017-12-19 09:34 | 医療政策全般 | Comments(0)

(ミラーを片手に開業医の本音again)

(デンタルタイムズ21での連載が終了したに伴い、不定期でこのブログでオリジナルコラムを掲載します。)

診療報酬+0.55、介護報酬+0.54%

政府の来年度予算案が大詰めとなり社会保障予算の大枠がほぼ固まってきました。
今回の社会保障費における予算を定める中で、最初に大きな変更が成されました。その一つが2020年を目標としたプライマリーバランス0の目標を繰り延べたこと。もう一つが従来高齢者主体となっていな社会保障を全世代型に移行することでした。そしてその変更の伴い、消費税増税分用途の変更となりました。これをベースにして、従来あった社会保障全体にか掛けられえていた1300億円削減が課せられ、消費税増税先送りとなった社会保障改革プログラムの中で大きなイベントとなるW改定が始まりました。
今回の改定で的となったのは「薬」であり、その財源となったのは薬価差額であることはご承知の通りです。
まずオブシーボなどの高額薬の減額の深堀がされ、また、薬価改定も部分的ながらも毎年行えることとなりました。それに加え、門前薬局などの調剤に大きなメスが入り、その財源をもって、1300億円削減分+本体アップそして介護保険アップに割り当てた結果が、診療報酬+0.55、介護報酬+0.54%という結果となりました。社会保障費5000億、国費ベースで750億円増となる試算です。
果たして0.55でどれだけ改善されるかは分かりませんが、とにかくプラス改定に持ちこたえたことは評価すべきですし、政府としてもW改定を両保険共にプラスに持ち込めたのは安堵していると思います。但しこの改定で、薬価差額分を全て診療報酬へ振り分けることは完全になくなり他の政策の財源となる前例が出来てしまいました。
次なる注目は、従来の医科・歯科の技術料比率が保たれるのか、また、歯科が介護も含めて新たな方向性へ迎えられる前向きな貼り付けになるか移り、知恵の勝負となりました。
# by kura0412 | 2017-12-17 12:52 | コラム(連載) | Comments(0)

厚労省「▲1.19」財務省「▲0.9」

診療報酬改定率、数字にずれ 厚労省「▲1.19」財務省「▲0.9」

2018年度予算編成の焦点の一つだった診療報酬・介護報酬の改定率が15日、決着した。医師の技術料にあたる診療報酬本体部分は0.55%増、介護報酬は0.54%増となった。ただ薬価の引き下げ分を含めた診療報酬全体の改定率については、財務省と厚生労働省の間で数字にズレが生じている。

診療報酬は医療サービスの公定価格で、2年に1度見直される。介護報酬は介護サービスの公定価格で、3年に1度見直しており、来年度は6年に1度の同時改定にあたる。診療報酬本体のプラス改定は6回連続。介護報酬は12年度の前々回改定以来、6年ぶりの増額となった。国費ベースでそれぞれ600億円弱、150億円必要になる。
問題となっているのは診療報酬全体の改定率だ。
診療報酬は本体部分と薬や医療機器の公定価格である薬価部分からなる。薬の値段は販売競争によって公定価格より下がることが多く、2年に1度、市場での流通価格に沿って薬価を引き下げることで価格差を解消している。
現在、財務省と厚労省とで薬価引き下げの割合が異なり、全体の改定率も違ってきている。財務省は薬価の引き下げ幅をマイナス1.45%とし、厚労省はマイナス1.74%とする。診療報酬の本体部分はプラス0.55%とすることで一致しているため、差し引きした診療報酬全体の改定率は財務省がマイナス0.9%、厚労省がマイナス1.19%となる。
厚労省は来年度から始まる薬価制度改革によって捻出できた財源を含めた計算としており、財務省よりもマイナス幅が大きくなっている。厚労省には医療費抑制の効果を大きくみせたい思惑があるとみられる。ただ2つの役所の数字が異なれば、医療現場での混乱を招きかねない。両省の見解を擦り合わせる必要がある。

(日経新聞)



何故薬価引き下げの割合が異なるのか?よく分かりませんが、厚労省と財務省との考えが違うようです。
# by kura0412 | 2017-12-16 09:54 | 医療政策全般 | Comments(0)

弁護士と歯科医師

弁護士が「真面目に働く人ほど食えない」仕事になった理由

収入が激減し、資金繰りに困るがあまりに顧客のカネに手を付ける――最近、年配の弁護士を中心に、カネがらみの悪事で懲戒処分を受ける例が目立っている。

食えない弁護士たちがお客のカネに手をつける
「昔なら、預かり金に手をつけたところで、仕事はバンバン入って来た。だから短い時間であれば、何とか埋め合わせもできた。それに銀行に行けばカネも簡単に借りられた。でも、今は違う。仕事はないし、カネを貸してくれるところもない」
弁護士を廃業、引退した70代男性は、こう語る。仕事がなく、食えない――。最難関資格試験を突破したエリート集団であるはずの弁護士たちに、かつてならあり得なかったような苦境が訪れているのだ。
そのせいか、カネがらみの悪事に手を染めて懲戒処分になる弁護士が目立つようになった。2017年3月に発表された日本弁護士連合会(日弁連)の「弁護士懲戒処理数集計」によると、16年の弁護士懲戒件数は集計を取り始めた1950年以来、最多の114件を数えた。
この懲戒処分のうち、もっとも重い「除名処分」を受けた2人の処分理由は「依頼者からの預かり金を返さない」というものである。次に重い「退会命令」を受けた1人は「弁護士会費の滞納」というものだった。いずれもカネにまつわる非行だ。
前出の70代元弁護士の廃業理由も、ひとえに「収入がままならなかった」ことに尽きる。現在は、親が遺してくれた貸しアパートの賃料収入と年金で暮らしているという。
彼によると、少なくとも1990年代半ばくらいまでの時期であれば、「よほどうるさい依頼者」がいない限り、預かり金を流用しても、それが発覚することはなかったという。
当時は今と違い、弁護士報酬の支払いは現金一括払いが当たり前だった。依頼者から預かり金の返金を求められても、「いついつまでに振り込んでおきます」と言っておけば、1ヵ月程度なら約束の期限を過ぎても文句を言われることもなかったという。弁護士という職業への信頼からである。
「もし、今の時代なら、間違いなく懲戒処分モノ、除名だったでしょうね。それが避けられただけでも幸せかもしれません」(70代の元弁護士)
また当時は独立後も、かつてのボス弁に「なんかお手伝いできることありますか?」と聞けば業務を分けてもらえた。預かり金を一時流用しても、返せなくなるような事態に陥ることがなかったのだ。
しかし、今では仕事が不足していることに加えて、社会から弁護士に寄せられていた信頼も下降気味となり、こうしたドンブリ勘定は“アウト”となった。

弁護士は「清貧」であるべきなのか?
若い弁護士の苦境ばかりがクローズアップされるが、懲戒に関していえば、実は年配弁護士が多い。懲戒処分時の年齢を見ると、70歳以上がもっとも多く、以下、60歳~69歳、50歳~59歳、40歳~49歳と続いている。
業界環境が激変し、収入が大きく減少しても、生活水準はそうそう下げられるものではない。そうして資金繰りに困って廃業を選んだり、投資に手を出して失敗し、余計に資金繰りを悪化させてお客のカネに手をつけた、というようなケースも弁護士業界では、ちょくちょく耳にする話だという。
「法律家としての最後の矜持から、廃業を選びました。もし、そのまま弁護士を続けていたら、預かり金の横領発覚で、私も処分を受けていたでしょう。やはり、バッジには傷をつけたくなかった」(同前)

こうしたオールドスタイルの年長弁護士たちと対照的なのが、アディーレやMIRAIOのような、過払いバブルで大儲けをした新興弁護士事務所だ。
14年、兵庫県弁護士会所属の30代元弁護士が、顧客からの預かり金4000万円を着服したことが発覚し、懲戒処分を受けた。着服した元弁護士と法科大学院で同窓だったという若手弁護士は言う。
「カネもないのにイソ弁と美人のパラリーガルを何人も雇い、広告も派手に打っていた。しかし弁護士経験のない新人イソ弁では仕事は廻らない。ただ人件費と広告費だけが嵩む。結局、収入が支出を上回ることはなかったと聞いています」
もしかすると、先進的なイメージをアピールし、広告をバンバン打って多重債務者を集めたアディーレやMIRAIOのような“成功モデル”を真似しようとしたのかもしれない。
「弁護士は儲けていい仕事ではない!」。そう断言する弁護士もいるほど、オールドスタイルの弁護士たちは、金儲けよりも「正義」を強調する。一方、新興弁護士事務所の多くは、債務者の相談に時間をかけて乗るようなことをせず、ただ機械的に過払い業務をこなして儲けた。善悪を別にすれば、極めて効率の良い仕事ぶりである。
前出の、元弁護士の70代男性も、オールドスタイルの典型例だ。彼はこう話す。
「弁護士の仕事は機械的にできるものではありません。離婚調停ひとつとっても、そこには依頼者の思いがあり、また相手方の思いもある。それを最大限汲み取るとなると、時間が掛かる。しかし、2回、3回程度の調停で終わっても、10回調停をしても、報酬は同じですから」
また弁護士としてやりたいこともある。冤罪事件や医療過誤訴訟といった、個人ではとても弁護士費用が賄えない事件があれば、法律家の矜持にかけて、手弁当ででも駆けつけたい。ただ、こうした仕事をやればやるほど、収入からは遠のいていく。

食えない弁護士増加で弁護士自治に綻び
「書面の書き方とか法廷戦術とか、弁護士業務に関することはイソ弁時代に教えてもらえます。でも、個人事業主としての経営手腕とか資金繰りとか、そういうことは誰も教えてくれません」(同前)
法律家として腕を磨くことが最優先、金儲けは二の次――。一見、美しい矜持ではあるが、弁護士の数が少なく、それなりに食えていた時代だからこそ通用した話である。下の図を見ていただきたい。10年前と比べて弁護士数は約1.6倍。一方、弁護士の主な「食い扶持」である民事事件件数を見てみると、過払い返還バブル中の07~11年あたりは大きく増えたものの、現在はすでにバブルが弾けており、10年前と同水準にまで減少している。

いよいよ食えない弁護士が増えたからか、弁護士自治にも綻びの兆しが見えている。関西の「単位会」と呼ばれる都道府県弁護士会で副会長経験のある弁護士は、「懲戒処分を軽く見る弁護士が増えてきた印象がある」と指摘する。
懲戒処分には、実質的に弁護士の身分を失う「除名」や「退会命令」といった重いものから、「業務停止」や「戒告」といった、軽めのものまである。そして、弁護士の身分を失わない業務停止、戒告といった処分は、「ペナルティとして機能していない」(懲戒処分を受けた経験のある50代弁護士)ところがあるのだという。
たとえば、先のアディーレ事件で下された業務停止処分は、その期間中には弁護士業務が行えず、処分が明けてからも、弁護士会や地方自治体主催の相談会に3年間は呼んでもらえない。さらに、所属弁護士会のある裁判所、検察庁にも知らされる。戒告も同様で、弁護士会主催の相談会に3年間は呼んでもらえない。また、弁護士会の役員選挙への出馬も「遠慮しなければならない」(前出の弁護士)。
しかし、「弁護士会で行っている委員会活動とか、役員選挙とか、そういうのに興味なければ別に困ることはありません。無料相談会に呼ばれなくても、自分で仕事を取ってくる弁護士なら、これによる不都合はない。収入のある弁護士なら痛くもかゆくもありませんよ」(同)

弁護士会も不要!?不満をためる弁護士たち
さらにラディカルな弁護士になると、「性犯罪や横領はもちろんNGですが、顧客のために敢えてルールを冒した、というような懲戒なら、むしろ“勲章”ですよ」と話す。この弁護士は懲戒処分歴が2回あるが、処分理由をきちんと顧客に伝えたことで、逆に顧客が増えたのだという。
過去の事例を見てみれば、たとえば、訴訟時に相手方に暴言を吐いたなど、「依頼人のために無理をした」がための懲戒処分例も、確かに見受けられる。
今後も、自力で顧客を開拓できる、言わば「経営センス」のある弁護士を中心に、既存のルールにとらわれない動きがますます増えていくだろう。そして、前出の50代弁護士は、「もはや、弁護士会など意味をなさない」とし、次のように語った。
「もう弁護士会などなくして、弁護士は国に直接登録制にしてしまえばいい。弁護士会は強制加入ではなく任意団体とすれば、処分などはなくなります。確かに横領はよくないですよ。でも、その横領をした弁護士も含めて年配の弁護士ほど、実は、依頼者と向き合ってきたのが事実です。重すぎる弁護士の権威を崩したほうが、実は、市民に寄り添った司法が実現できるのではないでしょうか」
金儲けを軽視し、ひたすら依頼人のためを貫くという「弁護士ムラの掟」に従えば、確実に食えなくなる――そんな不満の矛先が、弁護士会や弁護士自治に向いているのだ。
そもそも弁護士自治とは、戦前の暗い時代、国にとって都合の悪いことを言う弁護士に対して、国が監督権を振りかざして縛ったという、苦い経験の反省から生まれたものだ。それを否定する弁護士が多数登場すれば、現行の司法のあり方は崩壊してしまうだろう。
そしてもし、司法が悪しき方向に変わっていけば、戦前のように、私たち市民の権利が時として守られないという恐ろしい事態にもなりかねない。
食えない弁護士の急増は、日本の司法を揺るがすほどの大問題に発展する可能性を秘めているのだ。

(DAIAMOND ONLINE)



需要と供給のバランスが極端に崩れるとこうなるのですね。どこかの世界も同じです。
# by kura0412 | 2017-12-14 12:22 | 社会 | Comments(0)

最期までの健康を実現するには、歯磨きは10分以上かける

高齢になったら夫婦で海外旅行には行くな

「最期まで健康」を実現する術を満載
来るべき超高齢化社会には、多くの課題が待ち受けている。それらはどれも複雑な要素を含んでおり、ひとつの学問でそれらに対処し、解決するのは難しい。そこで求められるのが、医学、看護学、経済学、倫理学など、さまざまな分野を横断し、知を結集させた新しい学問体系だ。それを構築するべく、2009年、東京大学に設置されたのが、高齢社会総合研究機構である。
「東大中の学部から約40人の先生が集まって、研究を始めました。創設時から手がけているのが、東大のキャンパスがある千葉県柏市の住宅団地をモデルにした、高齢社会対応の街づくりです。さらに学生や市民の学習のため、高齢社会に関する基礎知識をまとめた『東大がつくった高齢社会の教科書』をつくりました」(機構長・大方潤一郎氏)

高齢化が進むにつれて、注目されるようになった概念に「健康寿命」がある。
ただ長生きするのではなく、最期まで健康で楽しく人生を生き抜こう、という発想である。これを定年後の世代に実現してもらうため、具体的な生活ノウハウを盛り込んだ指南書として『東大が考える100歳までの人生設計』も出版した。
「健康寿命を延ばすには、体幹の腸腰筋を鍛えることがポイントです。ここが衰えると歩く姿勢が悪くなって、腰痛や膝痛が生じたり、転倒骨折しやすくなり、運動障害から要介護・寝た切りとなるわけです。正しい『食う・寝る・遊ぶ』、つまり適切な食事と運動と休養によって、腸腰筋を維持し、血管の老化を防げば、運動障害・脳卒中・認知症の『要介護3大リスク』を避けることができます」(同)
筋肉を維持するには、「食う」ことでタンパク質を十分に摂ることが不可欠だ。しかし質の悪い肉は脂肪過多になりやすいため、大方氏は、牧草を食べて育った牛肉か羊肉、魚の摂取を勧める。
そして健康を維持するためには十分な休養が必要で、そのためには安眠すること。昼寝は避け、量を控えた夕食を早めに摂り、寝床で考えごとをしないように心がける。
運動も筋肉の維持に効果的だ。電車通勤をしている間は、自然と体を動かすので筋力はそれほど衰えない。注意すべきは、退職後だという。
「65歳ぐらいになると、毎年5~10%ずつ筋力が落ちていく。膝や腰が傷みやすくなっても、すぐ薬に頼ってはいけません。普段からの運動で、コンディションを整えておきましょう。といっても毎日1万歩歩くなど無理な目標を立てるのではなく、仲間と楽しみながら長く続けることが大切。頭と心の運動も重要で、それを私は『遊ぶ』と表現しています」(同)
健康寿命を延ばすための方法は、これだけに留まらない。研究機構が推奨する、10のトピックを紹介しよう。

最期まで健康に生きるための“東大流”メソッド
▼夫婦で海外旅行には行かない
高齢になってからは、夫婦での海外旅行は避けるべき。妻は旅先でも夫の身の回りの世話をし、食事も口に合わないうえ、ホテル代、飲食代が高くつきストレスになる。代わりに、造り酒屋探訪や蕎麦屋めぐりなど自分なりのテーマを持って全国を旅して回るのがよい。
▼マッサージに頼るな
四十肩、五十腰をはじめ加齢による肩、腰、膝の痛みは薬やマッサージでは治らない。肥満を改善し、筋肉を増やすための食事と、筋力のバランスを回復するための運動でケアする。疲労をためないよう休養もとる。運動は、ジムや施設で専門家の指導を受けて行う。
▼姿見で全身を眺めよう
下着姿になって鏡に全身を映し、姿勢と腹の出具合をチェック。姿勢が左右に傾いていたり、猫背になったりしていないか見る。美しく健康的な姿勢を保つには、腰から太もものあたりを支える大腰筋と腸骨筋を鍛えることが重要。腰痛や肩こり、肥満が改善される。
▼まめにはがきを送る
友人や知人とのコミュニケーションには、メールよりも人間味のある、手紙や絵はがきを送るべき。特に用事がなくても、ふとした想いを伝えること。美術展に行ったときなどに気に入った絵はがきを買い、自宅に常備する。1セットだけだと送るのが惜しくなるので、複数のセットを購入したい。
▼蕎麦を食べるゆでるときは大鍋で
アミノ酸バランスがよく、ビタミン、ミネラル、食物繊維も豊富な蕎麦は完全食品。もりそばを1日に5枚食べれば、必要なタンパク質を摂ることができる。ゆでるときは、麺がこすれて痩せないようにゆるゆると沸騰させ、ゆであがりは氷水で10度程度に冷やす。大きい鍋でゆでるとおいしくなる。
▼夫婦の寝室は別々に
リビングなどの家族と一緒に過ごす場と個人の場を別に確保する。定年後は家にいる時間が長くなるため、四六時中夫婦で一緒にいるとストレスがたまる。また、連れ合いのいびきや夜中のトイレにより安眠が妨げられるのを防ぐため、夫婦の寝室は別室にする。
▼ペットを飼って癒やされる
ペットとの暮らしは、血圧やコレステロール値を下げる。さらに散歩をすることで足腰が鍛えられることも。だが、ペットの医療費は10万円単位の出費となる可能性もあるのでペット保険に加入する。自分が先に逝く場合に備え、「ペット信託(R)」を検討するのもよい。
▼乗るべきは小さな高級車
加齢とともに面倒になる車の運転。視野が狭まり、動体視力も衰え、動作に移すまでの時間がかかるようになる。お勧めは、質のいい、小さな高級車。小さくて軽い分だけ燃費もよく、税金も安い。遠出の際にはレンタカーやカーシェアリングなどを利用する手もある。
歯磨きは10分以上かける
歯と歯茎の不調は命に関わる。特に歯周病を予防するため、ブラッシングは歯周ポケットのゴミをかき出すことがコツ。歯ブラシは毛が細くて柔らかく、ブラシの部分が小さいものを選ぼう。歯間ブラシ、マウスウオッシュを併用し、朝と寝る前に10分以上かけて手入れをする。
▼モテるために、聞き役に回る
生きている喜びを感じるためにトキメクことも大切。妻と月1回はデートをして、独り身の場合は異性との出会いを探す。モテるためには、相手の話をよく聴く。話す時間は、相手が8割、こちらは2割が目安。髪や歯、爪の手入れをして清潔感を保つこともポイント。

(PRESIDENT ONLINE)



こんな観点から展望を考えて一大プロジェクトとして取り組めば、歯科にも流れが生まれるはずなのですが・・・
# by kura0412 | 2017-12-11 09:12 | 歯科医療政策 | Comments(0)

口のケアできる人材増やす研修制度・厚労省

口のケアできる人材増やす 厚労省が研修制度

お年寄りらの口腔(こうくう)ケアをするスタッフへの新たな研修制度を厚生労働省は創設する。
歯科医師や歯科衛生士がいない現場でも専門的なケアができるよう、病院や介護施設の看護師や介護スタッフに学んでもらう。最期まで口から食べることの支援や誤嚥(ごえん)性肺炎を減らすことにつなげる狙いがある。

「高齢者こそ肉食を」 貧血防ぐ食事の注意点は
研修は、歯科医師や歯科衛生士が講師を務める。患者らが自分でうまく出せないたんを専用のジェルを使って除去する、食事や会話が続けられるよう器具を使い口の周囲の筋肉を鍛える、といったケアの方法を教える。病気ごとにケアをする際の注意点を伝えることも想定する。
厚労省は来年度、この研修に約1億円を充て、実施する自治体に経費の半額を補助する方針。厚労省によると、2014年時点で歯科の診療科がある病院は全国で約2割。介護施設などを訪問する歯科医師や歯科衛生士のニーズは高まっているが、その数は追い付いていない。新たな研修制度によって適切なケアができる施設を増やしていく。
口の中には多数の常在菌がいて、唾液(だえき)にまじって気管内に入ると、誤嚥性肺炎の原因になる。要介護者への口腔ケアは、肺炎の発症を抑えることがわかっている。また、口腔ケアが入院期間を短縮させるという報告もある。歯科医師らによる専門的なケアを受けた患者と一般的なケアを受けた患者を比べると、専門的なケアを受けた患者は10~20%程度、入院日数が短かった。

(朝日新聞)



この制度が導入されること自体は非常に有用です。しかしながら、その次の展開に描く構想がどんなものかによっては、逆に歯科ははいよされる恐れがあります。その考えを知りたいです。
# by kura0412 | 2017-12-09 09:02 | 歯科医療政策 | Comments(0)

『何かを削る』ではなく、公的な保障として『何を守るのか』と発想を転換すべきだ

皆保険守るための取捨 将来にツケ回さぬ
砂上の安心網 2030年への責任

病気やけがをしても実際の治療費の1~3割のお金を支払えば誰でも治療を受けられる。取材班も「当たり前」と思っていた国民皆保険制度は瀕死(ひんし)の状態に陥っている。
「3万円の高級スキンケアより効果あり!?」「最強の保湿剤が格安で手に入る」という情報がインターネットなどで流布している。「ヒルドイド」というアトピー性皮膚炎などの薬だが、ネットでは「医師に処方してもらえば300円程度で入手可能」と勧める。
最近の処方量を分析した健康保険組合連合会は「化粧品代わりに処方してもらうことが流行している可能性が高い」とみている。
湿布も大量に医療機関で処方されている。取材班が調べたところ、2014年度に53億枚以上が処方され、金額は約1300億円。原則1割負担で入手できる75歳以上への処方が半数を占めていた。
格安なのは健康保険から9~7割が支払われているから。「少し多めに処方してほしい」。薬局で買うより圧倒的に安いため、軽い気持ちでお願いした覚えはないだろうか。

そんな「当たり前」はもう通じない。
15年度に健康保険の対象となった医療費は年約42兆円。このうち患者の負担は1割強で済んでいるが、残りは主に働き手が負担する保険料と国や地方の税金で賄っている。年数千億~1兆円近く増え続けており、働き手の負担増や国などの税収増には限りがある。
1年間連載を続けた取材班は「国民皆保険は守るべきだ」という思いをさらに強くしている。「自分や家族が重い病気になる」と考えている人は少ない。予想外の事態を前に皆保険で救われた人を取材し、さらに記者本人や家族も安心して治療を受けられた経験があるからだ。
どうすればいいのか。厚生労働省は薬剤費の毎年改定で最大年2900億円の削減効果があると試算。それでも医療費の急増に対して薬剤費の価格を下げるだけでは焼け石に水だ。
診療報酬の配分を決める厚労省の審議会で公益委員を務めた慶応義塾大学の印南一路教授は「『何かを削る』ではなく、公的な保障として『何を守るのか』と発想を転換すべきだ」と説く。そして守るものとして生命と自由を挙げる。
印南教授らは現在の医療費から試算し、生命を守るため致命的な病気を治す「救命医療」は24.2兆円、自由を守るため重症化を防ぐなど「自立医療」は11.8兆円が必要とはじく。現状との差額の数兆円分については「湿布などを含め保険対象から外すことを議論すべきだ」とする。
これまでの「当たり前」はすでに将来世代への借金で支えられている。団塊の世代が80歳以上となる2030年でも皆保険を守るためには痛みを伴う選択肢しかない。将来にツケを回さないように国民皆保険の線引きを決めるのは今だ。

(日経新聞)
# by kura0412 | 2017-12-05 12:00 | 医療政策全般 | Comments(0)

ドラッグストアが医療保険大手を買収

米ドラッグ店CVS、医療保険大手を7.7兆円で買収

米ドラッグストアチェーン大手のCVSヘルスは3日、米医療保険大手のエトナを690億ドル(約7兆7800億円)で買収することで合意したと発表した。薬局と医療保険の一体化で、製薬会社への価格交渉力を高める狙いがある。

ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムが処方薬の販売に乗り出すとの観測も、大型買収を後押ししたとみられる。
統合完了は2018年後半を予定する。17年に明らかになった企業買収で最大規模とみられる。
CVSは米国内に約9700店舗を持ち、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスと並ぶ2大ドラッグストアとして知られる。店舗では食品や生活必需品とともに、処方薬の調剤も受け付けている。アマゾンの参入が噂されるなか、足場を固める必要があった。

一方のエトナは規模を拡大するため、15年7月に同業のヒューマナの買収計画を発表していた。しかし、市場の寡占化が進み、消費者の利益につながらないとして独占禁止当局から承認を得られず、17年に入って計画の破棄で合意していた。
エトナなど米医療保険会社は10年に成立した医療保険制度改革(オバマケア)によって健康状態の悪い加入者が増え、利益率が低下。保険会社どうしの合併によるコスト削減を模索していたが、エトナは薬局との「垂直統合」に戦略を切り替えた。トランプ米大統領はオバマケアの大幅見直しを模索している。
CVSによるエトナの買収交渉は今年10月に米メディアの報道で明らかになった。3日発表した1株当たりの買収額は報道前から約3割高い水準の207ドルで合意した。

(日経新聞)



アメリカですね。ドラッグストアと医療保険のコラボではなく、医療介護での違う分野でのコラボは日本でもあるかもしれません。
# by kura0412 | 2017-12-04 12:30 | 経済 | Comments(0)

朝日新聞の情報ですが・・・

診療・入院料引き上げへ 報酬改定、薬価下げ財源

来年度の診療報酬改定について、政府は診察料や入院料などの公定価格となる「本体」部分を引き上げる方針を固めた。薬代の「薬価」の引き下げで、高齢化に伴う社会保障費の自然増の抑制目標達成にめどが立ち、財源が確保できる見通しとなったためだ。
診療報酬は2年に1度見直される。引き上げれば医療機関の収入が増え、財源の公費や保険料、原則3~1割の患者の窓口負担も増える。政府はすでに、本体と薬価から成る診療報酬全体はマイナスとする方針を決めており、医師らの人件費などに回る本体の扱いが焦点となっていた。

政府は来年度予算で、社会保障費の自然増を5千億円ほどに抑える目標を掲げる。達成には1300億円ほど削る必要があり、薬価の引き下げでどれだけ財源を確保できるか精査してきた。薬は仕入れ値が徐々に下がるため、薬価は改定のたびに下がる。直近の調査で実勢価格が公定価格より10%前後低く、1千数百億円捻出できるとわかり、達成が確実となった。
本体の引き上げは6回連続で、具体的な改定率は年末までの予算編成作業で決める。1%上げるには約1200億円の国費が必要で、患者の窓口負担も約600億円増える。前回2016年度改定の0・49%が一つの基準となりそうだ。
本体をめぐっては財務省や医療費を払う側の保険者団体などが引き下げを要求。一方、医療団体は厚生労働省の昨年度の調査で病院の利益率がマイナス4・2%の赤字だったことや、安倍政権が財界に3%の賃上げを求めていることから引き上げを求めている。政府は本体の引き上げで、安倍政権を支持する日本医師会に配慮する思惑もあるとみられる。

(朝日新聞)



昨今、フェイクニュースで話題が多い朝日新聞の情報ですからどうなのでしょうか。
# by kura0412 | 2017-12-04 11:05 | 医療政策全般 | Comments(0)

食事指導や受診促進で医療費抑制

2018年度 同時報酬改定 糖尿病性腎症 重症化防ぎ医療費抑制 食事指導や受診促進で

高齢化を背景に増え続ける医療費。1年間に全国の病院へ支払われた医療費の総額「国民医療費」は、30年間で倍増し、2015年度には42兆円に達した。伸びを抑制するため多くの自治体が取り組むのが、糖尿病の進行に伴って生じ、人工透析の要因となる「糖尿病性腎症」の重症化予防だ。国は地域によって大きく異なる医療費のデータを示し、取り組みを促す。

「ラーメンを食べるなら野菜を入れたら栄養バランスがよくなりますので、食べても構いませんよ。ただスープは飲まないでくださいね」。10月中旬、糖尿病患者を対象とした東京都荒川区の栄養相談。主治医の紹介で訪れた70代女性に、管理栄養士が助言した。女性は「ラーメンは大好きなんだけれど、カロリーが高いと思って我慢していました」と笑みを浮かべた。
糖尿病は年齢が上がるほど患者が増える傾向にあり、高齢化の進展とともに増加の一途をたどる。厚生労働省の調査によると、16年時点で過去最多の約1000万人。調査を始めた20年前と比べ、約310万人増えた。透析を受ける人も増え、日本透析医学会によると15年末時点で約32万人に達している。最も多いのが糖尿病性腎症で、約4割を占める。
自治体が糖尿病性腎症の重症化予防に取り組むのは、適切な食習慣を続ければ予防できることに加え、透析を始めると医療費が1人年間500万円と高額になるためだ。
荒川区は全国の中でも、早くから重症化予防に取り組んできた。栄養相談の他に、区の国民健康保険では、受診記録に当たる診療報酬明細書(レセプト)や特定健診のデータから病名や投薬状況を分析して透析が必要になる恐れの高い人を見つけ、主治医と連携しながら個別に半年間の保健指導を実施している。

厚労省も、こうした取り組みを広げるため16年に「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を策定し、各地でプログラムを作って対策を始めるよう促した。
長野県はいち早くプログラムを作った。同県では糖尿病性腎症が悪化して透析を始める人は年間約240人。特定健診とレセプトのデータから、糖尿病性腎症の進行度の目安となる「ヘモグロビンA1c」の血中濃度が高いのに未受診だったり治療をやめたりした人に、市町村職員が電話や自宅訪問をして健康診断の受診を勧めている。医療費削減効果は透析を始める人をゼロにできれば最大11億8000万円になるという。
同県松本市は、薬剤師にも協力してもらうユニークな事業を15年から始めた。医師と患者との相談の上で、「減塩しょうゆを使う」「食後にお菓子を食べない」などの実現できそうな目標を立て、かかりつけの薬剤師が月1回面談して目標達成をサポート。2年間で計29人が参加し、現時点で参加前より腎症が重症化した人はいないという。
同市の国民健康保険は、被保険者の高齢化に伴う歳入不足のため、16年度に保険税率を引き上げている。担当者は「医療費の抑制、適正化のためには、できることは何でもやっていかなければいけない状況だ」と危機感をあらわにする。

「地域差」半減目指す 達成できれば2兆円超削減
都道府県ごとの医療費に地域差があることは以前から言われており、医療費の高い地域は、人口当たりの医師・病床数が多い▽人口当たりの糖尿病や肝臓病患者が多い--などが共通している。
政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は2015年、医療費の地域差を半減するよう提言した。医療費削減効果は、1人当たり医療費が最少の千葉県(当時)に対する各都道府県の差額を半分にすれば、2兆1600億円になると試算した。
医療費削減のため国は人工透析や磁気共鳴画像化装置(MRI)の撮影件数などデータの「見える化」を進め、どこで差が生じるかもわかるようになってきている。
厚生労働省によるとさらに、同じ月に複数の医療機関から同種の薬を処方される人や、多種類の薬をもらっている人の割合にも都道府県差があることが判明している。

厚労省は、自治体と医療機関が連携して取り組みやすい、糖尿病性腎症の重症化予防▽薬の重複投与防止▽後発医薬品の使用率向上--などにより地域差の縮減を目指しており、都道府県に主体的な役割を求めている。

(毎日新聞)



この視点で取り組めば歯科からの要望は認めてもらえるはずなのですが。
# by kura0412 | 2017-11-30 11:15 | 医療政策全般 | Comments(0)

ピンピンコロリの条件に

「ピンピンコロリ」を実現する5つの習慣

長寿国・日本の現実は「寝たきり大国」だ。ほかの国に比べて「ピンピンコロリ」は少なく、「ネンネンコロリ」が際立って多い。なぜなのか。そして、「ピンピンコロリ」を実現するための5つの習慣とは――。
日本は世界でも指折りの長寿国として知られています。しかし、その実態は、最期まで元気に活動して天寿をまっとうするピンピンコロリ(PPK)は少なく、男性は平均9年、女性は同12年も介護された末に死んでいくという、ネンネンコロリ(NNK)が他国に比べて際立って多い「不健康長寿国」なのです。

病院は決して安全な場所ではない
なぜでしょうか。最大の理由は、病院などの病床数の多さにあります。日本では人口当たりの病床数がアメリカの4倍以上あり、患者の入院期間も3倍近く長いのです。
病床数が多ければ、いざというときすぐに入院できるので安心だと日本人は考えがちですが、後期高齢者の場合、病院のベッドで点滴の針を刺したままトイレにも行かず過ごしたら、間違いなく寝たきりになるでしょう。ベッドがたくさんあってすぐに入院できる一見理想的な環境が、逆に寝たきりの高齢者を増やしている。これが日本の現実です。
また、これも多くの人は誤解していると思いますが、病院は決して安全な場所ではありません。病院に近づけば医療事故や薬害などの危険にさらされます。
たとえば肝臓がん。酒の飲みすぎが原因だと思われがちですが、男性の肝臓がんによる死亡率を見ると、新潟、岩手、秋田など酒どころといわれる県では低く、比率の高い福岡や大阪の3分の1程度でしかありません。実は、肝臓がんは飲酒ではなく、医療事故によるC型肝炎ウイルスの感染が最大の発症要因なのです。
医療事故がどれくらい起こっているか知ったらびっくりすると思います。EUの公式資料によれば、病院の医療事故で死亡した人数は年間約15万人。そのため、EU域内に住む人の約53%が、病院は危険なところだと認識しています。
わが国の実態は公表されていませんが、数十万人規模での医療事故や薬害が起こっていると思われます。

歯科医にはこまめにかかったほうがいい
では、どうすればNNKを避け、PPKを実現できるのでしょうか。それはなんといっても医師に頼りすぎず、自分の健康は自分で保つのだという気概が持てるような支援環境を公的に整備することです。そのうえで各種の情報を調べ、納得のいく治療を受けるようにしましょう。
一方で、歯医者さんにはこまめにかかったほうがいいようです。私たちの調査では、「かかりつけの歯科医師がいる」と答えた人が長生きでした。どんなメカニズムが働いているのか明確なところはわかりませんが、私は次のような仮説を立てて追跡調査をしています。
まず、歯科医の支援を受けることで望ましい口腔ケアの知識が得られ、高齢になっても歯と口の健康を保つことができる。食は生きることの基本ですから、歯や口が健康であることには大きな意味があります。また、定期的なケアを受けるため、歯医者さんへ「お出かけ」していることも健康長寿には望ましいのです。

「ピンピンコロリ」を実現する5つの習慣
生活習慣という切り口から見ると、次の5つの習慣を身に付けることがPPKには大事だということがわかってきました。

1、運動。毎日やらなくても週に1回運動していれば、生存率がかなり高くなることが証明されています。
2、質のいい睡眠。
3、朝食。食べないと脳や身体機能が活性化しません。その際、納豆、ヨーグルトなどの発酵食品を食べ腸内細菌を増やして体温を高めると免疫力が高まり、がんになりにくくなります。
4、禁煙。発がん物質を含むたばこは百害あって一利なし、確実に寿命を縮めます。
5、適度な飲酒。私たち研究チームが高齢者1.3万人を対象に3年間追跡調査したところ、男性では毎日飲酒する群、女性では週に1、2回飲酒する群の死亡率が最も低く、逆に死亡率が高かったのは男女とも「ほとんど飲まない」と回答した人たちでした。

「地域活動にも積極的」がPPKの必須条件
日本では多くの人が誤解しているのがコレステロール値の評価です。高コレステロール群と低コレステロール群では、明らかに前者のほうが長生きです。コレステロールはビタミンDや細胞膜、がん免疫細胞の材料であり、体の中で重要な役割を担っています。その一方、コレステロールを下げる薬の服用により死亡率が高まることが証明されています。
環境や住居も健康長寿に大きな影響を与えます。都市部よりも長野県のような地方で平均寿命が長いのは、水や空気がきれいだというのも理由のひとつ。夏になるとホタルが乱舞するなど、多様な生物が生きられるところでは、人間も長生き。考えてみたら当たり前のことなのです。
日本では毎年約1万7000人がヒートショックで亡くなっていますが、風呂場が寒すぎるなど家の中の温度較差が原因です。これは住宅の断熱・気密性能を向上させる無垢材の活用で改善します。また、クロス張りの壁を珪藻土や土壁に変えればホルムアルデヒドなどの害がなくなり、湿度調整もうまくいくため睡眠の質が高まります。こうした住環境の良質化もPPKのためにはぜひ取り組みたいポイントです。
そして、忘れてはならないのが心の健康。年をとっても生きがいを持ち、地域や趣味の活動にも積極的に参加しているというのはPPKの人の特徴であり、必須条件だともいえます。65歳を過ぎても生きがいを持って働くというのも、要介護にならないための賢明な選択だといっていいでしょう。

これがピンピンコロリの条件だ!
・かかりつけの歯科医師を持つ
・口腔をケアし良好な状態を保つ
・やや太めの体形である
・総コレステロール値が高い
・お出かけが好き
・断熱に優れ土壁を使った健康住宅に住む

首都大学東京名誉教授 放送大学客員教授 星 旦二
1950年、福島県生まれ。福島県立医科大学卒業。医学博士(東京大学)。東京都衛生局、厚生省、英ロンドン大学留学などを経て現職。著書に『ピンピンコロリの法則』『新しい保健医療福祉制度論』など。

(PRESIDENT ONLINE)
# by kura0412 | 2017-11-24 10:53 | 医療全般 | Comments(0)

歯科の技術料は90%

門前薬局の報酬下げ、かかりつけ機能を重視 調剤報酬を抜本改革へ 

厚生労働省と財務省は2018年度予算編成で、薬剤師の調剤行為に支払う調剤報酬を見直す。近接する特定の病院への依存度が高い「門前薬局」の報酬を下げ、地域のかかりつけの薬局への報酬を手厚くする。利益重視になりがちな門前薬局に薬の重複投与の防止などへの取り組みを促し、医療費の抑制につなげる狙いだ。

16年度末時点で全国5万8678の薬局のうち過半が、特定の病院からの処方箋に頼る門前薬局。病院内の薬局に比べ手厚い報酬を得られ、全国で急増している。ただ地域に根ざし、様々な病院に通院する患者の飲み合わせを管理する「かかりつけ」の機能を果たしていないとの批判がある。
両省は16年度、特定病院に処方箋が集まる大規模な門前薬局の報酬を下げたが、減額になった薬局は全体の10%。今回は小規模な門前薬局や、病院の敷地内の「門内薬局」の報酬も下げる。かかりつけ機能を果たす薬局の報酬は厚くし、メリハリをつける方針だ。
また後発薬の普及へ報酬上の加算も見直す。後発薬の調剤割合が「65~75%以上」の場合に報酬を上乗せするが、両省は対象を「75~85%以上」に引き上げる方向だ。
処方薬の金額が同じでも、門前薬局など病院外で処方される際の技術料は、病院内の処方に比べ3倍ほど高い。患者負担は大きくなる。
高齢者の薬の飲み残しは年間500億円分とされ、無駄は多い。薬剤費や薬剤師の技術料にあたる調剤医療費はこの10年で6割増えた。調剤報酬を見直せば、数百億円規模の医療費抑制につながる可能性がある。

(日経新聞)


http://www5.cao.go.jp/keizaishimon/kaigi/special/reform/wg1/291108/shiryou1-5.pdf#search=%27%E8%AA%BF%E5%89%A4%E5%A0%B1%E9%85%AC%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E6%94%B9%E5%AE%9A%E7%8E%87%E3%81%AE%E8%A8%AD%E5%AE%9A%27
(「調剤報酬に対する改定率の設定」で検索してください。)


今回の改定で調剤にはメスが入りそうですが、ネットでいろいろ検索していると上記の資料が面白いことが分かりました。
財務省からの提出資料の中に「調剤報酬に対する改定率の設定」という項目に、診療報酬の構造として、医科・歯科・調剤の技術料の割合が示されており、それが80、90、20%と示されていました。
歯科の技術料90%です。これでは歯科だけが一向に改善されないわけです。
# by kura0412 | 2017-11-17 15:02 | 歯科医療政策 | Comments(0)

フレネミー

フレネミーを知ってますか(一目均衡)

ソニーの吉田憲一郎副社長によると、米ビジネス界の今の流行語は「フレネミー」だという。似たような趣旨で「コペティション」という言葉もよく使われるそうだ。この2つの単語がどんな意味か、察しがつくだろうか。
フレネミー(frenemy)とは友達(friend)と敵(enemy)を合成した言葉で、ビジネスの文脈では、競争相手でありながら同時にパートナーでもある関係性を指す。コペティション(coopetition)も同様に競争(competition)と協力(cooperation)を結びつけた言葉で、やはり競争しつつも協力もするという多面的な関係を意味する。

ソニーにとってのフレネミーは誰か。吉田副社長によると、例えばネット動画配信の米ネットフリックスがそれに当たる。ソニー傘下にドラマ製作のソニー・ピクチャーズ・テレビジョンという会社があり、そこの最大顧客の一つが自社ブランドコンテンツの作製に膨大な予算を注ぎ込むネットフリックスだ。同社の配信で世界的にヒットした連続ドラマの『ハウスオブカード』や『ザ・クラウン』を実際につくったのは、実はソニーだ。
一方で両社は競合関係にもある。ソニーはゲーム機の「プレイステーション4」経由で、お茶の間のテレビに映画やアニメを届ける有料サービスを展開しているが、これはネットフリックスの牙城の動画配信市場への挑戦に他ならない。
目を凝らせば、フレネミー関係はビジネス界のいたるところで観察できる。世界最大級のフレネミーは米アップルと韓国サムスン電子だろう。両社はスマートフォン市場で激しくぶつかる一方で、薄型パネルやメモリーなどの部品では相互依存の関係にある。自動運転技術をめぐっては、自動車とIT(情報技術)の世界を代表するトヨタ自動車やグーグルの間にもフレネミー的関係が形成されるかもしれない。

直接の接点がないフレネミーもある。国内のタクシー業界は、米ウーバーテクノロジーズなどが展開するライドシェアサービスの「日本上陸絶対阻止」を掲げ、街頭デモに繰り出さんばかりの勢いだ。
その一方でライドシェアが打ち出した新機軸を取り入れ、同じ方向にいく見知らぬ客同士が1台のタクシーを利用する「相乗りサービス」の実用化に動き始めた。タクシー業界の敵視するライドシェアサービスは、実はタクシーの進化の方向を示してくれる「友人」ないし「教師」のような存在かもしれない。
フレネミー時代に必要なのは、他社との関係を適切にマネジメントする能力だ。どの領域で相手の力を借り、どの領域で競争するかを分かりやすく定義し、自社の強みを最大限発揮できるような「関係性の網の目」をつくる。それが経営者の役割である。

(日経新聞)



歯科でのフレネミーとなると医科、調剤となるのでしょうか。
# by kura0412 | 2017-11-07 09:36 | 経済 | Comments(0)

次期改定のターゲットは

薬局が病院の周りにやたらと溢れかえる事情結局、
患者の薬代負担を増やした政策の是非

「何でこの薬局を選んだのかだって?そりゃ、いちばん近かったからパッと入っただけだよ。それ以外の理由は特にないねえ」。そう話す70代の男性が通う東京都立墨東病院は、墨田、江東、江戸川3区で唯一の救命救急センターを備える、東京都東部地区の中核病院だ。外来患者は1日平均約1400人。病院の外来入り口から緩いスロープを30メートルほど歩くと、細い道を挟んだ向かいに6店の薬局が目に入る。

目につく違いは看板の色ぐらい
「処方せん受付」「保険薬局」・・・・・・、掲げている内容はどこも同じで、目につく違いは看板の色ぐらいだ。男性は横断歩道をわたってすぐの、病院正門から最も近い薬局に入ったが、ひとえに「近さ」がここを選んだ理由だという。正門真正面の2店の薬局は、5~15人ぐらいの患者で待合室は満席が続いていた。他方で、少し奥まった立地だと、まばらな客入りの薬局もあった。同じ薬局から出てきた70代の女性は病院への不満を募らせていた。「もう何年も通っているが、いつも処方箋をもらって薬局に行って、また会計で病院に戻るなど、行ったり来たりの繰り返しで疲れる。なぜ病院で全部済ませてくれないのかと、ずっと思っている」。病院内にはこう掲示されている。「当院では厚生労働省が推進する医薬分業に沿い、原則、すべての外来患者さんに院外処方箋を発行し、お薬を院外の保険薬局でお受け取り頂いております」。
現在、日本全国の薬局数は約5万8000店。病院などとは異なり薬局の開設許可には需給面からの規制がなく、右肩上がりで増加している。同じく伸長しているコンビニの店舗数(約5万4000店)より多く、ガソリンスタンド(約3万2000店)や郵便局(約2万4000店)といった社会インフラをはるかに凌駕している。
薬局急増の背景には、薬の処方は医師が、調剤は薬剤師が分担して行う「医薬分業」が、国策として強く推し進められてきたことがある。病院が院外処方箋を発行するようになると、それを目当てに病院の近隣に多くの「門前薬局」が林立するようになった。同様の風景は大病院の近くでは随所に見られる。東京・品川区の旗の台駅から商店街を抜けると、一際高いビルがそびえ立つ。1日平均の外来患者数が同じく約1400人の昭和大学病院だ。周囲には飲食店に交じって、背の低い14の薬局が密集して軒を連ねている。以前は静かな住宅街だったところで再開発が進み、薬局の出店が断続的に続いた。「もうそろそろ飽和しただろうと思っていたら、また1店建ったという感じで、気がついたらずらりと並んでいた」。地元の商店主は当時を振り返る。それから十数年、店舗の入れ替わりはあっても、薬局の数は減っていない。商店主は、「これだけあるのにどうやって経営を成り立たせているのか、つくづく不思議に思う」と話す。

門前薬局ほど楽な商売はない
「門前薬局をビジネスとして考えると、これほど楽な商売はない」。あるチェーン薬局の幹部は実情を語る。病院の前に店さえ出せば、自動的に患者が入ってきてくれるため、「顧客開拓なんて必要ない。その病院に合わせた薬に限ってそろえればいいので、在庫リスクも小さい。保険収入なので、取りはぐれがないのも大きい」。そうしたビジネスモデルのため、「買収案件は枚挙にいとまがなく、これまでは個人経営の小規模店であっても、だいたい年商ぐらいの値段がついた」と、ある薬局コンサルタントは話す。この人物が知る中でも数年前、2店で年商5億~6億円ほどの薬局に、やはり同額ぐらいで買い手がついたという。チェーン薬局幹部によれば、「門前薬局の決め手は何と言っても立地。病院の出入り口に近ければ近いほどいい。それで評価額も大きく変わってくる」のだという。
こうした状況を国も問題視している。
2015年、政府の経済財政諮問会議で当時の塩崎恭久厚生労働相は、「病院前の景色を変える」と発言し、乱立する門前薬局のあり方の是正に意欲を見せた。後任の加藤勝信厚労相も同様の認識を示し、2018年度の調剤報酬改定では、門前薬局に厳しい内容が見込まれる。実際、10月25日に開催された財務省の財政制度等審議会の分科会では、薬局の調剤報酬の大幅な引き下げを据える方針を示した。

財務省がそうした方針を示した背景には、薬局の収入である調剤医療費は、2001年度の3.3兆円から2016年度には7.4兆円へと2.2倍に膨らんでいることがある。この急増の理由の一つとして考えられているのが、先に触れた医薬分業の推進だ。
医薬分業を進めるため、病院や診療所が薬を出す院内処方より、外の薬局で受け取る院外処方の技術料が高く評価されてきた。薬剤師の人件費など薬局の運営費用を考慮したためだが、その結果、同じ薬を処方する場合であっても、院外処方の場合は院内処方と比べて3倍超の技術料が算定されている。
国が医薬分業を推進したのは、処方される薬を医師と薬剤師双方がチェックすることで安全性を担保するとともに、医師が薬から利益を得るために患者に不用な薬を大量に出す「薬漬け医療」を減らせば、医療費も大幅に抑制できると判断したためだ。だが実際は薬剤費に薬局の技術料分が上乗せされるため、医薬分業が進めば進むほど、調剤医療費は増加することになる。国の狙いは外れ、大手チェーン薬局が高収益を享受する一方で、調剤医療費は逆に膨らむ羽目になった。
実際、財務省が示した高血圧や糖尿病などで28日分の内服薬が処方されたケースでは、薬剤費を除く投薬費用に関しては、3割の自己負担分だけでも、院内処方だと420円で済むところ、院外処方だと1820円と4倍以上になる。問題は患者がこの差を納得できるだけの機能を、薬局が果たしているのかどうかだ。薬局の報酬となる技術料(調剤医療費7.4兆円のうちの1.8兆円)は、処方箋受け付け1回ごとに算定される「調剤基本料」、処方する医薬品の錠数などによる「調剤料」、服薬指導の「薬学管理料」から成る。

調剤も服薬指導も誰がやっても同じ作業
その実態は、「基本料は単なる入場料で、調剤も医師の処方箋の記載どおりの作業。服薬指導もマニュアルどおりに話せばよいだけ。つまり誰がやっても同じ作業で、薬学部で学んだ専門性を生かす機会がまったくない」と、複数の薬剤師は口をそろえる。
こうした指摘に対して、厚労省は2015年10月、「患者のための薬局ビジョン」を発表した。核となったのが、「かかりつけ薬剤師・薬局」だ。2025年までにすべての薬局は24時間対応や在宅対応を果たすことが必要だとする、薬局再編像を示した。この方針を受けて前回の2016年の報酬改定で新設されたのが「かかりつけ薬剤師指導料」だ。一定の要件を満たした薬剤師が患者の同意を得れば、従来よりも高額の報酬を算定できることになる。
厚労省幹部は「医薬分業にはコストに見合うメリットがあるというのが厚労省の考えで、かかりつけ薬剤師の果たす役割はそれを示すものだ」と、その狙いを語る。ただこれは、院内処方に比べ3倍超かかる費用に見合う価値を薬局・薬剤師が提供しているのかという、本来の問いに対して直接答えたものではない。「批判をかわしたどころか、逆に新たな加算をつけるなど肥大化している」(政府関係者)といった声もある。
調剤報酬の改定をめぐる議論が11月から本格化する。
今回の財務省の問題提起は、特定の形式ありきではなく、患者にとって本当にメリットのある薬局・薬剤師のあり方とは何なのか、ゼロベースで議論する格好の機会になるといえそうだ。
(東洋経済ONLINE)



次期改定でターゲットになっている調剤です。どこまで医薬分業の対価としてのメリットをアピールできるか。それが成せなければ調剤への風当たりは暫く続きそうです。
# by kura0412 | 2017-11-06 11:18 | 医療政策全般 | Comments(0)

『給付抑制が「医療崩壊」に繋がるわけではない』

給付抑制が「医療崩壊」に繋がるわけではない給付と負担のバランスをどう取るべき

衆議院議員総選挙も終わり、2018年度予算編成に向けた議論が加速し始めた。来年度予算の最大の焦点の1つは、「診療報酬」「介護報酬」の同時改定だ。つまり来年以降の「医療給付」と「介護給付」をどのように出すかを決める。給付を増やせば、より充実した医療や介護ができる。しかし、財源がなければ、給付はできない。1~3割の自己負担が医療や介護にもあるから、給付が増えると、相似拡大的に自己負担も増えることになり、患者や利用者の財布を直撃する。さらに、給付財源の半分は保険料で負担することになっているから、給付が増えると、保険料負担も増えることになる。保険料は、病院や介護施設に行かない人にも負担を求めるから、保険料が増えると、元気な人でも負担増となる。最も大事なポイントは、給付と負担のバランスをどうとるかだ。負担には限界があるから、給付を抑制せざるをえない。この観点は、高齢化が進んで医療や介護の給付が年を追うごとに増大する今日、ますます重要となっている。

所得の伸び以上に医療給付が増えるとどうなるか
10月25日開催の財政制度等審議会で出された資料では、最近3年間で雇用者報酬(働いている者が受け取る給与等の総額)が年率1.3%増加しているから、その範囲で給付が増えるなら保険料率は上げずに済むが、それを超えた率で給付を増やせば保険料率を上げざるをえない、ということが明確に示されている。被用者の保険料は、所得に比例して徴収されているから、給料が増えるのと同程度に、社会保障の給付が増える分には、負担率(保険料なら保険料率)は変わらない。が、それを超えた率で給付が増えれば、保険財政上、保険料率を上げて対応することになる。事実、医療保険ではこのところ、雇用者報酬の増加率を上回る率で給付が増えているため、保険料率は上昇の一途である(介護保険・介護報酬については別の機会に譲りたい)。医療費総額の伸びを、最近3年間でみると、年率2.6%となっている。この伸びには、高齢化による影響もあるし(75歳以上の高齢者は若者より1人当たり医療費が高い)、2年に1度の診療報酬改定による影響もある。最近3年間の趨勢でみたとして、医療で保険料率を上げないようにするには、医療費総額の伸びを年率1.3%以下にしなければならない。単純にいえば、医療費が年率2.6%で伸びているのを年率1.3%の伸びに抑えるには、年率1.3%分の抑制をかけなければならない。診療報酬改定が2年に1度であることを考えると(2018年度に改定されるとその単価は2019年度も据え置かれる)、1.3%×2年分で、改定1回当たり、2%台半ば以上の診療報酬総額の引き下げが必要だ。そうしないと、被用者の保険料率は引き上げられ、負担増となる。この主張に対して、日本医師会は10月25日の定例記者会見で早くも反論し、診療報酬のプラス改定を主張している。財務省は診療報酬のマイナス改定を主張する反面、日本医師会や医療関係諸団体はプラス改定を要望しており、両者の隔たりは大きい。とはいえ、今年末までには、診療報酬の大枠を決めなければならないから、残された時間は少ない。どう決着をつけるのか。何かと注目されるのは、総額としての診療報酬がプラス改定になるのかマイナス改定になるのか、だ。ただしそれは、結果的な仕上がりの姿であって、内容を具体的に見る必要がある。診療報酬は「薬価等」と「診療報酬本体」に分解できる。診療報酬本体とは技術料であり、医師や看護師など医療従事者の人件費や医療機関の経費に相当する。薬価等と診療報酬本体の足し算として、総額としての診療報酬の姿が決まる。これを2018年度政府予算案を取りまとめる今年末までに決めなければならない。

薬価下げて技術料は上げ、両者のメンツを保った
このところ医薬品の単価は、1度使われ始めると下がる傾向にあるから、「薬価等」はほぼ確実に引き下げることとなる。もちろん、高額な単価の新薬が出るという要因はあるが、ここでの薬価は使われ始めた医薬品のものである。薬価等で報酬を引き下げられれば、診療報酬総額もマイナス改定にすることが可能となる。他方、「診療報酬本体」(技術料)でどうなるか。診療報酬本体は、日本医師会をはじめとする医療関係者が最も関心を寄せるところで、これがプラス改定にならないと、彼らの面目が保てない。これまで診療報酬改定をめぐり、医療関係者は、薬価等で引き下げれば、その分、診療報酬本体を引き上げられる余地(財源)が出るから、その余地をできるだけ多く使って診療報酬本体を上げてほしい、と要望してきた。が、財務省は、薬価等の削減分は診療報酬本体と関係ないものだから、薬価等で”はがして”診療報酬本体で”つける”やり方は認めない、と対抗してきた。こうした膠着状態から、薬価等を下げて診療報酬本体を上げ、総額としての診療報酬でみればマイナス改定、というところで落としどころを見つけてきたのである。そうすれば医療関係者も財務省も両者顔が立つからだ。現に前回2016年の改定では、薬価等では改定率にしてマイナス1.33%、診療報酬本体では改定率にしてプラス0.49%で、両者を合わせてマイナス0.84%となった。もっとも、薬価等を大きく引き下げれば、今度は製薬会社や薬局の猛反発を招く。特に、日本で新薬開発に熱心な製薬会社からは、薬価を大きく引き下げれば新薬の開発が滞り、安倍晋三内閣の成長戦略にも支障を来す、と圧力がかかっている。とはいえ、雇用者報酬の伸び以上に、総額としての診療報酬が伸びると、被用者の医療保険の保険料率を引き上げざるをえなくなる。この保険料負担は、本人負担分だけでなく、雇い主である企業側も、事業主負担分として増えることになる。企業にとっては人件費の増加圧力だ。だから経済界は、医療保険料の負担増には反対しており、診療報酬の引き下げを主張している。2018年の診療報酬改定について、今年ならではの案件があるとすると、それは「薬価制度の抜本改革」である。つまり、安倍内閣として取り組むことにした薬価制度の抜本改革で、薬価等の引き下げにつながる取り組みがあれば、それを今回の診療報酬改定に生かそうというのだ。その1つとして、新薬の開発を支援するためとして設けられた、「新薬創出加算」という診療報酬の制度が焦点となっている。新薬創出加算とは、革新的な新薬の創出などを目的に、後発品(ジェネリック)のない新薬に薬価の加算を認めて、実質的に薬価が下がらないようにする仕組みだ。これによって製薬会社は、趨勢的に下がるはずの薬価を維持でき、収益を確保できる。ただその新薬創出加算は、真に革新的な新薬かを厳密に精査せず、大半の新薬に認められているため、単純計算すると、直近で年約2500億円の加算が認められたのと同然の効果となっているという。ちなみに診療報酬総額の1%分とは4500億円である。財務省は、この加算に対するゼロベースの見直しと、費用対効果についての評価を提案している。わが国として、革新的な新薬の創出は望むところだから、画期性や有用性をエビデンス(科学的根拠)に基づいて評価し、認められたものだけに薬価で優遇するという方向性だ。画期的でもなく、有用でもない”新薬”にまで、加算を認める必要はない。

薬価引き下げがないと保険料率は上がりかねない
薬価等をかなり引き下げられれば、診療報酬総額を大きくマイナス改定にできる可能性はある。薬価等で1%程度の引き下げしかできなければ、診療報酬本体でも1%程度の引き下げをしないと、総額としての診療報酬の2%半ばの引き下げはできない。よって被用者の保険料率も上がりかねない。もちろん医療の今後を考えれば、今回の診療報酬改定でとうは、医療機能の分化・連携の強化、地域包括ケアシステムの構築推進、患者への価値中心の安心・安全で質の高い医療実現をはじめ、細かな医療の検討項目を深く議論することは重要だ。それは総額としての診療報酬改定の議論と同時進行で、社会保障審議会医療保険部会や中央社会保険医療協議会(中医協)などで議論が進んでいる。わが国の診療報酬改定のスケジュールとしては、来年度政府予算案の閣議決定までに医療費総額の改定率を年内に内閣が決め、総額の改定率が決まった後、年明けに細かな医療の各項目に対する診療報酬のメリハリづけを決める仕組みとなっている。ここはいったん立ち止まり、診療報酬のあり方について、本稿で述べたような議論も必要ではないか。国民の医療費負担とのバランスを考えれば、給付抑制が「医療崩壊」につながるわけではない。年末に向け、診療報酬改定こそ、注視しなければならない。

(東洋経済ONLINE:土居文朗)
# by kura0412 | 2017-10-30 16:51 | 医療政策全般 | Comments(0)

いよいよ本番です

入院から在宅へ 6年に1度の医療・介護の同時改定 マイナス改定が焦点に

財務省と厚生労働省は25日、2018年度予算編成を巡り、診療報酬と介護報酬の改定の検討に入った。6年ぶりの同時改定により、団塊の世代が75歳以上になる超高齢化社会を前に、効率的な医療・介護の体制を整える。両省は入院から在宅へ誘導する考えだが、社会保障給付費の抑制にどこまでつながるか。持続可能な社会保障制度に向け調整を急ぐ。

●基本的な考え方
25日に開いた財政制度等審議会で政府内の検討が始まった。試算だと社会保障給付費は全ての団塊の世代が75歳以上になる25年度に148.9兆円と17年度から23%増える。内訳をみると、年金はあまり増えないが、医療費は38%増、介護費は86%増にそれぞれ膨らむ。両報酬をマイナスにできれば、社会保障給付費を抑え、国民負担の増加も和らげられる。両省は6年ぶりの同時改定にあわせ、医療と介護のあり方を一体的に見直す。患者の需要にあった効率的なサービス体制を整えるのを課題とする。入院患者を減らし、地域の医療・介護サービスを受けながら在宅で過ごす人を増やせるようにするのが理想的な姿だ。現在は重症患者のための「急性期病床」を多くそろえた医療機関に手厚く診療報酬を回す仕組みになっている。高齢者がリハビリできる「回復期病床」の需要が大きいのに、提供体制は急性期病床に偏りが激しい。報酬の構造を変え、超高齢化社会への対応を急ぐ。

●どこに切り込む?
財務・厚労両省はこうした考え方に沿って、診療・介護の両報酬を見直す。急性期病床に偏重した医療体制など、患者のニーズにあわず、医療費の無駄を生んでいる可能性がある。財務省は診療報酬の算定基準を厳しくする方針で、厚労省も報酬下げの検討に入る。削減する一方で、自宅を中心とした地域での医療・介護の連携サービスには診療報酬で支援する。財務省は算定にメリハリをつける考えだ。医療・介護のサービス費用の効率化も目指す。財務省は重複投与を防止する取り組みがおろそかな薬局への報酬を下げる方針。費用対効果の低い高額な医薬品の薬価も下げる。介護では一人暮らしの家を訪れ家事などを援助するサービスで、月100回以上利用するケースもある。財務省は1日当たりの報酬に上限を設けるよう求める。

●水準前回16年度の診療報酬改定率はマイナス0.84%だった。
財務省は今回、2%台半ば以上のマイナス改定を目指す。薬価引き下げに併せ、医師の給与にあたる本体のマイナス改定も求める構え。1%引き下げると、税金や保険料、患者の自己負担の合計で約4500億円減る。財務省は介護報酬についてもマイナス改定を主張する。前回15年度は2.27%のマイナスだった。ただ診療報酬については日本医師会のほか、与党議員にはプラス改定を求める声が強い。介護報酬も厚労省や介護事業者はプラス改定で譲らない構え。年末まで関係者間の攻防は激しくなりそうだ。
(日経新聞)


総選挙が終わり、いよいよこの話題が政治課題として議論が交わされます。いよいよ本番です。
# by kura0412 | 2017-10-26 14:51 | 医療政策全般 | Comments(0)

CM流しておいて

連日にようにCMを流していた法律事務所が弁護士会から処分を受けました。法を守るべき弁護士のこの結果です。
そしてもう一つ問題なのが、その誤ったままでCMを流し続けてきたマスコミの責任です。彼らには処分はないのでしょうか。正義の味方のような振る舞いをしてのこの状況です。これではマスコミ離れが加速するわけです。
その既存のマスコミですが、選挙中であるにも拘らず公平性を欠く報道を連発です。今の若者は、もうテレビも新聞も見ません。彼らの情報源は、SNSやネット情報番組からの多くの情報を自らの考えで選択し判断しています。大本営発表が通じる時代はもうなくなっていることを既存のマスコミは認識しなければ衰退するばかりです。


# by kura0412 | 2017-10-13 16:55 | コラム | Comments(0)

「都議会公明、都民フとの連携解消検討」

都議会公明、都民フとの連携解消検討
小池与党は過半数割れへ

都議会公明党は25日、小池百合子都知事が実質的に率いる「都民ファーストの会」との連携を解消する検討に入った。
小池知事側近の若狭勝衆院議員らが旗揚げする新党の役職に小池氏自身が就任した場合、都議会での都民フとの連携を解消する。都民フは単独では都議会の過半数を確保していないため、知事与党は過半数割れが避けられず、都政運営が混乱するのは必至だ。
若狭氏らは小池氏が共同代表や顧問など新党の要職に就く方向で調整しているが、都議会で小池氏と連携する公明党は強く反発している。小池氏が新党の幹部に就任した場合、国政で連立を組む自民党との関係悪化が避けられないため、衆院選の公示前に都議会での連携解消を宣言し、知事与党から離脱する方向で調整している。役職に就かない場合でも選挙応援などで新党に関与すれば、同様の対応を取るとみられる。
現在の都議会(定数127)は都民フと、同会と協力関係にある公明党で過半数を占めている。都議会第2党で23議席を有する公明党が離脱すれば、知事与党は過半数割れとなり、小池氏が進める都政改革が後退することは避けられない。自民党や共産党も小池氏への反発を強めており、都政が一気に流動化する可能性もある。

都議会公明党の幹部は「小池氏は都政に専念して改革に取り組むと約束したから都議選で協力した。国政に関与するなら信頼関係はなくなる」と強調。新党構想が表面化して以降、都議会公明党は知事周辺に小池氏の新党へ参画しないように繰り返し要請してきたが、小池氏から明確な返答はないという。別の公明都議は「小池氏は我々が知事与党を離脱する大義を自らつくった」と批判した。
都議会公明党は昨年12月、独自の議員報酬2割削減案をめぐって自民党と対立し、「自民、公明の連立でやってきたが、信義は完全に崩れた。独自の改革を進める」と表明。自公による「知事与党」の枠組みの解消を宣言した。その後、小池氏の都政運営に全面的に協力し、今年7月の都議選での都民フの大勝も公明党との選挙協力が大きく貢献した。
こうした動向に対し、都幹部は「公明が与党から離脱すれば都政は混乱する」と述べ、これから編成作業が本格化する来年度予算の審議などへの影響を懸念した。
舛添要一前都知事の退任は都議会公明党が前知事から離反したことが決め手となった。小池氏の動向に対し、ある公明都議は「小池氏は第2の舛添氏になる」とし、「都政に専念すると約束した。都政をなめてはいけない」と反発している。

(日経新聞)



この報道通りとなると、小池新党へのブームへの期待も薄らぐかもしれません。何せ東京都では、まだ具体的な成果は何も成し遂げていません。そもそも国政と都政の支持を別途に考えることにも無理がありました。公明党としては逆にスッキリするかもしれません。
# by kura0412 | 2017-09-25 16:03 | 政治 | Comments(0)

解散の大義名分となり得ます

消費増税、使途変更問う 首相、教育無償化に
衆院選 財政健全化遠のく

安倍晋三首相は18日、2019年10月の10%への消費増税を予定通り実施し、増税分の使い道に子育て支援や教育無償化の財源を加える検討に入った。8%から10%への増税分の約8割を財政健全化に回すとした使途割合も見直す。憲法改正とともに10月22日投開票の衆院選で訴える。ただ20年度にプライマリーバランス(基礎的財政収支、PB)を黒字化するとの目標は先送りが不可避だ。

首相は、消費増税分の使い道の見直しの意向を25日の経済財政諮問会議で表明し、衆院選で民意を問う考えを示す。
増税分の使い道では、5%から10%への増税で見込む税収約14兆円のうち、11.3兆円を国債償還や基礎年金の財源など財政健全化に、2.8兆円を社会保障の充実にそれぞれ充てることになっている。12年の税と社会保障の一体改革を巡る3党合意で決めた。
そのうち19年10月の8%から10%への消費増税では約5兆円の税収増を見込む。現在これを4対1の割合で財政健全化と社会保障の充実に充てるとしている。

首相は使い道として教育分野などを加え、使途割合も見直す。社会保障への割り当てを増やして教育財源にも充てることで、1兆円を超える教育財源を捻出できる可能性がある。
増税分の使途見直しは19年度予算から実施する。幼児教育を段階的に無償化し、所得制限を設ける形での高等教育の負担軽減策も検討する。
首相は選挙戦で社会保障制度の高齢者偏重を見直し、現役世代向け施策を拡充するための「全世代型社会保障制度」の構築を訴える。
民進党の前原誠司代表は8%から10%への消費増税を認める代わりに、増税分の全額を教育を含む社会保障支出に充てるよう訴えている。これに対し、首相は「財政再建とのバランスは重要だ」と指摘し、増税分の全額を教育財源に充てることは避けると主張する。
首相は12日の日本経済新聞のインタビューでも、教育無償化の財源確保について「最後は私の責任で強い決意でしっかり財源を確保していく」と明言。野党を念頭に「わが党は無責任な政策はしない」と語っていた。
20年度のPB黒字化目標を巡っては、首相は当面、堅持する考えを掲げるとみられる。ただ18年度に実施する20年度までの財政健全化計画の中間検証での先送りは必至。増税で見込んでいた財政健全化の財源は減り、首相周辺は「PB黒字化目標は2~5年先送りせざるを得ない」と語る。
国の予算では高齢者向けの社会保障費が毎年5000億円以上増え続けている。高齢者向け支出の効率化にメスを入れることなく、教育関連予算も増やすことになれば、財政健全化に向けたタガが外れる懸念は大きい。せっかく掲げた「全世代型社会保障制度」も、全世代向けのポピュリズムとの批判を免れ得ない。

(日経新聞)




当時の民主党との合意を変更するのですから、野党が避難する解散の大義名分に成り得ます。しかし、対北朝鮮問題に大きなポイントとなるトランプ大統領来日、天皇の御譲位の時期を加味すると、この解散は与党としては絶好のタイミングです。
# by kura0412 | 2017-09-19 16:18 | 政治 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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